自己嫌悪
ソープに行ったって自分が満たされるわけでないのに、 自分のことなのにどうして気づくことが出来なかったんだろう。
ソープってのは女の子の写真を見せて選んでいくらしい。歳も載っている。かわいい方を選ぶこれが俺のポリシーだった。同い年だから選んだはずなのに、それを可愛いからと誤魔化した。
女の子に連れられてそれなりに広い部屋に入った。部屋の中はベットルームに、浴室であった。部屋に入ってすぐ裸にならないで浴槽に水が溜まるまで雑談するようだ。
何帰りなんですか、なんで、入ったんですか等質問された。こんなの雑談もどきみたいだ。大学を聞かれ、⑧大に通ってるんですと答えたら、聞いたことあると言われ、⑧大学と答えたら賢いと言われた。そして俺は面を食らった。どんな間抜け面してたんだろう。程なくして、賢い高校行ってたんですかと聞かられ、偏差値45のとこだよと返答した。いつからだろうか、自分に絶対的な自信がなくなったのは、自分は薄々気づいていた同じ匂いがすることに、きっと彼女もそうなのだろう。私もそうなんですと隣りにいた女の子がいった。この臭いは消えそうに無さそうだ。それからは専門の方がたいへんですよねとか、授業大してないから学費返してくれとか自虐に走った自分がいた。普通の話をしているはずなのに自分の自尊心が削られていく。そんなこんなで浴槽に水が溜まったみたいだ。
女の子はタイミングを見計らったのように左手を差し出し、自分を浴室に連れ出す。ここから先は文学的センスがない故、走馬燈のように進む。歯磨きをして、バスチェアに座る。それから浴槽に入り、この後マットにするかベッドにするか選ばせてくれるみたいだ。マットである程度たってきたらゴムをつけてくれた、今思えば、その場でゴムの付け方について学んでいたらなと後悔している。そんなこんなでついに童貞卒業やっといったところぐにゅとなって入らないらしい。そこから先は駆け抜けたが、彼女の影を通してみる彼女の表情は、口は笑っているが目が笑っていないそんな表情をしていたことだけが脳裏に焼け付く。全部俺が悪いんだ。
ラスト5分になり着替えをしなければならない。 ラスト5分になったけどどうすると言われ、まだ諦めたくないと言ったら着替えの時間もあるからと言われ、最初からそうしろよと言いたいところだがそう伝えないと乱暴を働く奴がいるのだろうと思うと、血の気が引いた。 中退いや、入学すらできないゴミだって気づくには遅くなかった。こんな恥ずかしい話はないよなと言うと、そんなことないよと言う。自分に気を使って出した一言だった。自分だってそっちの立場だったらそれ以外の言葉は見つからない。そうじゃなかったらなんだよと言ってしまった。言ってはいけなかった、黙っているしかなかった、なのにどうしてとなると、自己の意識が遠のいてくのを感じた。




