第十八章 楽園での休息
「希望号」は、島の入り江に静かに錨を下ろした。そこは、外洋の荒波が嘘のような、穏やかなターコイズブルーのラグーンだった。
だが、エドムンドはすぐには全員を上陸させなかった。未知の土地には、未知の危険が潜んでいる可能性がある。彼は自ら隊長となり、屈強な部下数名と、薬草の知識を持つ同胞の老人を一人連れて、最初の偵察部隊として小舟で島へと向かった。
白い砂浜に降り立った瞬間、彼らはむせ返るような生命の匂いに包まれた。色鮮やかな鳥たちの鳴き声、甘い花の香り、そして熟した果実の匂い。人の手が入った痕跡はどこにもなく、そこは、まさしく手つかずの自然の楽園だった。
偵察隊は、すぐに彼らが最も渇望していたものを発見した。岩陰から湧き出る、澄み切った真水の泉だ。そしてその周りには、ココナッツやマンゴーに似た、見たこともない果物がたわわに実っていた。同胞の老人が、慎重に果実を調べ、その匂いを嗅ぎ、少量かじって安全な食料であることを確認した。
「……ここは、神がお与えになった安息の地に違いない」
老人は、目に涙を浮かべて呟いた。
エドムンドは、部下に命じて船に合図を送らせた。安全だ、と。
その合図を待っていたかのように、「希望号」から人々が次々と上陸してきた。何ヶ月ぶりかに固い大地を踏みしめた彼らは、その場に膝をつき、砂の感触を確かめる者さえいた。
その日から数日間、島は彼らのための仮の共同体となった。
衰弱していた者たちは、木陰で新鮮な空気を吸い、栄養価の高い果物を食べて急速に体力を回復していった。子供たちは、生まれて初めて見るような蝶を追いかけ、ラグーンの浅瀬で水しぶきを上げてはしゃいだ。絶望に覆われていた彼らの顔に、純粋な喜びの表情が戻ってきた。
一方、男たちは船の修理に取り掛かった。船大工の技術を持つ同胞たちが、エドムンドの部下たちと一緒になって島の森に入り、マストの補強に使える、固く巨大な木を探し出した。斧の音と、男たちの力強い掛け声が、静かな島に響き渡る。それは、未来を自分たちの手で作り出す、希望の音だった。
夜になると、砂浜に大きなたき火が焚かれ、人々はそれを囲んで歌い、踊った。言葉も出身も違うエドムンドの部下たちと、セファルディムの民との間に、もはや壁はなかった。彼らは、共に死線を乗り越え、共に楽園を見つけた、一つの家族となっていた。
一週間後、「希望号」のメインマストは、島の木々で見事に補強され、以前よりも頑丈に見えるほどになっていた。船倉は、島の真水と保存食にした果物で満たされた。人々は日焼けしてたくましくなり、その目には力強い光が宿っていた。
出航の朝、エドムンドは全員を砂浜に集めた。彼は、船の残骸から作った簡素な木の十字架を砂浜に立てた。
「この島は、我々の海図には載っていなかった」
彼は、集まった人々の顔を一人一人見回しながら言った。
「だが、我々の記憶には、永遠に刻まれるだろう。ここは、我々が絶望の淵で、再び希望を見つけた場所だ。だから、私はこの島を『エスペランサ島』――希望の島と名付けたい」
人々の中から、静かな拍手が沸き起こった。
再び船上の人となった彼らは、名残惜しそうに、小さくなっていく「希望の島」をいつまでも見つめていた。
心と体を癒やし、船を修理し、そして何よりも強い絆で結ばれた彼らは、もはや難民ではなかった。
約束の地インドを目指す、誇り高き開拓者の一団として、「希望号」は再び、広大な海原へと乗り出していった。




