第14-1話 『初めての地』
コトルー王国――双子の兄弟、ジャックとジョージは初めてその地を踏んだ。
「ここが……父さんの故郷」
二人は胸が高鳴るのを感じていた。
しかし同時に、胸の奥が少し痛んだ。
祖父アルビスとその弟のユージンは、もうこの国にはいない。
二人は、オーディナリー前王と共に――地龍の腹の中で命を燃やし、国を救ったのだ。
国が地龍に襲われたあの日。魔法師団は苦戦し、アルビスもユージンも飲み込まれた。
国民は絶望した。
しかし――オーディナリー王が立ち上がった。
空間移動魔法で地龍の腹の中へ移動し、アルビス、ユージンと共に炎魔法を放った。
小さな空間。酸素は少ない。炎魔法を使えば、自分たちも焼け死ぬ。
それでも三人は迷わなかった。
「国民を守るために、命を燃やす。」
地龍は内側から焼かれ、ついに倒れた。だが、三人もチリとなって消え、遺体は残らなかった。
アルフォンス王は三人を「大魔導士」の称号で讃えた。
ジャックとジョージは、その話を初めて聞き、胸が熱くなった。
「俺たちの祖父は……すごい人だったのだな。」「うん……でも、俺たちはこのざまか。」
二人は簡単な魔法しか使えない。しかし――無詠唱で魔法を使えるという特異な才能があった。
その中でも、料理をおいしくする魔法。
オイサチー。(おいしさチート級)
無詠唱で魔法を使える二人が遊びでつけた名前だが、効果は本物だった。




