81.ビー、ミネラちゃん油断する。あ~、お気に入りが~。
戦闘シーンは難しいです。
「まだですの、まだやれますの」
口は動いているのだが、如何せん、その姿は、満身創痍。両手を地面に着き、肩で息をしている。ミネラからの反撃に対応しただけでこの有様だ。
マツジュはよろよろと立ち上がり、杖を掲げ、新たな呪文を唱える。
「風の刃よ彼のものを切り刻め、ウィンドカッター」
マツジュの唱える文言はなかなかに勇ましいのだが、既に魔力が尽きているようで小さな鎌イタチが起ったにすぎなかった。しかしながら、小さいながらも鎌イタチである、ミネラの髪を揺らしただけではなく、ミネラが着ているゴスロリ調ブラウスの胸元に切り欠きを作った。幸いな事にその刃は、肌の表面を覆っているシールドに阻まれて、ミネラの肌を傷付けるまでは至らなかったようだ。
「あ!」
ミネラから小さな悲鳴があがる。
この服はミネラが地球に降り立った日にも着ていたお気に入りの服である。パートナーの刹那と初めて会った時に着ていたもので、刹那の家に住むようになってから、色々な服をとっかえひっかえ着せられていたが、気が付くと、この服に戻ってしまっていた。それだけこの服に愛着があったものだ。
胸元には、パックリと大きく上下に別れており、その下から、刹那の趣味なのか、ミネラの趣味なのか判らないが、インナーにプリントされたアニメのポケ●ンの「ピカ●ュー」が覗いていた。バックには「ゲットだぜ!」と書かれている。
その姿はゴスロリ調の服とは合わず、違和感Maxであったのだが、マツジュには判らなかった。
「あ~、わしのお気に入りが~。ぬぐぐ・・・」
マツジュには、それまで、愉快そうにしていたミネラの背後に、ゴゴゴゴっと立ち上がる黒いなにかが見えるような気がした。また、波動の強度が明らかに増していると感じている。
「あの、ミネラさま?」
「これは、少しお仕置きが必要のようじゃな」
ミネラは下を向いていてその表情は見えない。
「・・・」
「ミネラ・・・さま?」
ミネラがゆっくりと顔を上げる。
「さあ、御遊びはここまでじゃ。覚悟はいいかの?祈りの時間は十分にとってやったからのう、ああ、わしに祈るのなら手早くな」
顔を上げたミネラの顔は、蕩けそうな天使の笑顔であった、それがマツジュの恐怖を煽る。
「ひっ」
ミネラは異国の言葉でなにかを告げる。
「¶§ΓΞΠ~」
マツジュには意味が判らなかったが、その言葉が起動ワードなのだろうと思った。
ミネラの右後方、背の高さの倍ぐらいの空間に亀裂が生じる。亀裂の向こう側から物体の一部、円筒形の物が迫り出してくる。正に、空間を押し破って何かが出てこようとしていた。
見た感じは拳銃だろうか。そのフォルムは拳銃なのだが、大きさはメーター級、銃口の径だけでも1メートルに少し届かないぐらいだろうか。そこかしこに、小さな窓の様なものがあり、中から光が漏れ出している。窓の中では、赤い小さな人?のように見えるなにかが、盛んに動き回っていた。銃身の左右には紫色に輝く三角錐の物体が回転しており、時折、銃身との間で放電現象を起こしている。
「ふっふっふ、マツジュよ、これがなにか判るか?」
お読みいただきありがとうございます。
少し短くてすいません。




