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新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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610.アベル君と臓物。

610.アベル君と臓物。




 ニックはバッタに向かって左側に滑り込み、足を重点に攻撃を始め、俺は、ショウリョウバッタの触角一本を切り捨てた。

 ショウリョウバッタは後ろ脚と胸を擦り合わせ、


 「ギギイイイィィ!!」

 と、背筋に怖気の走る音を出す。


 こういう音の攻撃は地味に効く。

 こちらの攻撃中は耳を塞げないしね。


 触角を切られて怒ったのだろう、完全にバッタのヘイトを俺が取った。

 あとは、ニックが足をどうにかしてくれれば、料理は簡単になるはずだ。


 するとバッタは鋭く低く、俺に向かってジャンプをする。

 俺も横っ飛びでそれをよけると、ファイアーボールが数個一気に飛んできた。


 俺が射線から避けたのを見たのだろう。

 連射だからアンネだろうけど、良いタイミングでバッタの複眼に当たり、バッタは前足で一生懸命炎を顔から擦るように消そうとしていた。


 その隙を窺い、顔を擦っている前足の関節に、俺の黒曜鋼の剣の鋭い刃が滑り込んで切断した。

 バッタは強靭な後ろ足を使って、身体を反らせ俺に乗り上げようとしてきた。


 まだ前足一本では戦意は失っていないらしい。

 持ち上がった胴体を俺に向かって降ろす前に、ガクンと左にバッタは倒れた。


 ニックが左足を切り落としていた。

 「やりました!!」


 ニックの声が響く!

 バッタは腹を俺の方に向け、後ろ足で俺を蹴ろうとまだ藻搔いていた。


 「しぶとい野郎だ。」

 俺はそう呟くと、とんできたギザギザの付いた右後ろ脚を避け、バッタのブヨブヨの腹に剣を差し込み、一気に切り裂いた。


 「ブワッ!」

 と、腹圧で抑えられたバッタの臓物が、俺に向かって降り注いだ。


 「キャーーーー!!」

 女性陣の黄色い声が上がる。


 決して俺に好意を向けた声ではないが。

 俺の身体はバッタの体液でベタベタだぁ。


 解体は慣れたけど、こういうプレイは慣れていない。

 「あああ」


 なんて、声を上げていると、剣を持つ手に何かが絡みついた。

 白い紐みたいなものが、俺の右手を締め上げる。


 なんだ!

 ひょっとして、寄生虫か!?


 その紐は、先端を鎌首の様に持ちあげる恰好をすると、俺の腕にその先端を押し付けてきた。

 こいつ!俺の中に入るつもりかよ!!


 グロッ!!

 俺は、右手に炎を生成し、その紐を焼いた。


 身体強化をしているから、俺の身体と鎧はまだ大丈夫。

 紐だけが焼かれ、お好み焼きの上の鰹節の様にウネウネ動き、しまいには焦げてなくなった。


 「はあ…」

 俺は深いため息の後、その場にへたり込んだ。


 線虫の類なのだろうか?

 今までも虫の体内に手を突っ込んで来たが、こんなのは初めてだ。


 グロかったよ~!

 「アベル様、大丈夫ですか?」


 アンネとロッティーとマヤが、恐る恐る俺に近付いてきた。

 「ヴァ~~~!!」


 俺はそう言って、彼女らに手を伸ばし追いかけ始める。

 「キャー!!!」


 「冗談だよ。」

 俺はそう言って、頭の上から水を生成し、シャワーの様に浴び始める。


 魔法って便利!素敵!!

 「もう!アベル!!本気で心配したんだからね!!」


 さっきまで逃げまどっていたロッティーが、俺に近づき文句をたれた。

 「だから、冗談だって。でもキモかったなぁ。あ、僕はもうシャワー浴びちゃったから、解体カンベンね。」


 「えー!ズルい!!」

 と、声を上げたのはマヤだった。


 「マヤ、お前、解体やったことがあったっけ?」

 俺がそう言うと、急にマヤはモジモジして、


 「いえ、そういうことじゃなくてですね。」

 などと言い始める。


 「今日の解体はマヤで。よろしく。」

 「えー!!嘘―!またさっきみたいのウネウネが出てきたらどうするんですか!!」


 盛大に不満を俺にぶつけるマヤ。

 俺は水で髪をすすぎながら、


 「そんときゃ燃やしてやるよ。」

 とだけ言って、突き放した。


 「たぶん腹をかき分けて、胸の内部にアプローチした方が今回は早いんじゃないかな?」






 俺はそうアドバイスを与え、呆然とするマヤを見送るのであった。


読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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