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運に極振りしたら大変なことになりました  作者:
第一章~異世界の日常~
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チェフの決意

 トーヤとセイナは、チェフの店へと入っていった。

 店の中には工具の類いしか置いていなかった。


「さぁ、『スライムの核』を見せてくれ!」

「ほれ、これだよ」


 トーヤはスライムの核が入った袋ごとチェフに手渡した。

 袋に入ったスライムの核の数をみてチェフは驚きの声をあげた。


「こ、これは確かにスライムの核!!しかしこの量は一体...おい!クソガキ!一体この数はどうしたんだ!?」

「うーん、どうしたって言われてもなー.....運も実力の内っていうか、運が実力っていうか...」

「なにいってるんだ?...まぁいい!ふっ、久し振りにやりがいのある仕事だな。そういや、てめぇのメインウエポン見せてみな」

「これだが?」


 トーヤはハンドガンを見せた。


「はぁ!?お前さんこんなものを使ってんのか!?これじゃ火力が足りないだろ!!ゴブリンも殺せねーよこんなのじゃ!」

「はぁ?ゴブリンは余裕だったぞ。かなり」

「...クソガキ、てめぇレベルは?」

「4だな。まだまだ駆け出しの冒険者だ」

「......一体どうなってんだよ....」

「まぁ、気にするな。ところで、こいつじゃ何か問題があるのか?」

「まぁな。『核爆発弾』なら使える」

「じゃあいいだろ」

「いや!俺が今から作るのは『核爆裂弾』だ」

「どう違うんだ?」


 トーヤが聞くとチェフは簡単な図を書き始めた。


「『核爆発弾』はな、着弾時半径1mに爆発を起こす。『核爆裂弾』はな、着弾時半径1mに爆発を起こし、核の欠片を半径5mに飛ばすんだ」

「強いのか?」

「勿論!スライムの核はな、ダイアモンドよりも硬いと言われてんだよ!」

「へぇ、すごいなそりゃ」

「おうよ!俺もな、若い頃一個だけ運よく手に入ったんだよ。それで核爆裂弾を作ったんだ。そいつをダンジョンのボスに使ったんだ」

「どうなったんだ?」

「一撃さ、一撃!すさまじい威力だったさ!」

「ほう、じゃあさっそく作ってくれ。どれくらいかかる?扱いが難しいみたいだから一ヶ月とかか?」

「はん!舐めんじゃねぇよ!一日で終る!」

「そんなに早いのか?他の仕事はないのか?」

「この仕事より優先するものなんてねーよ!わかったらさっさと帰りな!」

「...すまんな。報酬はその弾一個でどうだ?」


 トーヤの言葉にチェフは目を見開いた。


「......いいのか?」

「あぁ。それだけあるからな。これからも世話になりそうだしな」

「よし!決めた!」

「...なにをだ?」

「中古で悪いが俺が使っていたやつをてめぇにくれてやる!」

「いいのか?」

「あぁ!メインはやれんが俺がサブで使っていた物をやる!明日とりにきな!」

「悪いな」

「気にするな!ところで、俺がBランク以上にしか商売しない理由がわかるか?」

「わからん」

「若いのに死なれたくねぇからだよ」

「......そういうことか」

「だが、てめぇなら大丈夫だろ?」

「当たり前だ」

「よし!作業に入るから帰りな!」

「あぁ。じゃあな。いくぞ、セイナ」

「...は、はい」


 トーヤと完全に蚊帳の外だったセイナはチェフの店をあとにした。

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