↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/118

42.ビー、一休み。桃はこう思うのね。

今日はちょっと短めですいません。

 桃は今日、長月市に引っ越してきたのね。引越しの荷物の整理もそこそこにして、早速、町に繰り出しているの。


 あ、自己紹介がまだだったわね、桃はねえ、月輪桃(がつりんもも)っていうのね。月輪って珍しいでしょ、一度、聞いたら忘れない名前よね。輪のように丸い月って意味なの。

 

 桃はね中学3年生なのね。すこしだけ本当の歳より上に見られるのが目下の悩みなの。


 小さいころは大人っぽいとか、落ち着いた雰囲気、とか言われて、それなりに嬉しかったのね。でも、今はもう中学生よ、あと、5年もすれば、20歳よ、ばばあじゃない。いやになるわ。あ~あ、若い子が羨ましいわ。

 

 慣習とは怖いものなのね、いつも大人びた行動をしてしまうの。今も無意識の内に、赤いルージュを引いた自分に気がついたの。赤は気にいっているので落とさずにそのまま今日は行こうと思っているのね。


 「色っぽいの」なんて我ながら関心しているの。ちょっと矛盾ね。

 

 せめてもの抵抗としてシニヨンのカバーに黄色いリボンをしてみたの。少しは若く見られるかなあ?

 

 髪はね、自分で伸ばし始めたわけではないのね。いつの間にか伸ばされていたの。多分、ママの趣味だったのね。いまでも切らずそのまま伸ばしているのは、シニヨンができるのからなの。シニヨン、可愛いでしょ?だから、伸ばしていて良かったと思っているのね。

 

 え?シニヨン、ああ、シニヨンと言うのはね、髪を丸く纏めてお団子状にした髪型のことなのね。ある程度の髪の長さがないと出来ない髪型なのね。


 髪が長くて良かった。でも、お風呂のあとが大変なのね。乾かすのがめんどいの。パッパと乾かせないものかしら?


 ドライヤー近かづけると髪が傷んじゃうし、ガシガシとタオルで擦るとキューティクル剥がれちゃうし、もう、いらいらマックスよ。

 

 家にいる時は大抵チャイナ服を着ているのね。だって、可愛いでしょ?それに、桃の家は中国拳法の道場を営んでいたのね。チャイナ服は好きだし、宣伝にもなるんだったんだけど・・・残念だけど過去形なの。

 

 桃の道場が教えてる拳法はちょっと変わっていてね、元々は太極拳から派生したものらしいんだけど、柔軟性に富んでいてね、基本の型はあるんだけどね、良いものはどんどん取り入れて、いまでは良く分からないものになってるのね。


 楽しくていいかなと桃は思ってるの。だって、蛇拳の手の動きで酔拳やったら面白いじゃない、うふふ、酔っぱらった蛇。おもしろ~い。

 

 桃の流派と源流を同じくする流派が 2年に一度、一堂に会し、技を競う大会があるのね。


 ここ10年ほどパパがずっと優勝していたんだ~、これ自慢ね。だけど、前回の大会直前に交通事故が起ってパパが入院してしまったのね。それで、門下生の次に強い人が出ることになったんだけどその人も食中毒で入院。その次の人も同じようになんらかの理由で出場出来なくなったのね。それで、おかしいなあと思いながらも桃が出ることになったんだけど、あっさり負けちゃったの。

 

 パパは気にするなと言ってくれたけど、中国映画じゃないけど、門下生も次々居なくなって、借金がドンドン膨らんでとうとう、道場を売りに出すことになってしまったのね。で、今はパパの故郷に帰ってきたってわけ。


 今、パパは小さな雑居ビルの一室を借りて ダイエットスクールや護身術を教えてるの。


 絶対、なにか裏があると思うわけね。前回の優勝者がなにかしたんだと思うわけね。絶対よ。


 だってありえないでしょ?絶対暴いてやるんだから。これ、パパにはないしょね。言ったら駄目よ、おねがいね。


 何時か、桃が大会で優勝してみんな笑ってたあの頃を取り戻そうと思ってるの。まずは、この町で強い者の探索ね。


 強い者って言ったら、やっぱり不良よね。何処かに不良いないかしら。


 強くても弱くてもいいのね。弱かったら、桃が不良たちをやっつけて子分にしちゃうし、強かったら桃が強くなるように協力させればいいんだもの。でも、桃、結構強いのよ。大会では負けちゃったけど・・・。あれは誤算だったわ。絶対勝てるって思っていたもの。まさか、何時も使っている靴や三節棍が無くなるとは思わなかったの。


 それでもね、家の道場では4番目の強さだったのよ。本当よ。嘘じゃないんだから。あ~、信じてないでしょ、本当なんだからね。


 今日はお気に入りの青いチャイナ服を着ているの。やっぱり、初めての町では良いの着ないとね、礼儀よね。このスリットがいいでしょ?


 スリットからのぞく足の付け根が万が一、見えても良いように同じ色のショーツを着けてきたから大丈夫よね。見せる気 はさらさらないけどね。


 一応色を合わせるのが嗜みだもの。もう少し大人になったら黒いの履いてもいいなあなんて思うわけ。


 不良と言ったら、港の寂れた倉庫よね。だから、今、桃は港に来てるってわけね。


 どーこーかーに、不良~いないかしら?


 あ、いたいた。あの人たちなにをしてるんだろう?秋刀魚、焼いてるの?この冬の最中に屋外で?ちょっと頭がアレな人たちなのかな?


 顔もちょっと・・・。頭悪そうね~。まあ、いいわ、この人たちにき~めた。


* * *


 桃、今、お風呂に入ってるのね。あ~、今見たいって思ったでしょう、駄目よ、駄目。でも、ど~してもって言うんなら考えなくも無いって言うか・・・、でも、だめだめだめだめ~。・・・恥ずかしいから。


 今、昼間の事、思い返していたのね。桃ね~、いつもその日あったことをお風呂に浸かりながら思い返すんだ~。


 お風呂でリラックスしながらね、良かったこと、悪かったこと、思い返して、明日はこうしようって考えるの。あんまり考えすぎて逆上(のぼ)せることもあるんだけどね~。


 今日は凄い綺麗な子に会ったの。なに、あの綺麗な子は。しんじらんないの。思わず、ポ~となっちゃった。


 しかも、強い。あの不良に一瞬で突きを入れたのね。信じられる?一瞬よ、一瞬。


 あの不良と知り合いみたいだったけど、違うのかなあ?


 あれ、何回、突きを入れたんだろう。桃に見えたのは、額、喉、心臓、肝臓、お股のセットで2回まで。絶対、それ以上の回数いれてるのね。


 桃は思わず怖くなって逃げ出してしまったのね。だって仕方がないじゃない。怖いものは怖いわよ。


 道場に飾ってあった掛け軸をふざけて落書きしたときにパパに怒られたとき以上に怖かったの。以上?う~ん、同じくらい?


 怖いことに違いはないのね。怖かったの。


 美人さんが無表情で迫ってくるなんて考えられない。


 桃に「そこのあなた」なんて言って来て、思わず通りすがりって言っちゃった。ちょっと変だったよね。うん、変だったの。それにね、しゃべり方変えろって、それって、ど~ゆ~こと?そんなの無理に決まっているのにねえ。無理難題。


 あだ名は、そうよ、あの子は高飛車だったから、「お嬢」に決定ね。


 あの制服、桃と同じ学校のよね。う~ん、ど~しよう~。今度、会ったら絶対逃げ出す自信はあるわね。


 会わないように神様お願いなの。でも会うんだろうなあ。お約束だもんね、神様意地悪だからね。


 あれ?あの子を引き入れたら良いんじゃないの?う~ん。だめだめ、あんな怖い子だめよ。でも、でもでも、強いよね~。そ~よね、いやいや、案外~、う~ん。


 でも、突然なんで木刀、振り回したんだろう。あの、横にいた小さい子のパンツ見たからかなあ?


 パンツぐら見せてあげたらいいのに。チャイナ服のスリットから少し見えるのセクシーなのよね~。あの子も可愛かったよね。


 あの秋刀魚の前に座り込んでる姿に、桃、思わず萌え~て言いそうになっちゃったよ、えへ。


 あんな子に「桃お姉さま」って言われてみたいよね~。あ、もっと親しげで「桃ちゃん」でもいいわよね。

 

 あ、そろそろ上がるわね。また、逆上せると大変だから。


 前、逆上せた時、パパに運んでもらっちゃったの。お姫様だっこでね。うふ。当然裸ね。後で、暫くパパの顔見れなかったわよ。親子なのに変よね。


 は~あ、明日を考えると憂鬱。明日から学校なのね。うん、学校自体は別に問題無いのね、制服も可愛いし、結構気にいってるの。でもあの怖い子に会うかも知れないって思うと憂鬱。仕方がないわね、会ったら笑ってごまかすしかないよね。うん。


* * *

お読みいただきありがとうございます。

今日は、桃のつぶやきでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。