第二話「黒い残党から逃げる」
「え? 残党?」
「あっ……えっと」
「何か隠してない?」
里奈は口ごもる。同時に、ドアを強くノックする音が聞こえた。
ドンドンドン!
「おい、いるのは分かってんだ。出てこい『源恵里』!」
「!?」
(なぜ居場所がばれた? 誰か情報を漏らしたのか、それとも……。)
「な、何で私の名前を知ってるの?」
「ねえ、里奈。あの黒い人たちは誰? 何で私のことを知ってるの?」
「……。」
「教えて!」
恵里の大きな声に、里奈は驚いた。
里奈は事情を話そうかと迷っていた。その間も、ドアをノックする音は部屋中に響き渡っていた。
しばらくして、里奈が口を開いた。
「……話せば長くなるので、詳しいことは後で説明します。ですが、簡潔に説明します」
里奈は恵里の方を振り向いた。
「あの連中は、確実に貴女のことを狙っています」
「え……。私を?」
「はい」
「何が目的なの?」
「それは分かりません。恵里さんの命という可能性もあれば、そうではない可能性もあります」
「そ、そんな……」
「なので」
里奈は一歩踏み出した。
「これから、私が案内する場所へ逃げてください」
「え? 逃げるって、里奈はどうするの?」
「あの連中と戦います」
「え! 戦うの?」
「そうしなければ、貴女の命が危ない」
「いやだよ……。里奈も一緒に逃げよう」
「それはできません」
「なんで!」
「私は、どんな状況だろうと貴女を守ると約束しましたから」
里奈は恵里を見つめた。その目からは、「これだけは譲れない」という気持ちが伝わってくる。
(約束に覚えはないけど、里奈の気持ちは本物だ)
「……分かった。けど、絶対に生きて。死ぬのは許さないから!」
「っ! はい!」
二人は玄関まで走った。
玄関にたどり着くと、里奈は玄関横にある倉庫のドアを開けた。そして、倉庫内の床に置かれていた物をどかすと、隠し通路が現れた。
「これは?」
「隠し通路です。何かあったときのために作っておきました」
「これはどこに繋がっているの?」
「この家の裏側に繋がっています。ここから出たらすぐに裏口があるので、そこから逃げてください」
恵里「分かった。ありがとう」
そして、恵里は隠し通路へと入っていった。




