第9話 過去のお話③
「※※さま…私が…食い止めます…」
「※※※!?逃げろ!もう無理だ!」
「大丈夫です…」
※※※はそう言うが、精霊という高度の中でも高度の魔物を召喚して、ほとんど力が残っていない※※※の体は、マグマに触れ、一部が炭化していた。
「やめろぉぉぉおおおおっ!」
俺は、マグマに触れようと、足先が炭化しようと、精霊に指示を出し続ける※※※に向けてそう叫んだ。
「お願い…永久氷で封印して…」
「※※※っ!」
俺はたまらず※※※を抱き抱える。
「逃げて…ください…。もう…私は助かりません…」
「※※※っ!大丈夫だ!今運ぶから!」
俺は※※※にそう言う。
足が全て炭化してしまった※※※を抱えて走り出す。
マグマは迫る。
「私を抱えたら、走…るのが遅く…なってしまいす…」
「何を言っているんだ!俺は…っ!」
「※※様まで死ぬおつもり…ですか?…私はどうやら…※※さまを守るために…この世に生ま…れてきたらしいのです…」
「いやだ!いやだいやだ!※※※が死ぬなんて──」
「…落ち着いて…。私は…神のお告げが、聞こえるんです…。ほら…蝶がたくさん…います…」
「蝶?お告げ?いったい何を言って…」
「貴方と出会えて…本当によかったです…※※様」
「※※※っ!?」
※※※はハラリと、まるで花びらのように、俺の腕をすり抜けると、マグマの中に落ちていった。
「“シエラ”ァァァアアアアアアアッ!」
「…様!」
「…※様!」
「※※様!」
俺はハッ、と辺りを見渡した。
「…ずいぶん苦しんでおられるように思いましたが…。大丈夫ですか?」
「…あぁ。ちょっとあの事を思い出しただけだ」
「…そうですか…」
俺は、地面に落ちている青色の蝶の形の髪飾りを手に取った。
そして、髪飾りに防御結界を張り、異空間に入れた。
「…国に報告します?」
「…してもいいが、国は俺達を騙そうとするからな…あの時と同じように」
「…信頼できない、ということですね」
「あぁ。他に信頼できる人物がいればいいんだが──」
「…そんな人物を探すとなると、なかなか難しそうですね」
蝶が、薄紫色の花にとまった。




