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コトルー王国物語【完結保証】  作者: 三川三山
第1章 『平凡だが、偉大な者たち』
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第19-1話 『英雄の系譜 』

ミレーユ姫が双子を産んだのは、結婚から10か月後のことだった。


ジャックはその二人のオッドアイの男の子にリアムとノアと名付けた。


二人の瞳の色は――赤と紫。


それは、古代から続く英雄の血を受け継ぐ者だけが持つ“強大な魔力の証”だった。


リアムは強気でわんぱく。ノアは慎重で冷静。


しかし二人は幼い頃から、「国民を守る使命」を理解していた。


馬車にひかれそうな子どもを空間移動魔法で救ったこともある。


そう――二人は生まれた時から大魔法を使えたのだ。


もちろん、それは秘密だった。


大人に知られれば、行ってはいけない場所が増えるだけだとわかっていたからである。


6歳になったある日。リアムとノアは、絶対に入ってはいけないと言われていた北の塔の宝物庫に興味を持ち、空間移動してしまった。


「兄さん、絶対触っちゃだめだからね。」「見るだけだよ、ノア。」


宝物庫の中には更に、大きな金庫があった。その中にも空間移動した二人は、やけに厳重に守られた卵型の飾りを見つけた。


リアムが少し触れた瞬間、ノアが止めようとしたが二人で触れてしまい―― 魔力が漏れた。


「あっ……!」


卵の蓋が開き、金色の玉座に座る小さな女性が姿を現した。


「お前たちは誰だい?」


リアムとノアは答えた。


「ぼくたちはリアムとノアです。ジャック父さんとミレーユ母さんの息子です。」


女性は目を細めた。


「知らないねえ。アルフォンスとアレクシスはどうしている?」


「アルフォンスおじい様は王様です。アレクシス様は治癒魔法師です。」


女性は微笑んだ。


「そうかい。そなたたちはアルフォンスの孫なのだね。オッドアイだね。それに二人で“4人分の魔力”を持っているね。これは、すごいことだよ。」


そして言った。


「私に会ったことは黙っておくがいい。話すと大人に叱られるからな。そして、困ったことがあれば、いつでも相談に来るがいい。その代わり、私のことは“きれいなお姉さん”と呼びなさい。」


「わかりました、きれいなお姉さん!」


リアムとノアは宝物庫を後にした。

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