元炎帝の力
「おいおい、炎帝なんて、さすがに無理があるぞ?」
ゴーキはそういうものの、トーヤは渋い顔していた。
そしてトーヤは口を開いた。
「ジジィ、本当に元炎帝か?」
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、もちろ、ゴホッゴホッ。もちろんじゃ!...ん?お主...いや勘違ゴホッ、ゴホッ。勘違いじゃ。忘れろ」
「気になるだろ。言え」
「気にするなといっておるじゃろ。ガハッ!」
そして元炎帝はまたしても吐血した。
「とりあえず、元炎帝の証拠をみせてみろ。何か強力な魔法でもつかってみろ」
「はぁ、はぁ、いいじゃろう」
元炎帝は肩で息をしながら二人に背を向けた。
「『炎の精霊よ、業火より生まれし槍にて敵を貫け!フレイムラ、ゴホッゴホッ、フレイムランス!』」
数多の炎の槍が出現するものの、途中で咳をしてしまったせいか。その槍は暴走し、あちこちへと飛んでいった。
その一つ一つが、5mほどのクレーターをつくっていた。
そして、そのうちの一つが、ゴーキを捉えた。
「あっつ!熱い!水!水!」
ゴーキはそのまま川へと飛び込んだ。
「む?失敗したようゴホッ、ゴホッ。失敗したようじゃの。やはり薬がないとの」
「威力はある、だがそれが使いこなせないなら意味がないな。おい、その薬はどうした?」
「貴重なものでな。あの万病にきく『スライムの核』をつかゴホッ、ゴホッ。使うんじゃよ」
その言葉を聞き、トーヤは頭をおさえた。
「どんだけ万能なんだよ...スライムの核......」
「なにか言ったかの?」
「いや、なんでもない」
「それにしても、ゴホッ、ゴホッ、あの男何者じゃ?けっこういりょゴホッ、威力はあったはずなんじゃが」
「きにするな」
「きにしろよ!」
会話が聞こえていたゴーキは川から這い出てきた。
「キモい!」
トーヤはゴーキに対してめらいなくはハンドガンで撃った。
「いってぇな!」
「痛いではすまんじゃろ...」
その光景をみて元炎帝はつぶやいた。
「で、ジジィ、どうして降ってきたんだ?」
「呼び方を変えんか。ゴホッ」
「名前知らねぇし」
「そうじゃったの。ワシはリュウエンじゃ」
「そうか。で、ジジィ、どうして降ってきたんだ?」
「もうええわ...ゴホッ。じつゴホッ。実はの、現炎帝に負けての。吹っ飛ばされたんじゃ」
「へぇ、強いのか」
「強いぞ。お主は現炎帝にそっくりじゃ」
「いや、知らねぇし」
「ふむ、そうか。ではな。ゴホッ、ゴホッ。ワシはもう」
「そうか、逝くのか」
「ゴホッ、ゴホッ。もうええわ。じゃあの」
元炎帝、リュウエンはどこかへと去っていった。
「なんだったんだ?あのジジィ」




