↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コトルー王国物語【完結保証】  作者: 三川三山
第1章 『平凡だが、偉大な者たち』
PR
2/40

第1話 『ゴードンとモーガン』

コトルー王国の朝は、いつも活気に満ちていた。市場では魚の匂いが漂い、遠くの畑では穀物を刈る音が響く。山では果実や木の実が取れて、山野草も豊富だった。


そんな平和で豊かな国に――双子の少年がいた。


「兄ちゃん、今日のスープ、絶対うまくなるよ!」モーガンが大鍋をかき混ぜながら笑った。


ゴードンも笑う。「昨日も同じこと言っていただろう?」


二人は料理が大好きだった。まだ見習いの身だが、城の厨房で働きながら、いつか立派な料理人になることを夢見ていた。


けれど――二人にはもうひとつ秘密があった。


治癒魔法の修行。


父アルビスと叔父ユージンは、魔物との戦いで傷つくことが多い。だから双子は、いつか自分たちの魔法で助けたいと思っていた。


「兄ちゃん、今日も練習しよう!」


「ああ。いつか……誰かの命を救えるようになりたいな!」


ゴードンとモーガンは、生まれながらにして強大な魔力を持っていた。青と緑のオッドアイ――それは、この国で“強い魔力を持つ双子”の証だった。


そのため、この双子の父親であるアルビスは頭を抱えていた。


「なぜだ……せっかく魔法の才能があるというのに。」


ゴードンは真っすぐに言った。「料理をするのが大好きなんだよ。」


モーガンも続ける。「人に食べてもらって、笑ってもらうのが嬉しいんだよ。」


アルビスはため息をついた。「……なら、城の料理人になれ。ただし、俺たち、魔法師団の仕事を嫌でも見ることになるから、かっこいいと思ったらこちらの世界にいつでも来るがいいさ。」


「いいよ!」「やった!」


双子は声を上げて喜んだ。


そして十五歳になった日、二人は城の料理人として働き始めたのだった。


最初は洗い物と仕込みばかりだった。野菜を洗い、肉を下ごしらえし、魚をさばき、鍋を洗う。


「はぁ……今日も仕込みか」モーガンがため息をつく。


「でも、いつか料理を任されるようになるさ」ゴードンは笑った。


その言葉どおり、少しずつ料理を任されるようになった。サラダ、スープ、簡単な料理――


騎士たちが笑顔で言う。「今日のサラダ、うまかったぞ!」「特にドレッシングが最高だ!」


双子はその言葉がたまらなく嬉しかった。


そんな二人のそばには、もう一組の双子がいた。


皇太子アレクシスと、その弟アルフォンス皇子。


二人もまた赤と紫のオッドアイで強大な魔力を持っており、父親のオーディナリー王からはいつもこう言われていた。


「力を持つ者ほど、国民を愛しなさい。そして、国民を大切にして守りなさい。」


先代の王から“平凡”という意味を持つ名を与えられたオーディナリー王は、『国民の平凡な幸せを守ることこそが偉大である』という言葉を信条としていた。


そんなある日――


空から、一頭の天龍が飛来した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。