5/6
残香
ソープまでの道のりが、帰りにはさっきまで触れることのなかった外気によって、体が溶けていくような感じがした。今だったら全てを許せる気がする。財布が軽くなったことで、心地よささえ感じる。
忘れるしかなかった、それでも俺は電車のなかで、ソープのことをスマホのスケジュール帳に書き出す。君が残した香りが俺のなかで燻ってる内に書こうと思ったんだ。
電車のなかで、俺に不釣り合いな香水の匂いに気づいている乗客はいるのだろうか。いつだって俺は気づくのが遅すぎる、遠くいるほど匂いを感じてしまうほどに。




