第2話 ユメ召喚!
結界の中で、俺は召喚する。
「召喚─ユメ」
俺は前世、召喚士だった。だが、召喚した魔物にばかり負荷をかけていると、いつ魔物に裏切られるかわからない。なので、俺は魔物に負けない程度に魔法を極めた。
魔法には火魔法、水魔法、草魔法、雷魔法、土魔法、光魔法、闇魔法の7つがあり、俺はその全てを習得した。
「※※様、お久しぶりです」
腰まである銀色の長い髪と、切れ長の妖艶な紫の瞳が特徴的な美しい女性が現れた。先ほど俺が召喚した魔物である。
「ユメ。今は※※じゃない。レアキだ」
とても魔物には思えない姿をしている。だが彼女は姿を変えられるのだ。俺が前世で出会ったときも、本来の姿はしていなかった。ユメの主だが、今まで本来の姿を見たことはない。
「レアキ…様ですね。かしこまりました」
「にしても、俺が※※だってよくわかったな」
「えぇ。幼い頃の─ちょうど私と出会った頃の※※様に似ておられます」
ユメは妖艶な瞳を細め、柔らかく微笑んだ。
「…今世も、レアキ様に忠誠を誓います」
「あぁ、ありがとう」
さて、やることを終わらせないと。
「召喚─闇鳥」
「フォオォル」
全長1m程の真っ黒な、カラスを大きくしたような鳥を召喚する。
「情報収集頼む」
「フォォオル」
闇鳥は俺の声に答えるように、そう一鳴きすると、結界の外に出て─森の中の闇の中に溶け込んだ。
「~~、~、~~。召喚─ユズ」
ユメは、俺の召喚術に憧れて、多少の詠唱は必要になるものの、一応簡単な召喚は前世できるようになっていた。
「にゃあぁ」
そのユメが召喚したのは、真っ黒な美しい毛並みと、金色の瞳を持つ、猫に似た魔物だった。
ユズは、ユメを拾ったときからユメと一緒にいた。ユメにとってはなくてはならない存在だろう。
「戻るぞ、ユメ」
「はぁい…って、なんだか懐かしいですねこのやり取り」
「…まぁな。っていうか、今は『戻るぞ』じゃなかったな…」
「…そうですね。戻るぞ、なんて言われても、さっき召喚されたばかりですもんね…」
「…にゃぁ」
「ユメ。『陰透』使って」
「…了解です」
ユメは自分自身と肩に乗っているユズに『陰透』魔法を使い、姿を消した。
ユメは闇魔法の使い手である。闇魔法だけなら俺と同じくらいの力を持つ。
「この屋敷は居心地悪そうだからな。今は6歳程度だが、最低でも12歳くらいにはここを出たい」
「…今はそのための準備期間ですね」
何も見えないところから、そんな聞き慣れた声が聞こえた。




