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50話:本当についてない

「どういうことだ!エドアルドはどうした!?」

「・・・戦死なさいました」

「なんだとっ!?・・・」


 はぁ、ついてない。怖い迷宮探索から抜けられ、かわいいと噂のジプソフィーラ嬢の捜索任務につけたと思った矢先にゴブリンの襲撃とは・・・


 今回の出兵で一番強いらしい(?)エドアルド様についていけば、安全安心に捜索できると思ったんだけど、まさか()()()()()()()()()()()()()()()にやられるなんて。


 誰も気づいていないようだし、幻覚魔法、いや幻影魔法かな?

 爆発と雷撃、それに転移と隠密も使っていましたね、どれも見事な魔法でした。しかも動きであのエドアルド様を圧倒していたし、どれだけ恵まれたスキルを持ってるんでしょう。

 あんな化け物とは対峙したくないですね~。


 エドアルド様と副長が戦死したせいで、参謀としてついて行っていたわたしと、前衛の生き残りの者が隊長代理として怒られている・・・理不尽ですね・・・。

 ちゃんとエドアルド様の命令通り、()()()()()()()に対してスキルで迎撃していたのに・・・


 昼頃に襲撃され昼食も取らずに撤退し、先ほどエリカの町に戻ってきました。もう陽も傾きかけている時間で、さらに休憩もなしで報告して怒られるなんて・・・本当についてない。


 ジプソフィーラ嬢にはお会いしたかったけど、迷宮探索に行くくらいならこのまま駐留軍に合流してのんびり過ごしましょうかね~。


「それで、ゴブリンは殲滅させたのか?」

「は・・・「いえ、それが一匹強力なゴブリンがいまして・・・」」


 はい、と答えようとしたのに、横から真面目に答えたのは前衛の騎士だ・・・よけいなことを・・・


「取り逃がしたのか!?」

「申し訳ありません!エドアルド隊長を一騎打ちで倒したゴブリンでして・・・」

「まさか!?あのエドアルドをか・・・」


 エドアルド様はおそらくレベル40越え、連隊の中でもトップレベルかもしれない。あの女の子は50近いと見たね。

 しかし()()()()で50近いと言うとまずいことになる・・・


「エドアルドを倒せるゴブリンとなると、キング・・・いや、ロードか!・・・そのロードを取り逃がした・・・」


 あ~本当にマズい・・・


「今のナターレにはただの領兵しかいない。これ以上我が軍から被害を出すわけにもいかない・・・ロードを倒せるとしたらA級冒険者クラスが複数必要だ・・・コルニオロ」

「・・・はい・・・」

「貴様、元A級冒険者だったな」

「どなたかとお間違いでは?・・・」


 青筋が立っていらっしゃる・・・


「もう一度だけ聞く!元A級冒険者だったな!」

「・・・はい・・・」

「ナターレの冒険者ギルドに行き、討伐部隊の依頼を出せ。隊長は貴様だ!」

「・・・了解いたしました・・・フラヴィオ・ネル・リッチ伯爵」


 本当についてない・・・





 本当についてない・・・


「おい、ここは貴族のおぼっちゃんの遊び場じゃねえんだぜ」

「いえ、本当に依頼を出しにきただけでして・・・」


 エリカの町にある冒険者ギルドに顔をだしただけでからまれました・・・本当についてない・・・


「みなさん!依頼主さんにからんではダメですよ!言うこと聞かないと、降格処分にしますよ!」

「ちっ、別にからんでたわけじゃねえよ。ナターレの冒険者はナターレ様以外の貴族の依頼なんか受けねえって、教えてやってただけさ」


 わたしなんて貴族とは名ばかりの一代限りの名誉男爵ですよ・・・ただちょっと魔法に詳しいだけの・・・


「ごめんなさい。みなさん根はいい人なんですが、ちょっと貴族様を嫌ってて・・・」

「いえいえ、助かりました。ありがとうございます」


 ギルドの受付嬢の方が場を治めてくれました。歳の頃は22、3歳ですかね。()()()()()()()()()()()()()()()、あと10歳若ければよかったんですが。


「それで、ご依頼とは?」

「ああ、えっと、コレです」


 予め記入しておいた依頼書を見せます。


「えっと・・・ゴブリン・ロード討伐依頼・・・求むA級もしくはA級相当の冒険者・・・」


 ・・・ギルド内が静寂に包まれちゃいました・・・





「お嬢さんは領民かい?町に入るには許可証がいるんだが持っているかい?」

「許可証?」


 町の入り口には門番さんがいてわたしに許可証を求めてきたニャ。


「冒険者証でもいいが、その年で持ってるわけないか。ははは」

「これでいいのかニャ?」

「どれどれ。お、領主様の所の侍女見習いさんかい。どうぞ、エリカの町へようこそ」

「ありがとニャ」


 そろそろ陽が落ちる時間ににゃんとか町についたニャ。クリザンテーモが用意してくれた許可証で無事入れたけど、あやうく門を閉じられちゃうとこだったニャ。


「さてと、やっとエリカの町に戻ってきたニャ。まずは・・・」


 キュ~グルルルルル・・・


「まずは腹ごしらえだニャ!」


 一応、ニンフェアが追い返した侯爵軍の偵察が目的だけど、腹が減っては快眠はできぬってゆーしニャ。

 どこかにおいしそーにゃお店はにゃいかニャ~?


 クンクンクン


 めっけニャ!ここがいーニャ♪


「こんばんニャ~」

「へいらっしゃい!おひとりかい?カウンターでもいいかな?」

「どこでもいーニャ。お魚の料理いっぱいお願いニャ!」


 メニューも見ずに注文したニャ。だってお魚のいい匂いがしてたからニャ。


 カウンター席について足をブラブラさせて待つニャ。足がとどかにゃいニャ・・・

 両手にフォークを持って待ってると(とにゃり)の席からため息が聞こえたニャ。にゃんだろニャ?


「はぁ・・・ナターレにA級冒険者がいないだなんて・・・」


 耳を横に向けて(はにゃし)を聞くニャ。A級冒険者?


「まあ、ゴブリン・ロードなんて実際にはいないんだから倒しようもないしね~・・・」


 ゴブリン・ロード?いにゃい?にゃんのことだろニャ。


「もう倒したことにしちゃおかな・・・でも討伐証明ができないか・・・かと言ってあの子を倒しても意味ないしなぁ・・・そもそも倒せる自信ないしね・・・」


 ふみゅ~まったく意味がわからにゃいニャ。(はにゃし)を聞いてみようかニャ?


「にゃんのはにゃし・・・「へいおまち!クエの煮物とブリ大根、サーモンのカルパッチョに刺身の盛り合わせだ!」」


 食べてからにするニャ♪

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