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ほんじつのむだぶん  作者: 摩耶


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26年1月24日号『やはりこの目でこの耳で』

 貴重なお時間を割いて、

無駄文に目を通してくださいまして、

誠にありがとうございます。


 年に1度。

そんなものはどうでもいいと

思えたのは若気の至りで、

中年のオッサンともなりますと、

たとえ小数点以下の可能性でも

来年、自分が存命である可能性は

少しずつ下がってくる。

病床でほぼ寝たきり状態の父の姿は

元気ではありますが、

パーキンソン症で身体がままならず、

胃瘻状態で経口で食事ができず、

痩せている父からは

在りし日の姿は重ならず、

今年の桜は見られるだろうかと

呟く重みが肩にのしかかります。

今日より若い日はやってこない、

これはその背中を見てきたからこそ

自ずと出てきた言葉でした。


 そんな今日は1月第4土曜日。

奈良に根差す人間にとっては

今日は若草山の山焼き。

見た目は規模の大きなハゲ山で

鹿が悠然と歩いている様子は

皆さんもご覧になられたことが

あると思います。

自然の山なら強力な自然の力で

青々しい草が伸び山の姿を

保てるものですが、

年に1度焼かれますので、

ハゲ山の姿が保たれている、

山の中でも異質な存在です。


来年見られないかもしれないと

思った3年前から

見るようになりました。

昔は気軽に見られた行事ですが、

ここは観光都市奈良、

貴重な資源は収入源に繋がると

絶好のビュースポットになる

県庁の屋上で見るには予約・

抽選を突破しなければならない上に、

別の場所ではお金がかかる、

地元の人間からすると

(はろ)てられるか!」と

地元の公民館や近くの高台から

眺めるだけで充分ですし

焼く前に打ち上げられる

花火の臨場感も楽しめます。

流石に真冬の夜ですから

冷え込みも厳しくなりますが、

暖房の効いた室内で見れば

風邪もひきづらいとあって

お年寄りの方々も集う中、

中年のオッサンがぽつんといる姿は

はっきり浮いています。


前日の雨がしつこくて

着火が全然捗らなかったり、

実物よりもライブ配信の方が

迫力があって、

画面に人が齧り付いたりと

色々とアクシデントがある中、

今日は絶好の乾燥加減で

裾野から山腹に駆け上がる炎は

想像以上に早く、

あっという間に鎮火する。

花火もそうですが、

一瞬の芸術はその目で見て

その耳で聞くのが面白い。

3年目となって

やっと理解できるようになりました。


先程もお話ししましたが、

燃える前に花火が多量に打ち上がり、

目と耳で楽しませてくれますが、

その様子をスマートフォンで

写真に収めようとされる。

ボタンを押す、フラッシュが光る

そしてシャッターが切れる。

その間は僅か数秒であっても

花開いた花火は既に消えている、

初めて見た時に

私も同じことをしたわけですが、

写真、動画共々画質が悪くて

その美しさが再現できず、

それなら目で見た方が

ぐっと思い出に残りやすいと

見て聞くことで

初めて楽しみを見出せ、

興の醒める行動を取られると

渋面になっています。

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