第14話 かくれんぼ②
「…見つけた」
俺は開始早々、 エレナを見つけた。
エレナは決して隠れるのが下手だったわけではない。
だが、隠れる方法が悪かった。
大きな音をさせながら、 ああここに隠れたんだろうな、と容易に思うことができる隠れ方をする。
今回であれば、 エレナは倉庫に隠れていた。 そして倉庫は扉が開いていて、電気がついていた。
「私、下手なんでしょうか…」
「いや、そういうわけでは…」
ただ、20歳を超えた大人がすることだとは思えない。
「まぁ気を取り直して、メリアを探すぞ」
「ふっふっふ。 無理だと思いますよ」
エレナは不敵に笑った。
「なぜ?」
「私、 よくメリア様とかくれんぼをするのですが、メリア様はとても隠れるのがお上手で、 いつも降参してしまうんです」
それはエレナが探すのが下手だという可能性もあるんじゃ…と思ったが、 口に出すことはしなかった。
「まぁせいぜいがんばってくださいね」
「はぁ…」
結果。 たしかにメリアは隠れ上手だった。
部屋という部屋をくまなく探したのだが、一向に見つけられない。
「だから言ったでしょう?私とメリア様の勝利です!」
「うーん…」
俺が頭を悩ませているのは、メリアのことだけではない。
ユメも見つけることができないのだ。
ユメは確かに『陰透』を使えるが、魔力でわかると思うんだが…。
『陰透』は、魔力までは隠しきれない。
魔力を隠そうと思ったら、もっと高度な魔法を使う必要がある。
そこまでしてユメは隠れたいのだろうか?
かくれんぼなどということも知らないのに?
「もう降参しますか?」
「…いや、まだだ」
魔法も使えないであろうメリアを見つけることができないなど、 自信を失ってしまう。
「頑固ですね。 諦めたらいいですのに」
「そういうわけにもいかないんだよ」
俺は最終的に、 高度な魔法を使ったユメでさえも見つけられるようになりたいのだから…。
「ん? まてよ…移動してるのか?」
だとすれば、もう探した場所にもいるかもしれない。
「そんなずるいまね、メリア様はしないと思うんですけど」
「ずるいっていっても…ルールは決めてないんだし、 ありえる」
「メリア様を信頼すべきです!」
どうやってさっき会ったばかりの少女を信頼しろというんだ。
しかも5歳児。 信頼などできるわけがない。
「…まぁ気長に探そう」
「やっぱり頑固ですね…」




