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運に極振りしたら大変なことになりました  作者:
第二章~王都フレイ~
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惨劇

「わ、わかったのだ...」


 トーヤの殺気に気圧されながら、コウは返事をした。セイナは殺気に当てられて顔が青くなっている。ゴーキは今までに見たことのないトーヤの姿にいまだに、目を見開いていた。


「どうした?三人とも。早く行くぞ」

「お、おう。とりあえずよ、トーヤ。その殺気を抑えてくれねぇか?そんなんじゃ相手も逃げちまうぞ」

「......これでも抑えてるんだが?たいして出てないだろ?」


 なに食わぬ顔で言うトーヤにゴーキは絶句した。


「何より、お前たちの意識があるのが証拠だ。殺気を抑えなかったら少なくともセイナは倒れてるな」

「...そうか。とりあえず、もう少しだけ抑えてくれや」

「仕方ないな......これならいいだろ?」


 トーヤは出していた殺気を3分の1程度に抑えた。


「セイナ、これなら大丈夫か?」

「は、はい...」

「ゴーキ、一つだけ言わせてもらう」

「なんだよ」

「仮にも雷帝だ。あの程度の殺気に動じるはずがない。なんならあれの倍は出すだろうな」

「なんでそんなことが言えるんだよ」

「元炎帝のジジィを見たからな。あのジジィと同格ならそれ位できるだろう」

「......そうかよ」


(こいつなんつー殺気を出すんだよ。しかもあれで抑えているとか。こいつ、銃を使わなくても強いんじゃねーか?)


 そしてトーヤは歩く足を早めた。

 険しい山のはずなのだが、まるで平地を歩くかの如くトーヤは歩いていく。

 ゴーキと、山に慣れているコウはなんとかついていくが、セイナは一人遅れていた。


「待つのだ!セイナさんが遅れているのだ!それにトーヤは道が分からないのに先行しないのだ!危険なのだ!」

「......この先に俺の殺気に反応した気配があった。恐らくそいつが雷帝だろう。だから道は分かる。そうだな、ゴーキはセイナに着いておけ。コウ、行くぞ」

「だ、だから待つのだ!」


 トーヤはそう言うとさらに速度を上げた。


(おかしいのだ!トーヤのことを少ししかしらないけどこれはおかしいのだ!あの少年は一体どんな存在だというのだ!)


 コウは慌てて追いかけた。




 五分ほど進むと一つの小屋が見えてきた。


「あれなのだ。あいつらを追い出して欲しいのだ」

「......おかしいぞ、人の気配がない」

「そ、そんなはずないのだ。とりあえず行ってみるのだ」




 二人が小屋を開けるとそこにあったのは傷跡がない死体の山と、真っ黒に焼かれた死体だった。

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