第14-2話 『レストラン・ジェミナイの誕生 』
二人はまず、レストランを開くための空き店舗を探した。開店資金は両親が持たせてくれた。
コトルー王国の王城は国土の中心にあり、その周囲は広い公園。さらにその外側に商店街が環状に広がっていた。国民の居住区はそのさらに外側にあった。
「行列ができても、隣に迷惑をかけない場所がいいよな。」「公園側に並んでもらえばいいんじゃない?」
まだ店もないのに行列の心配をしている。父譲りの味への絶対の自信があった。
二人は商店街で一番広い空き店舗を選び、改装してレストランにすることにした。
店名は――
レストラン・ジェミナイ(ふたご座)
開店前にチラシを配ると、王国の奥様たちは大喜びした。
「料理をしなくていい日が来るなんて!」「レストランなんて初めてよ!」
開店前夜。 ジョージがジャックに相談した。
「兄さん……オイサチーの魔法、使うの?」
ジャックは静かに首を振った。
「俺たちはいつかフラン共和国に帰る。その時、この店を誰かに継いでもらうだろ? 魔法を使った味は再現できない。だから――魔法は使わない。」
「料理の腕だけで勝負するんだ。」
ジョージは笑った。
「そうだな。兄さんらしいや。」
開店の日。公園の中に長い行列ができた。
道を挟んで向こう側の公園に、国民が順番を守って並んでいる。芝生に腰を下ろしてはいるが。
「よし……腕をふるうぞ!」「やってやろう!」
双子は厨房に立ち、父ゴードンから受け継いだ技を存分に発揮した。
レストラン・ジェミナイ。ここから、双子の新しい物語が始まる。




