酒飲み
「はいよきゅうりの煮付けサービスしとくよ」
とビールのおかわりと一緒につまみが出てくる。
こちらもなかなかの味だ。
軟骨、きゅうり、ビール。
軟骨、きゅうり、ビール。
軟骨、きゅうり、ビール。
と無限にループができる。
気がつけばすっかりと酔いも回り良い気分になっていたので俺はこう呟いた。
「大将、良い店だな。またここでやってるのか?」
俺の問いに少し酔っている青髪の少女はこう答える。
「いんや。多分ここにはもう店を開かないね。と言うか同じ場所には基本開かないよウチの店は」
「そうなのか!?」
驚く俺に彼女は答える。
「そうそう、私達は旅人をしながら居酒屋を趣味でしている変わり者のパーティだからねぇ〜。またこの店に来たいなら運に任せて旅を続けるか来ることを祈って町を拠点にしておくかだね〜」
そう聞くと俺は気がついてしまった。
「この巨大な建造物ってもしかして...」
俺は居酒屋となっているツリーハウスを指差す。
「ああ、レイナの魔法だよ。おかげで家賃が必要なくて助かってるね」
俺は思わず絶句してしまった。
(こんなにすごいツリーハウスを作り上げる魔術師だと!? 凄いなんてもんじゃないぞそれ!)
伝説上の伝説ですら聞いたこともない話に度肝を抜かれるが、流石に嘘なのでは? と思い笑い飛ばした。
「まあ、またこの店を見かけたら寄らせてもらうよ」
「そうか、えっと名前なんていうの?」
「俺はガランだ」
「そっか。私はケロナ=あまみん⭐︎」
「そうか。ケロナの大将、またどこかでな」
そう呟いて一夜を明かすとあの居酒屋は既になくなっていた。
(やはりあれは夢だったのか?)
そう思いつつも俺はあの味を確かに覚えていた。
「また会えると良いなケロナの大将」
そう呟くと俺は気力が万全の体にて旅を続けるのだった。




