↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/118

83.ビー、今日のミネラちゃんは黒のレースなの。

ちょこっと更新です。

魔法と科学の境ってどうなんでしょう?

* * *


 マツジュは、気を失っていたようだ。気が付くと辺りには静けさが戻っており、空には色彩が返って来ていた。ミネラが封鎖空間を解いたようだ。


 マツジュが呆けるようにして大地を背に、空を見ている。持っていた杖は何処かに飛んでしまったのか見当たらなかった。門を開く為に使った精霊の珠は、少し離れた砂場の中に半ば埋まる様にして転がっている。足元には、餌が欲しいのか、倒れているマツジュを餌と勘違いしたのか、マツジュには見知らぬ異界の鳥が、数羽「クルックー、クルックー」と鳴きながらトコトコ寄って来ていた。


 鳥たちの後ろから、追い散らす様にして、ミネラが嬉しそうににこにこしながら近ずいてくる。手には、無くな ったマツジュの杖が握られていた。マツジュのそばにまで歩いてくると、如何にも、面白そうに話し始めた。話しながらも、目は興味深そうにマツジュの杖を眺めている。


「魔法か、おもしろいのう。興味が湧いたのう、ふふふ。気に入った。先ほどの空間をねじ曲げるとはなかなかじゃ。お前の世界に行ってみたいものじゃのう・・・。」


 マツジュの目にはその外見からは似つかわしくない黒くフリルのついた妖艶なレースのものが映っていた。キャラクタープリントの上のインナーとは大きな隔たりがある。スカートを穿いている為、ショーツは万一、見られても良い様にとの考えなのだろうか。


(神でもパンツ穿くのね)と、マツジュはぼんやりと考えていた。


 マツジュの 腕試しは終りを告げたようだ。マツジュの心には空の青さとレースの黒さが深く刻まれた。


 ミネラは、この異界の者に対し、安全の為の策を用意していたのだが、使う必要は無かったようだ。


 少し裏技的なのだが、ドローンを2秒だけ未来に送り出し、そのドローンとリンクを形成し、常に2秒先の情報を視野に入れ行動するというものだった。


 通常、未来には不確定要素が多く、時間分岐が過多となるため、演算が追いつかず、今いる時間との連続性が不確実になる。未来は無限の可能性を秘めていると言う事なのだが、数秒先の未来遡航なら概ね可能だ。


 体術に心得の無いマツジュには無要の行為であったが、その有要性については次回に持ち越しとなった。


 そ もそも、体術での勝負と成った時点で、マツジュに勝ち目はない。元々、ミネラにとって、勝負と言えば武道によるものと決まっており、魔法の存在そのものが未知なるものであった。強引に武道での勝負に持ち込んでも良かったのだが、魔法に興味があったので、その選択は無かった。武道であれば、開始早々、一瞬のうちに沈めて終りとなったであるのだが。


 マツジュの目に光が宿る。突然起き上がり、少し、ふらふらしながらもミネラに願い出た。


「ミネラさま、お願いがあります。なにとぞ、私に加護を与えて頂けないでしょうか?ミネラさまのお力を授けて頂ければ、バードケージ一、いや世界一です」


 ミネラの片方の眉が少し上がる。


「加護?守護みたいなものかのう、・・・それなら、残念じゃが、無理じゃよ。わしには、今のパートナーの刹那お姉ちゃんがいるからのう。ここを離れる訳にはいかんのじゃ」


 マツジュの瞳が曇る。


(・・・ミネラさまには既に加護を御与えになった者がいるのね)


「ふむ、お前の世界にも興味があるからのう、行ってみたいものじゃが・・・、なにか、良い案はないものか」


 ミネラは腕を組んで考えている。小さな子が腕を組んで眉を寄せて考えているすがたは、微笑ましい。暫く考えてから、なにか思い浮かんだのか、転送し始める。手のひらの上に、光の珠が集まり、やがて、丸まったハムスターのような茶色い毛玉が手の上に現れる。ミネラは真面目な顔で、マツジュに話し始める。


「マツジ ュよ、お前に、我が分化体を預けるのじゃ。あまり容量は多くないのじゃが、能力はわしと同等じゃ。小さなわしと言っても良いのじゃ、お前に愛想が尽きるまで預ける。精々見捨てられんようにがんばることじゃ。名前は・・・、ふむ、コミネラと呼べばよいのじゃ」


 マツジュはミネラが手にする毛玉に釘付けになる。


(え、それは?ひょっとして)


「今はまだ、分化直後じゃから、喋れんのじゃ、その内しゃべる様になるじゃろう。それと、分化容量が少ないのでわしより少し知性が劣るやもしれんが許せ。お前に愛想を尽かしたり、死んだりすれば戻ってくるので、その時の記憶統合が楽しみじゃのう、精々、冒険をして、わしを楽しませてくれ」


「これは、ミネラさまの眷属でしょうか?」


「ふむ、似たような者じゃが、眷属と言うより小さなわし自身そのものじゃ、わしの本体より分化したものじゃから、今も意識は同期しておる。そのうち同調も外れ、別のものになるがのう」


(ミネラさまの分身?ご自分の体を分けて造ってくれたと言うの?))


 マツジュは身の内から湧きあがる喜びを抑える事ができなかった。


「 あ、ありがとうございます」


 ここに、マツジュの目的は達成された。 異界の神、ミネラの分化体を授かるという形で。


(私はついている。この世界を守護するミネラさまと出会い、そして認められたのだ。ミネラさまから分化体?能力が少し劣る様だが、それでも強大な力を宿した、小さなミネラさまを授かったのだ。これほどついた者などいないだろう。よかった、ここに来て本当に良かった。ミネラさまから発せられる波動は、あの、ビーさまにそっくりだ。これは、近しい存在にちがいないと確信し、私も突然に試しを御願いでてしまったのだが、正解だったようだ。よかった)

読んでいただいてありがとうございます。

なかなか更新できません。

すいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。