第18ー2話 『養護所の危機』
ミレーユ姫は馬を借り、ジャックを後ろに乗せて走り出した。
養護所に着くと、ジャックはエアコートの魔法を展開し、身の回りに新鮮な空気の塊を作って悪いものを遮断した。
部屋には発熱した子どもたち。呼吸困難の子もいる。
ジャックは全員にレスキューの魔法をかけ、時間を稼いだ。
オッドアイでスキャンすると、肺が赤く光った。
「スキャン……」
患部が青白く光る……。病気の原因がわかった。
「リカバリー、リカバリー、リカバリー!」
全員が回復した。
さらにクリーニの魔法で部屋を清浄化した。
先生が追いついてきた。
「行商人クラメルさんが、おもちゃを配ってくれたんです。そのあと皆が倒れて……」
ジャックは尋ねた。
「クラメルさんはどこへ?」「フラン共和国へ帰りました。」
「ミレーユ姫、追いかけます!」
ミレーユ姫は馬を走らせた。街なかではないため、さらに速い。
乗馬の経験がないジャックは、姫にしがみついて目をつむってしまった。
やがて――倒れているクラメルを発見。
ジャックはエアコートとクリーニをかけ、近づいて胸の青白い光にリカバリーを放った。
クラメルは回復した。
「養護所のあと、誰かに接触しましたか?」「していないよ。港で魚を買っただけだ。」
「ミレーユ姫、港へ!」
港では魚屋や行商人が倒れていた。
ジャックは次々と治療した。
「エアコート!」「クリーニ!」「リカバリー、リカバリー、リカバリー!」
全員が回復した。
「初めて来た漁師が魚を売っていったんだ。そのあと皆が苦しくなって倒れたんだよ。」
「その漁師は?」「船で入江を出ていった。」
「ミレーユ姫、船を!」
ミレーユ姫はボートを漕ぎ始めた。ジャックはその姿に見とれて乗り遅れ、海にじゃぶじゃぶ入りながら乗り込んだ。
入江を出て最初の島に船が停泊しているのが見え、二人はボートで少し離れたところに上陸した。
島には倒れた漁師が三人。
ジャックはエアコートとクリーニをかけ3人に近づいたが――胸は青白く光らない。
脈もない。
「……間に合わなかった。」
ジャックは三人を船に乗せ、昨日習ったばかりの炎魔法で焼却した。
「これは人から人へ移る病です。肺を蝕み、死後も感染します。」
ジャックはこの病の原因を病原体と名付けた。




