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源恵里の軌跡譚  作者: 七星創羅
~第1章~ 始まりの瞬間(とき)
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第三話「光の剣、現れる」

(さて、後はあの連中を……)


ドンドンドンドン!

バンバンバンバン!


(うるさいですね……。人の家のドアを何だと思っているんですか)


里奈はドアを叩く音に、うんざりしていた。


(正面から戦うのはリスクが大きすぎる。こうなったら……)


何かを思いついた里奈は、その場を離れた。


「くそ、反応がねぇ!」

「いっそのこと、ドアを壊すか?」

「ダメだ。もしこのドアを壊したら、大きな音が響いて普通の人間に見られる可能性がある」

「チッ……」

(そうだ。ここは田舎で人通りは少ないが、向こうには住宅街がある。もしここで大きな音を出したら、人間どもがこっちに来やがる)

「じゃあ、どうしたら……」


――その時。


「全く、人の家のドアを強く叩かないでください。壊したら責任を取ってくれますか?」

「!?」「!?」「!?」

「どこだ……。上か!?」


三人のうち一人が上を向いた、その瞬間。

里奈は二階から飛び降り、残党の一人に蹴りを叩き込んだ。


「ぐはっ……!」


蹴りを受けた残党は地面に倒れ込んだ。


「なっ……! お前は!」

「源恵里はどこだ!」

「……いません」

「何だと!?」

「嘘をつくな!」

「いません……というより、逃がしました」

「なに!? お前、そんなことをしてただで済むと思うか?」

「そちらこそ、なぜ執拗にあの人を狙うのですか?」

「それは……。あの方の命令だからだ!」

「あの方というのは、あなた方の上司ですか? それとも……」


里奈はその場で手をかざした。

すると、赤銅色と銀色に輝く杖が、彼女の手元に姿を現した。


「2年前に恵里さんを壊した仲間の一人ですか!?」


里奈は怒りを含んだ声で、残党たちに問いかけた。

残党たちは黙り込んだ。

しばらくして、一人が口を開いた。


「だから何だ? お前には関係ないだろう」


そう言うと、残党の一人が里奈に襲い掛かった。


「『技能 弾丸 炎丸』!」


里奈は杖を前に構え、技を放った。

杖の先から炎の球が放たれ、敵に向かって飛んでいく。

そして、炎の球は残党に直撃した。


「ぐわああああ!!」


炎の勢いに押され、残党は吹き飛ばされた。


「なんだ、この技は!?」

「まさかこいつ、五戦ノ国の戦士か!?」

「さあ! かかって来なさい。私が相手です!」


里奈は杖を構え、残党たちを見据えた。

一方、その頃。恵里は……。


「ふう、この先に進めば裏口の方へ着くのかな?」


そう言って、恵里は薄暗い通路をしばらく進んでいった。

すると、天井から一筋の光が差し込んでいるのが見えた。


「あ! 出口かな。上にあるなあ。何か上るための道具はないかな?」


恵里は辺りを見渡し、出口へ上るための道具を探した。

すると、通路の端の方に梯子が置かれているのを見つけた。

恵里は梯子を立てかけ、出口へと上っていく。


そして、外へ出た。


「へえ、まさか芝生の一部が隠し通路の出口になっていたんだ。あ、裏口だ。あそこから出よう」


恵里が裏口へ向かおうとした、その時……。


「待て。見つけたぞ、源恵里」


「!?」


振り向くと、残党の仲間の一人が恵里に近づいてきた。


「……あなたは、さっきの仲間の一人?」

「その通りだ。お前の息の根を止めにここへ……」

「待って。何でこんなことをするの?」

「こんなこととは?」

「私を殺すことだよ。なぜそうなったのか、私には分からない。何故なら、私は記憶がないから。あなたたちと面識もない。だけど、私の名前を知っていて、命まで狙っている。だから多分、記憶がなくなる前の私は、あなたたちと何らかの因縁があったんだと思うわ」

「そうか。なら、ここで死ね」


残党は恵里に襲い掛かった。


(ま、まずい……! このままじゃ……)


絶体絶命のその時――。

恵里の目の前に、光り輝く剣が現れた。


「ぐっ……。なんだ、これは!?」

「え? 何これ?」


恵里は目の前に現れた剣を手に取った。

その瞬間、失われたはずの記憶の一部と技能が蘇った。


(何これ……。知らないのに、記憶にないのに、まるで自分が覚えていたかのように、頭の中にすっと入ってくる……)


徐々に蘇っていく、恵里の記憶の一部と技能。

そして、恵里は目の前の敵を倒すと決意した。


(技能、剣技……。これが私の力。失われた力。これで目の前の敵を倒す!)


恵里は剣を構え、残党に攻撃を仕掛けた。


「『技能 剣技 剣乱』!」

「ぐああああぁぁ!」


激しい剣さばきに、残党はなすすべもなく倒れた。


「ふぅ、た、倒せた……。この力、覚えていないのに妙にしっくりくる。取りあえず、里奈のところに戻ろう」


恵里は里奈のもとへ戻った。


グチャ……。


「……え?」


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