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暇だから宇宙を作ってみた。とりあえず七つ。  作者: KAME


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呪い

「呪い?」


 思わず聞き返す。

 ライ君は僕と同じ顔の青年で、エマの世界で勇者になった若者だ。彼がどうなったって?


「呪いってあれだろ? 悪魔の呪い。なんかそれっぽいことして相手に悪いことがありますようにって祈るやつ。なんの効果があるんだ?」

「ゲインのとこのインチキじゃなくって、ウチではちゃんと効果があるんだよー」

「ああ、魔法の一種か」


 エマの世界に追加された、マナとかいうエネルギー。新たな法則。

 あれ複雑すぎるんだよな。エマはたぶん適当に導入しただろうし、そのあともチョイチョイ調整したりしてるみたいだし。

 ファルムも同じようなのを追加してるけれど、彼女はしっかりとやってるから法則性とかはまだ分かりやすいんだよな。……それでも僕はしっかり把握できてるわけじゃないんだが。


 で、呪いね。


「それで、どんな呪いなんだ?」

「激しく動くと血を吐くの! それで、長く戦えなくなって……」


 ジワジワ効く病気みたいなもんをもらったのか。なるほど。

 血を吐くってことは内臓にダメージを与える類だろうか。それなら人間のスペックじゃ、十全には動けないだろう。


「でも、それなら死んでないし、大怪我してもう起き上がれないみたいな状態でもない。干渉は最低限に済ませるって決めはしたけど、ちょっとくらい手を加えて呪いを解いてやってもいいんじゃないか?」


 僕は提案してやるが、エマは翼をバサバサと動かす。


「そうはいかないの! 魔王の呪いなんだから!」

「魔王の?」

「そうそう。だからアタシじゃ解呪できなくって」


 それは話が変わってきたな。

 エマの世界を脅かしている元凶、魔王は僕らの干渉を受け付けない。その原因は不明……おそらく干渉すると発生する歪みがなにか関係している気がするが、まあそれはともかく。魔王がかけた呪いも干渉できないのか。改めて厄介だな。


「ライ君、一回魔王と戦ったんだよね。そのときは引き分けというか、痛み分け、みたいな感じになったんだけど……」

「え? ライ君そんなに強くなってるの? 勇者になってからまだ三ヶ月くらいだろ?」

「そうだよう! ゲインもみんなも、アインスの方ばっかりで全然こっち観てないんだから!」


 たしかに最近は未来文明を瓦礫に変える巨大怪獣ばかりに気を取られてたが。

 だってライ君、最初は雑魚からも逃げ出すくらいだったし。これはしばらく時間かかるなって感じだったんで、巨大怪獣をメインに観つつたまにチェックする方向に移行したんだけど……なんか強そうなエルフに師事していろいろ教わってるあたりで、あんまり動きがなくなって追うのサボってたんだよな。

 僕が見なくなってから一ヶ月ってとこか? それから急にライ君がそこまで強くなったのは、干渉の効果ありとはいえ凄い。ただの農民だったのに。戦いなんかしたこともなかったのに。すごく頑張ったんだろうなぁ。


「まあ……魔王と互角ってほどじゃないんだけどさ。というか、正面から戦ったら絶対勝てないんだけど」


 あ、さすがに魔王と渡り合えるほどではないんだな。


「でも仲間と力を合わせて作戦もしっかりたてて、魔王にかなりの深手を負わせることに成功したの!」

「へえ、魔王相手によくやったじゃんか」

「それでも倒せはしなかったんだけどね。で、そのおかげで魔王の侵攻は止まったんだけど、そのとき受けた呪いでライ君も動けなくなっちゃって」


 なるほど、それで痛み分けか。事情は分かった。


「他のみんなはなんて言ってるんだ?」

「言ってないよ! アインスは自分のところで精一杯だし、ベルディラットとチャルルンはどうせまた面白おかしいように引っかき回そうとするだけだもん!」


 あらら、ベルディラットとチャルルンはどうやら、あの集会でそうとう信用を落としたな。

 まあチャルルンの案に乗った僕も同罪ではあるんだろうが……エマとしては、発案者よりはマシという感覚なんだろう。


 しかし、だとすると僕が考えて答えなきゃいけないわけか。ふむ……。


「魔王の情報は読めるんだろ? なら呪いについても分かるんじゃないか? 時間がたてば効力が消えていくとか、僕らに干渉できなくても薬草とか魔法とかで解呪できそうとか、そういう解決方法はなかった?」

「致死性。数年かけてジワジワ苦しんで死ぬ。今は仲間の魔法でやわらげてるけれど……アタシが干渉しようとしても無理だったのに、薬草とかで解呪できるの?」

「そもそも今回の件は、君の干渉を受け付けない魔王を勇者に倒してもらおうって試みだろ? 現に、ライ君が魔王に手傷を負わせてる。現地住民なら魔王を倒せる可能性が高い。なら君の干渉で解呪できない呪いでも、現地にあるなにかで魔王の呪いを解くことはできるかもしれない」


 ベルディラットの怪獣もAIの重要施設を片っ端から潰してるもんな。

 魔王もAIも、僕らが直接干渉できないというだけで、管理者たちが決めた世界の法則の外側にいるわけじゃない。


「じゃあ、しっかり調べれば解呪方法があるかも?」

「ああ……なあエマ。さっそくコレが役に立ちそうじゃないか?」


 僕はファルムが渡してくれた本を見せる。

 魔王の呪いがどういうものか分かれば……もし、解呪が可能そうであれば、必要になる品とかのデータはここに載っているはずだ。

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― 新着の感想 ―
「神の姿に似てておもろいから」で勇者にされて、その神にしばらくほっとかれて、なんとか頑張って成果も出したのにめちゃくちゃ苦しんで死ぬ呪いで戦えなくなるライくん可哀想すぎて草 なんか褒美とかあった方が…
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