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5話 起承転結への旅立ち

うまく会話を成立させてあげられません。難しいなぁ。

「明日には旅立ちね。貴方たちはしっかりしている様で抜けているのだから気をつけなさいね?難しい依頼は受けないこと。

パーティーに参加するときにはきちんと人柄を確認すること。近くに来たら家に帰ってくること。毎月手紙を書くこと。

お金がなくなったらきちんといえば少しは手助けしてあげるからね?でも毎月2割の利息よ?あ、歯磨きを忘れないこと、

鍛錬をきちんと積むこと、ええとそれから」


母のマリアは心配そうな口ぶりでいろいろお小言を言ってくるが、母さんさらっと子供から利息とんな。


まだ色々言い足りなさそうな雰囲気だが「大丈夫だよ母さん。なんてったって父さんと母さんの子供だよ?無理はしないさ」と

母に抱擁をする。レナスも同じように母を抱きしめる、小さな背丈の母で、150センチくらいの背でくりくりとした瞳で、ぱっと見では

少女にしか見えないが頼れる母だ。魔術も人柄も素晴らしい、今年で32歳だという母は前世も含めると大して俺たちと変わりはないはずだが、

その背中はいまだに小さく感じはしない。


前世での親なんてまともに覚えていない。

物心ついたときには施設にいた俺たちにとって母とよべるのは彼女だけだ。

この人を悲しませるようなことはしないように自身を戒めないといけないな。


名残惜しいが母から身を離し父と向かい合う。


ゲイル 彼は最終的には最高ランクのひとつしたSSランクまで上り詰めた生粋の戦士であるが、けっして粗野な人ではない。

冒険者時代はガードナーと呼ばれる盾を持ち仲間を守る職は彼を表すのにも相応しい物だ。

「パパこれから毎日寂しいよ。一緒にお風呂はいったり行ってきますの抱っこ出来ないなんて耐えられない!」


まぁ彼も頼れる人だ。

「それは母さんとすればいいと思うよ?」子離れできない父を宥める。

可哀想なので父にもハグをする。レナスも続く。

「レナスぅー。悪い男に捕まるなよ?結婚なんて絶対だめだからな?パパ泣くからな?結婚式に異議あり!とか叫びに行っちゃうからな?」

と鼻水をたらしながらわめく父。「父さん俺h「男は黙ってドラゴンと戦ってろ」


それはないぜ父さん・・・・・。


明日村を出て、そのまま王都へ向かい冒険者ギルドに登録して、小さな街中での依頼でもあればそれをこなし、宿を取ろう。

ハグを済ませた両親にお休みの挨拶をし寝室へ向かう。


小さな二人部屋で荷物は粗方まとめてあり、二つ並んだベッドだけが置いてある。

この部屋ともしばらくお別れか。


「レナス、所持金はいくらある?」

自分のバッグから財布を取り出しレナスに投げる。

それはキャッチしたレナスが硬貨を数えひとつの財布にまとめた。

「あたしが30シルビアと80ブロス、ケイトのが49シルビアと40ブロスで合計79シルビアと120ブロスね。」


この世界の通貨は 銅貨のブロス100で1シルビア 銀貨のシルビア10枚で1ガルド 小金貨の100ガルドで1ガルクの装飾金貨になる。

簡単に銅貨10円 銀貨一枚で1000円 小金貨一枚で10000円 装飾金貨で100万円という具合だ。


つまり狩りで得た獲物を行商人に売りちまちまと貯めた合計8ガルドと20ブロスが俺たちの全財産。

防具や武器などは最低でも一点につきガルドからのお値段なので全然足りないのだ。

武器は父と母が昔使っていた初心者時代のお古を持っているが防具に関しては最低限なので、

しばらくは安全な採集や雑用をこなして お金を貯める必要があるだろう。


明日からはまったく新しい日々だ。

死と隣り合わせになるだろう。

お互いいつ死ぬかは分からない。


「なぁマリナ」昔の名前で呼びかける。

最終確認のために荷物を点検する手を止めて彼女は答える


「どうしたのゆき兄?」

懐かしい呼び名だ。お互いしか家族がいなかったころの大事な呼び名。

「死ぬのは怖くないか?」マリナの目を見つめる。

「二人でなら怖くないよ。それに死ねないよ。パパとママ泣かせたくないしね。」

あの日からずっと変わらない優しそうな瞳で微笑む。


そうだよな。

今は大切な家族がいる。

マリア ゲイル レナスに俺


大切な人がいるし、世界は危険だけど、自由があって、

誰かを助けられるような力もある。世界は広くて写真なんてないから自分の目でどれだけ世界は広いのか

見てこなくちゃならない。何かに打ちのめされても帰る場所がある。

だからきっと大丈夫。




今日はもう眠ろう。

明日の世界は何を見せてくれるんだろう。



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