第18-3話 『突然の褒美』
城に戻り、ジャックとミレーユ姫は顛末を報告した。
アルフォンス王は言った。
「よくぞ死に至る流行り病を防いでくれた。聖者様がいてくれてよかった。」
そして――王は二人に向き直った。
「多くの国民の命を救ったそなたたち二人には褒美を与えねばならぬ。……二人とも、結婚してよい。どうだ?」
ミレーユ姫は喜んだ。ジャックがすぐにプロポーズしてくれると思った。
しかしジャックは――王の手を取って泣き出した。
「ありがとうございます……!」
ミレーユ姫は呆れた。
「ジャック聖者。あなたは私にいつプロポーズしてくれるのですか?」
ジャックは慌てた。
「しまった……!ミレーユ姫、私は大魔導士になれませんでしたが……プロポーズをさせてください!」
「何それ?」
「大魔導士になったらプロポーズすると決めていたんです!」
ミレーユ姫は微笑んだ。
「大魔導士よりも聖者よりも……あなたという人間が好きなのよ。はい、プロポーズして。」
ジャックは涙をこらえながら言った。
「ミレーユ姫様。私が姫様と国民を絶対に幸せにします。ずっと私とともにいてください。結婚してください。」
「はい。こちらこそ。お転婆なところを見せちゃったけれど……よろしくお願いします。」
ジャックは続けた。
「姫様の馬さばきも、ボートを漕ぐ姿も……すべてがかっこよくて、美しくて……人として好きです。愛しています。」
ミレーユ姫は頬を染めた。
「私も……あなたの目の色が大好き。」
ジョージは後ろでつぶやいた。
「よかったな、兄さん。」
ジャックとミレーユ姫の結婚式には、父ゴードンと母オリビアも出席した。
モーガンも父と叔父の国民葬以降、久しぶりに故郷へ戻った。
アルフォンス王はゴードンに言った。
「素晴らしい息子を育ててくれてありがとう。うちは娘だけだからな。跡継ぎが必要で……息子をもらってしまって悪いね。」
ゴードンは笑った。
「まさか息子が王族になるとは思わなかったよ。息子を頼んだよ。」
アルフォンス王は深く頷いた。
ゴードンは続けた。
「でもさ、ジョージは返してね。」
アルフォンス王は慌てた。
「も、もちろんだよ!はははは……もちろん返す。連れて行ってくれ、聖者様を。」
会場は笑いに包まれた。
こうして――ジャックとミレーユ姫は結ばれ、コトルー王国に新しい未来が生まれた。




