第16ー2話 『魔法の秘密』
双子は火曜日になると公園で修行した。できるだけ城の近くで。
ミレーユ姫のそばにいたい――それが理由だったが、実はそれが正解だった。
コトルー王国の国土は、古代文明の魔力に包まれていた。
魔力の源は王城中央の中庭にある魔力岩石。
城に近いほど魔力供給量が多い。
アルビスとユージンもゴードンとモーガンも、城で修行したから強い魔法を使えるようになった。
双子は知らなかったが――彼らも同じ道を歩んでいた。
一年間、城のそばで修行した結果――ジャックとジョージはついに治癒魔法リカバリーを使えるようになった。
さらに、レストランで大量の料理を作ることで魔力を帯びたコトルー王国の食材を大量に扱い、知らぬ間に魔力を吸収していた。
つまり――料理そのものが修行になっていた。
アルフォンス王は家来から双子の成長を聞き、アレクシス皇子のもとで修行させたいと考えた。
そして命じた。
「レストラン・ジェミナイに城のシェフを三名派遣する。そなたたちの料理を叩き込んでほしい。レストランはシェフたちに任せ、そなたたちは城の料理人になってほしい。」
アルフォンス王は国民が楽しみにしているレストラン・ジェミナイを奪いたくなかった。
だから――味を完全に継承させた上で、双子を城へ迎えた。
ジョージはため息をついた。
「兄さん……城のシェフたち、絶対僕たちより上手くなるよ。」
実は、城のシェフたちは毎日、双子の料理を食べて研究していた。
割り込みは絶対に禁止。忙しいシェフの代理で家来が並び、順番が来るとシェフと交替していた。
こうして双子は城の料理人となり、レストラン・ジェミナイは無事に引き継がれた。
城まで続く行列は今も変わらない。味はしっかり受け継がれている証だった。
「まさか……自分たちの店がライバルになるとはな」「兄さん、負けないように頑張ろうね」
アレクシス皇子は双子の魔力量を測った。
結果は――十分以上。
双子は魔力がなかったわけではない。ただ、魔法に向き合うきっかけがなかっただけ。
料理に夢中だった頃は大魔法は使えなかった。しかし今は違う。
ジャックは大魔導士を目指し、ジョージは兄の夢を支えたいと思っていた。
そして――城のそばで修行した一年間で、双子の魔力量は“とんでもない領域”に達していた。
この事実が、後のコトルー王国の運命を大きく変えることになる。




