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コトルー王国物語【完結保証】  作者: 三川三山
第1章 『平凡だが、偉大な者たち』
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■プロローグ 『荒れる騎士』

人の体の中には、小さな騎士たちが住んでいる――。


それは、ジャックとジョージが幼いころに母から聞いた物語だった。


「体の中に悪いものが入ってきたらね、その騎士たちが戦って守ってくれるのよ。」


母はいつも優しく笑いながらそう言った。


二人はその話が大好きだった。自分の体の中で、小さな騎士たちが走り回り、悪い敵をやっつけてくれるから元気でいられる――そんな想像をするだけで胸が躍った。


けれど、母は時々、少しだけ悲しそうな顔をした。


「でもね……騎士たちは、ときどき間違えるのよ。」


二人は首をかしげた。


「間違える?」


「本当は敵じゃないものまで、敵だと思って過剰に反応して大騒ぎしてしまうことがあるの。そのせいで、その人を苦しめてしまうことがあるのよ。」


母は静かに続けた。


「それがね……“荒れる騎士”って呼ばれる病気なの。」


その言葉は、幼い二人の胸に深く刻まれた。


守るために戦うはずの騎士が、間違えて苦しめてしまう――。


体の中に当たり前にいて、優しい存在が、偉大な力で守ってくれている。しかし、ときには恐ろしい力にもなって人を苦しめる。


母から聞いた物語の意味を、二人が本当に知るのは――ずっと後のことになる。

挿絵(By みてみん)

作品名:コトルー王国物語の表紙

作者:ペーイ 様


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