第15-3話 『ミレーユ姫の急変』
ミレーユ姫の顔や手足がみるみる白くなり、呼吸困難に陥った。
アルフォンス王は叫んだ。
「そなたたち、ミレーユ姫に毒を盛ったのか!?」
ジャックは即座に否定した。
「いいえ!私たちは同じ鍋から、王様の目の前でスープを注ぎました。王様も王妃様も無事です。これは毒ではありません!」
「ミレーユ姫には別の病気が出ています。すぐに治療が必要です。簡単な治癒魔法をかけさせてください!」
アルフォンス王は決断した。
「ゴードンの息子たちよ……そなたたちを信じる。ミレーユを頼む!」
ジャックは手をかざした。
「ミレーユ姫様にしばしの元気を取り戻せ――レスキュー!」
ミレーユ姫は呼吸を取り戻し、かすれた声で言った。
「ありがとう……ジャック様……」
しかしジャックは首を振った。
「レスキューはしばらくの間しか効果がありません。すぐに本格的な治療が必要です。」
アルフォンス王は困惑して言った。
「原因がわからなければ、本格的な治癒魔法は使えないぞ。」
ジャックは深く息を吸った。
「原因なら……わかっています。」
「私の故郷では、人の体の中には小さな騎士がいると言われています。体内に悪いものが侵入すると戦ってくれる騎士たちです。しかし――騎士たちはたまに勘違いします。食べ物を敵だと思い、過剰に反応して大騒ぎをしてしまうのです。」
「これを『荒れる騎士』と呼びます。ひどくなると『荒ぶる騎士』となり、命にかかわります。」
アルフォンス王は頷いた。
「体の中で大騒ぎをしている小さな騎士を正常化させるイメージで治せばよいな。」
ジャックは続けた。
「そのとおりです。ミレーユ姫の体の中の騎士たちは、バナナッツを敵と勘違いして大騒ぎしています。」




