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廃ゲーマーは異世界で第二の人生を謳歌する  作者: 咲く桜


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002.森での生活

 森の中で木を数本切り倒し、拠点用のヤードを確保することにした。木を切り、倒れる前にストレージへと週のしていけば爆音が鳴り響くこともない。


 20本も切ればある程度の広さが確保できた。空も見えるしテントを置いてもなお視野が確保できるくらいには広くなった。


 これくらいの広さの平場を森のあちこちに作るつもりだ。いずれは海にたどり着くだろうし、数日で着くのは歩いてきたからわかっている。


 あの後、とある事があり新参が使う公式チートは既になくなっていることに気づいたので、今の俺はすでに無敵じゃない。それでもテントの効果のおかげか魔物が襲ってきたりはしないから安心して休める。カレナリエン様様だな。


 首輪をつけたリトルボアに餌をやりつつインターフェースを開く。


「そいじゃあ、色々確認しますかね」


確認したいことは多い。

まずは称号からだ。


●●―――――○○

称号「巨人殺し」

レベル差が50以上離れている敵を倒すと与えられる。自分よりレベルが上の敵との戦闘時に限り、総合戦闘力を100%向上させる。

●●―――――○○

称号「一騎当千」

自分より格上の敵と一対多で戦闘し、勝利すると与えられる。複数の敵との戦闘時に限り、元の総合戦闘力を100%向上させる。

●●―――――○○


 ……チートもいいところだぞ。巨人殺しは制約こそあるが、一騎当千に関しては複数相手の戦闘全てが対象のため、高確率で戦闘力が倍になるということだ。


 鑑定されても、戦闘時以外は強さが伴わない、数値に現れ難い称号だ。これをチートと言わずになんと言うのか。他人なら非難ものだが、自分がそうなるとニヤけてしまうな。こんな世界では強さなどいくらあってもいいのだから。


「次は職業選択か」


 無職のままレベルを上げてしまった俺だが、なんの職業を選ぶかはぶっちゃけ決めていなかった。前のゲームではチームメンバーもいたので、割と偏った能力と言われる機巧魔技師を選択していた。


 魔法を使う機械を駆使する職業といえばわかりやすいだろうか。なかなか面白い職業だったので、ゲーム終盤ではそればかり育てていた。


 最初の方は前衛や後衛の職業で遊んでいたのでなんでもこなせるとは思うが、今後1人でも生きていくことを考えるとバランスのいい職業が望ましい。


「選択可能職業はーーーー割と多いな」


・戦士 ・剣士 ・鞭使い ・調教士 ・冒険者 ・鑑定士 ・斧使い ・精霊使い ・槍士 ・弓士 ・盾士 ・隠密 ・大工 ・木工士 ・木こり ・アルケミー


 なんとなく俺の行動に合わせた職業が出ている気もする。レア職業の精霊使いがあるのは、火精霊の小剣のおかげだろう。ただ、精霊は人間にあまり懐かないと言われているため、人族の俺がこの職業を選ぶのはややリスキーとも言える。


 無難なのは前衛職だが、隠密なんかも面白そうな気がする。アルケミーは錬金術とかでいろいろ作れるようになるかもしれないし……。


 自分の将来像を考えた時、何になりたいかと言われると難しいものだ。しかも、職業は全部で3つまで覚えることができ、その組み合わせによっては4つ目が解放されることがある。


 俺の機巧魔技師も4つ目で解放された職業だ。機巧魔技師は戦士、魔術師、機巧士を組み合わせた固有職業。俺が知っているだけでも固有職業は100を超える。その中でも俺が選ぶのは――――あれがあったか。


 1人で生きていくと言ったが、やはり限界はある。となればできる人にどんどん仕事を分散してやらせたほうが効率的だ。


「ここはアルケミーとしようか」


 いつか俺の助手をこの手で作ってみせるさ。幸い、素材やレアなアイテムはストレージにたらふく仕舞ってあるからな。


【職業「アルケミー」が選択されました】

【職業スキル「分解」「抽出」「再構成」「乾燥」を習得しました】


 おっと。スキルに頼らないと思っていたが、やはり職業を選択すると職業スキルは勝手に獲得する仕様のようだ。これは個人でやるには器具も知識も足りないから、頼ってしまってもいい分野かもしれない。


「最後は信じられない業績とやらの達成で獲得した報酬の確認だ」


 虚空から赤と青の宝箱が2つ出てきたのには驚いたが、この世界に降り立った時点で何が起こっても不思議ではないからな。そういうものだと思って受け入れるだけだ。


 まず青い宝箱を開けると、何も書かれていない紙が一つと説明用の小さい紙が入っていた。


『知りたいことが一つだけ絶対に知ることができる紙』


 なるほど……。こいつは確かにとんでもない報酬だ。使い方次第で未来すら予見できるということなのだから。例えば、世界征服するための綿密な方針を教えて、とかね。


 いや、やらないけど。あとは、俺はこの世界で何をすべきか、とかか。いずれにせよ、使い所を見極めないといけないな。


 次に赤い宝箱を開けた。中に入っていたのは薄っすら光る石が2つと説明用紙。


『特級召喚石:この世界に現存する魔物の中からランダムで呼び出し、従魔とする。なお、召喚者の強さに応じて召喚される魔物の強さが比例する。※召喚された魔物は原則として忠誠を誓う』


 なかなか博打性の高い報酬だが、面白くはある。何が出るかわからないあたり、一種のガチャのようなものだろう。ただ、強さに応じて魔物も強くなるなら、俺が強くなりすぎた場合、出てくる魔物がどうなるのだろうと言う興味がある。


 これもひとまずは放置しておこう。俺自身が弱すぎてスライムとか出てきたら立ち直れないし。確認したいことは概ね完了した。公式チートが残っていたおかげでかなりズルをしてしまったが、いきなりこんな世界に飛ばされたのだ。これくらいの優遇がないとやってられんわな。


「あー……。今日はもう寝るか」


 装備を外し、風呂に入ってベッドでぐっすりと寝た。ありがとうカレナリエン。


 ストレージ内には水樽が引くほど入っているから当分困ることはないが、いつまでもこれを使うのは生産性がない。せっかくアルケミーになったのだから、飲み水くらいは自分で手に入れたいところだ。アルケミーのスキルを駆使すれば、安全な飲み水も手軽に手に入るだろうし。


「よし、水場を探そう」


 山に向かうまでに川は無かったが、これだけ広大な森だ。川の一つや二つはあるだろう。泉だってあるかもしれない。水場には多様な生物がいるものだから、戦闘も念頭に入れておく。


 薬草や山菜を採取しながら歩く。時折現れる弱い魔物も倒しながら進む。捕まえていたリトルボアだが、ワイバーン・エリートとの戦闘以降、俺と争うことを諦めたのか俺に戦闘を仕掛けてこなくなった。そのせいで戦闘不能状態と見做されたらしく、ワイバーン・エリート以降の戦闘が3戦目〜となってしまっていたらしい。


 そんなのわかるか! と思ったが、俺でさえ知らないこともある、という事実にやや感動を覚えた。 今は体をロープで縛っておけば大人しく歩いて付いてくるので、いつでも食料にすることが可能だ。


 腹が減るのは魔物も同じで、採取した山菜や倒した魔物を餌としてやったり水をやったりしている。ちょっと愛着すら湧いてきている自分がいる。


「……名前くらいはつけておくか」

『ぷぎ?』


 餌を食べながら首を傾げるウリ坊。くっ、ちょっと可愛いじゃないか。よし、決めた。


「お前の名前は牡丹ぼたんだ」

『ぷぎ』


 牡丹は可愛らしい返事とともに食事へと意識を戻した。いつか鍋にされるとも知らずに。


 その後も森をウロウロ歩き回っているが、これがなかなか見つからない。すでに2日も経っている。ちょこちょこ魔物を倒しているのでレベルは上がっているが、水場がない。


「なぁ牡丹、川とか泉がどこにあるか知らないか?」

『……ぷぎ』


 知っているらしい。俺の言葉を聞いて普通に歩き始めた。やれやれ、そんなことも知らないのか、と言わんばかりの顔をしていたような気がした。なんか腹が立つ。


 牡丹に連れられて歩くこと8時間弱、川にたどり着いた。くそ、意外と近いところにあったらしい。こんなことなら最初から聞いておけばよかった。


 川の近くに拠点を作るため、また平場づくりに精を出す。今度はやや広めに整地しつつ、木材をどんどん確保していく。


 テントの力を信じていないわけではないが、木柵くらいは作ってもいいだろう。永住はしなくともそれなりの自分のためのエリアは欲しいしな。


 せっかく作るなら広めにするのはありだ。錬金用の小屋も作りたいし、牡丹を放し飼いにするためのヤードも確保したい。


「50m四方くらいで整地するかな」


 釣り用スペース、解体用スペースなど色々やり始めるとあっという間に使い切ってしまいそうではあるが、ちょっとした町づくりみたいで面白い。せっかくならキノコでも育てようか。幸いにも色々なキノコの原木を持っているし、生産用の小屋さえ作れば意外とすぐ育つかもしれない。


「牡丹、キノコ食いたいか?」

『ぷぎっ!』


 たぶん食いたそうだ。心なしか目が輝いている気がする。おれもキノコの出汁が出た料理とか作りたいし、いいな。野菜も育てようか。種はいろんな種類がストレージにある。そうと決まれば狩りをしつつ拠点の構築だ。


 こんな環境でもワクワクしている俺はきっと異常者なんだろう。それでもストレージにあるアイテムたちが安心させてくれるし、ゲームで培った知識や経験が補助してくれる。


 意図せず牡丹という非常食……道連れも手に入れたしな。


「ひとまず木を撤去するか」


 木を切り倒してストレージに収納し、すぐさま次の木を切り倒していく。心を無にして続けること6時間弱。かなり広い空間を確保できるようになった。陽の光も降り注ぐくらいには拓けている。これなら畑を作っても野菜が育つだろう。


 次は切り株の撤去だが、試しにストレージに入れられるか試したら普通に収納できてしまった。切り倒していない木が入らないのは確認したが、切り株なら収納することができるようだ。なんというご都合主義か。


 切り株は後で根を切って簡易的なアウトドアチェアに変身させるとして、次は木の枝払いだ。木はざっと300本ある。300……


「何日かかるんだ……」


 絶望と共に独りごちた。


 牡丹は川で水を飲んだり走り回ったりしている。一応ロープで胴体を縛っているため逃げたりはしないだろうが、すでに逃げる素ぶりすらない。戦闘状態にもならないし、もしや、飼い慣らしたのか?


 そういえば、名付けをしてから明らかに落ち着いた気もする、か? まぁ、1人だと寂しいしな。


 俺は生憎と魔法がまだ使えないので、剣を駆使して枝払いをしていく。折角なので、剣をゲームで扱っていた時の記憶を思い出すように剣を振るう。


 これが想像以上に楽しく、暗くなるまでぶっ通しで剣を振っていた。それでもまだ20本くらいしか終わっていないので、また明日以降にしよう。


 火精霊の小剣から火種をもらい、枝払いした残骸を燃やした。


「生木はなかなか燃えないな……」


 生木の枝のためかなりの煙が出たが、小剣の火力で力押しして燃やした。火が無いよりいいだろうと煙については諦めた。魔物が来たところでこのテントはびくともしないしな。


 念の為に牡丹もテント内に入れ、風呂と飯のルーティン後に普通に眠りについた。牡丹もお風呂に入れてみたが、元が汚かったのかすごく綺麗になった。


 嬉しそうにトコトコ歩いていたので、満更でも無いらしい。身体中にノミとか寄生虫でもいたのかな。


 翌朝、寝ぼけながらベッドから起き上がると、ベッドの足元で牡丹が気持ちよさそうに寝ていた。……涎を垂らし散らかしていたので、軽く足でどついておいた。それでもスヤスヤ寝ていたが。


 朝食を食べていると匂いに誘われたのか起きてきたので、適当に魔物肉と水を出してやり今日のやることを考える。


「牡丹の餌用に雑魚魔物も欲しいけど、木柵もやりたいからなぁ……。どうしたもんか」


 枝払いにはまだまだ時間がかかる。午前は狩りに行って午後からは枝払いとしよう。テントをストレージに収納し、狩りへと出かける。


 レベル上げと技術の習得を目的とした狩りだ。餌確保はついでだな。川には魚もいるみたいだったし、ストレージにある魚用の罠でも仕掛けてみるか。


 今更ながら、お大臣したいからとアレコレ買っていた俺がファインプレー過ぎる。見境なしに買いまくった俺も俺だが、ここぞとばかりに不用品を押し付けてきた商人プレイヤーたちも相当酷いな。今は助かってるからいいが。


「折角だし武器も変えようかな」


 鞭と小剣をストレージに収納し弓を取り出す。これはありきたりだが、命中精度向上が付与されているため、素人が使ってもそれなりに当たる。使い慣れている人が使えば、ほぼ百発百中になる。


 矢筒を背負い、グローブもつける。さらに散策しているとフゴフゴと鳴く音が聞こえたので、矢を持って獲物を探すとそこには中型サイズのグレートホーンがいた。


「ちょうどいいサイズだ」


 20mくらい離れているだろうか。草木が鬱蒼としているためやや狙いにくいが、獲物の図体が大きいおかげで簡単に当てられるだろう。


 集中。


一本の糸をピンと張り詰めたように意識を集中させーー


 放つ。


 物凄い速度で飛来する矢は、眼球に吸い込まれるように到達し、脳天を簡単に貫通して即座に絶命させた。


「ふぅっ。久しぶりだったけど腕は落ちてないな」


 あの弓の集中した時の感覚は、なかなか他の武器にはない爽快感がある。狩りといえば弓だし、剣と合わせて弓も使っていこう。


 ゲーム時代、意外と狩りに興じることはなかった。専らギルドのクエストやダンジョン攻略に精を出していた。あとは、傭兵として国家間戦争に参加したり、自分が納得する戦闘用機械を製作するなどか。


 戦闘のみならず生産も面白いし、魔術の修練も面白いものだ。この世界にも魔術はあるだろうから、昔取った杵柄ではないが、困らない程度に魔法を使えるようにもなりたい。本職には勝てなくても、私生活が便利になる程度には使いたい。


 俺はあくまでアルケミーなので、錬金術を極めつつ戦闘もこなすスタイルとしたい。というか、俺の最終目標は別にある。


 ゲーム時代、ソロにも関わらず一大派閥を築いたプレイヤーがいた。そいつは戦闘もある程度こなす上に、希少なアイテムも生み出すゆえにどのプレイヤーからも敵視されずにプレイしていた傑物。


 そいつの職業がアルケミー、魔術士、付与術士を組み合わせた固有職業「創造士」というものだった。名の通り、生産もすることが出来る上に、魔術の創造もできる。そしてなにより、この職業にのみ唯一許されるのが、生命の創造だ。


 もちろん生命と言っても人工生命体――つまり、ホムンクルスを指す。そのプレイヤーとは仲が良かったためいろいろと教えてもらったが、ホムンクルスは創造時に使用する素材のレベルが高ければ高いほど高性能な個体となる。


 俺の知る限り、そのプレイヤーが唯一個体とさえ呼んだ個体は、魔王をも凌駕する性能を誇っていたらしい。創造に使用する素材は魔王級に希少なものをふんだんに使用したようだが。


 ホムンクルスは原則的に主人に忠誠を誓うし、肉体的な休息をほぼ必要としない。知性や知能についても人間と同様またはそれ以上を有する上に、経験を基に自発的に成長していく。そして何より、レベルという概念があるため、プレイヤーたち同様に成長する。従順で有能な存在を創造できるのが創造士の強みなのだ。


 代わりと言ってはあれだが、本人の強さという面ではほかの固有職業に比べて数段劣る。本人の努力次第ではそこそこ戦えるが、個人として世界最強などにはなりえない。とはいえ、それを補って余りある性能の職業なので問題はないんだがな。


 それ以上に問題点があるとすれば、めちゃくちゃ金がかかることだろうか。機巧魔技士も金がかかる職業ではあったが、創造士はその比じゃない。桁が一つか二つは違うだろう。まぁ、普通なら、な。


 幸いなことに、俺はめちゃくちゃ希少な素材やアイテムがわんさかストレージに死蔵されている。これでも数年以上ゲームをプレイしていたのだ。機巧魔技士で使わなかった素材は売ることもなくそのまま死蔵しているので、これらを使えば軽く10体程度は唯一個体級のホムンクルスを作ることさえ可能だろう。


 これをしてしまえば俺の希少素材の8割以上を使い切ってしまうかもしれないが、それはそれだ。素材などまた集めればいい。拠点さえ完成すればこの島の隅から隅まで探索して素材採取はするつもりなのだ。


「ああ、そういや地図系のアイテムがあったな。なんで忘れてたんだ」


 ゲーム開始時はよく使っていた地図系アイテム。自分が通過した箇所は記録される優れモノだった。だが、遊びなれるうちに地図など見なくても行動できるようになっていたので、いつの間にかストレージに死蔵していた。これからはまた活用していこう。


「今更だけど、ストレージを廃課金しておいてよかったな」


 俺のストレージは特別製だ。ゲーム時代、課金は当たり前だったが、俺は特にストレージに課金をしていた。重量無制限、サイズ無視、1枠あたり×100個収納可能、10000枠、時間経過なしという傍若無人ぶり。これを実現するのに50万円以上使った。あの時は2ヶ月ほどもやし生活を余儀なくされたが、あの頃の俺本当によくやった。


 よく倉庫キャラを別に作るひととかいるが、俺はそういうのはやらなかった。1キャラをとことん突き詰めていくのが好きだったな。


 ひとまず、狩った中型サイズ――と言っても軽自動車くらい大きい――のグレートホーンを収納し、今日の狩りは終わりだ。時間もちょうどいいし。


 マップのおかげですんなりと拠点に戻れる。拠点機能万歳。


 ストレージにあるご飯を適当に食べ、ふぅと一息。牡丹は美味そうに魔物の肉を食べている。適当に切り出して与えるだけでいいので、面倒がなくていい。川があるおかげで水も勝手に飲むしな。


 午後は枝払いを淡々とし続ける。だいぶ慣れてきたのかスピードが上がってきているし、いい調子だ。そのままぶっ通しで7時間近く枝払いをして作業は終了。その間牡丹はというと、呑気に寝ていたようだ。


 枝払いで出た枝を収納し、数本だけ火元に置いておく。煙がでているがもう慣れたものだ。スキルの乾燥で乾かしてもいいのだが、むしろ魔物が来てくれた方が俺としては楽なので、あえて生木のまま燃やしている。


「よっしゃ、明日はできてる分だけで少し木柵を作ってみるか」


 木一本の使える部分の長さはおよそ25m。壁高は3mもあれば十分だし、2mは根入れするとして、一本で5支柱ぶん賄える計算だ。手元にはとりあえず50本あるので、250支柱くらいか。


 植樹された木ではないためやや歪だが、わりと真っ直ぐ育つ種類の木なのかほぼ直木といってもいい。


 1本の直径がだいたい60〜80cmのため、平均70cmとして木柵の延長は175m程度。若干の誤差は出るとしても、そこそこの延長だ。


 平場は50m四方で作ってるから、川の部分を考慮すると……


「あれ、意外と木柵はなんとかなりそうだな」


 ログハウスも作りたいから枝払いした木はまだまだ必要なんだが、案外もうすぐ足りるようだ。計算もせずに黙々とやっていた自分がアホらしい。


 もう少し考えて作業した方がいいんだろうが、俺は大体がどんぶり勘定な人間だ。早めに創造士になって、俺の手足となって働くホムンクルスを制作せねば。


「ああ、楽しいなぁ」

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