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第13-1話 『ゴードンのレストラン』
フラン共和国は、日に日に安定していった。
ゴードンはその変化を肌で感じながら、ふと思った。
「この国には……おいしいものを食べられる場所がない。」
コトルー王国もそうだった。
おいしい料理は、人の心を豊かにする。心が豊かになれば、人は優しくなれる。優しさが広がれば、国は幸せになる。
ゴードンはそう信じていた。
議員と先生とレストランの兼業は可能だった。
「なら、やるしかないだろ」
ゴードンは決意した。
圧政に苦しんできた国民を、料理で幸せにする。そのためのレストランを作る。
レストランの名前は――「ゴードンのレストラン」。
シンプルだが、国民はその名を聞くだけで胸が躍った。
ゴードンとオリビアは懸命に料理を作り、店には毎日長い行列ができた。
国民は、おいしいものを求めていた。心が満たされる味を求めていた。
ゴードンは治療に行くときも料理を持っていき、試食として無料でふるまった。
治療も無料。養護所の先生の仕事も報酬なし。
しかし、レストランでは対価を受け取った。国民が支払える安価な値段設定だった。議員報酬だけで家族4人の生活は十分だったのだ。
それでも多少、レストランの収益が発生した時には――すべて子どもたちのための貯金に回した。




