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コトルー王国物語【完結保証】  作者: 三川三山
第1章 『平凡だが、偉大な者たち』
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第6話 『古代文明の痕跡』

コトルー王国の入江は、朝の光を受けてきらきらと輝いていた。


ゴードンは小舟の上で釣り竿を握り、満足そうに息を吐いた。


「今日もいい感じだな……。」


魔力を釣り竿に流し、糸を伝わせて釣り針へ送る。


すると――魚が集まってくる。


ゴードン式撒き魔力釣法。


自分で勝手に名前をつけたが、いつか子どもができたら絶対に教えるつもりだった。


今日の釣果も上々。


「よし、帰る前に少し散歩でもするか。」


船を島に寄せたとき――


ゴードンは息を呑んだ。


見たこともない美しい花が咲き乱れていた。


「なんだこれ……すげぇ……初めて見る花だ。綺麗だな。」


鳥が種を運んできたのだろうか。咲いても、一日でしぼむ花もある。


「シャルロットに見せたいな……一束だけ、もらっていこう。」


花の群生地へ駆け寄ったその瞬間――


ゴンッ!


「うわっ……痛っ!」


何かにつまずいて転んだ。


「帰ったらモーガンに治してもらおう……自分では治せないって不便だな。」


そう思いながら足元を見ると――


整った四角い石。


「……建物の基礎?」


周囲を見渡すと、同じ形の石が整然と並んでいた。


そして中央には――


水密性の高い扉。


「……まさか。古代都市の床下収納か?」


ゴードンは扉を開けた。


階段が地下へ続いている。


「宝物庫……?」


階段を降りると、そこは古代の宝物庫だった。古代の貨幣のようなものが、散乱している。


そして、ひときわ目立つ台座には、卵型の飾りが並んでいる。


13個のくぼみのうち、12個に卵の飾りが置かれていた。


「なんだこれ……。」


卵型の飾りをそっと開けると――


美しい小さな金色のドラゴンの飾りがあった。


その隣の卵には、美しい小さな金色の戦車。


「……お宝だろ、これ。」


ゴードンは蓋を閉じ、扉をしっかり閉めて花を一束持ち帰った。


アルフォンス皇太子に報告すると、翌日、アレクシス皇子、ゴードン、モーガンを連れて四人で島へ向かった。


「よく、昨日の島をすぐにみつけられたな。」「今日も花が咲いているからね。」


宝物庫は昨日のまま。


アレクシス皇子は静かに言った。


「これは……古代文明の痕跡だ。」


王家には伝承があった。


百の島々は、大昔に大地震で沈んだ古代都市の名残だ。何らかの地殻変動で、後に海底が盛り上がってできたのがコトルー王国の入江の前にある100の島なのだ――。


初代コトルー国王ドライエッガーの王墓の石板に記されているという。


「この宝物庫も古代文明のものだろう。」


ゴードンが開けた二つの卵飾りは昨日と同じだった。


次に、アルフォンス皇太子が三つ目の卵を開けた。


中には――


小さな金色の玉座。


「王族のものかな……。」


アルフォンス皇太子は玉座をいじってみたが、何も起きない。


「魔力を注いでみるか。」


その瞬間――


バチッ!!


「うわっ!?」


アルフォンスが卵の中に吸い込まれた。


「アルフォンス!!」


アレクシス皇子が叫ぶ。


そして、中から声がした。


「おーい!聞こえるかー!これは……封印のオーブだ。私が『はい』と言ったら、四人同時に魔力を注がなくてはならん!」


「はい!」


四人が同時に魔力を注ぐと――


アルフォンスが戻ってきた。


「怖かったなあ、もう。……封印のオーブは四人同時じゃないと封印が解けないと中で声がして教えてくれた。」


アレクシス皇子は言った。


「宝物庫は封印して隠そう。持ち主ならば場所はわかるだろう。ここにある、古代のお金には手をつけてはならない。しかし、12個のオーブはあまりにも危険だ。国の安全を脅かすかもしれない。皇子の責任において城に封印する。」


こうして12のオーブはコトルー城北の塔の宝物庫へ移された。


ゴードンは最後に台座を見つめた。


13番目のくぼみ――そこには何が置かれていたのだろう。


その謎は、まだ誰にも分からなかった。

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