第22-3話 『二人の運命』
船に戻ると、ジャックは空を見上げた。
「アーノルドも、ドライエッガーも……二人とも王になって国を興したのだ。正しく生きようとした人たちだった。」
双子が作った国は、どちらも”正しく生きる人々の国”だった。
その事実が胸にしみた。
空間のゆがみに入ると、見慣れた島々が見えた。
「帰ってきたんだな……。」
港に着くと、船にもクリーニの魔法をかけた。
城に戻り、ジャックはアルフォンス王に報告した。
・アーノルドが辿り着いた国の存在
・その国が流行り病で滅んだこと
・7年前の病原体持ち込み事件はその国から空間のゆがみをくぐって来た可能性があること。
・破壊のオーブを持ち帰ったこと
アルフォンス王は静かに言った。
「破壊のオーブは、正しき心を持つ者が持つべきだ。聖者よ、お前が持っておれ。」
ジャックは驚いた。
「それは……信用しすぎではありませんか、お義父様。」
アルフォンス王は笑った。
「お前以外に誰がいる。ゆくゆくはミレーユ女王の夫――ほぼ王様のような者になるわけだしな。」
ジャックは深く頭を下げた。
「承知いたしました。国民を救うためだけに使うことがあるかもしれませんが……よろしいですか。」
「よい。ジャック聖者が判断し、来るべき時に使うがいい」
こうして――破壊のオーブはジャックの手に託された。
それは、新たな時代の始まりを告げる決断だった。




