↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

617/657

602.アベル君とお金の配分。

602.アベル君とお金の配分。




 てなわけで、ダンジョン五箇条が出来たおかげで、きょう学校に冒険者ギルドの職員の方がいらっしゃるということなので、早速、俺たちの緑鉱石を買い取ってもらうこととなった。

 キチンとドロップ品を持って帰って来たのが俺たちのパーティーだけだから、お試しだね。


 最初は黙って持って帰って来ただろうって?

 好きにしていいって言われたんだから当たり前だろう。


 怪しい所に売らずに、あとでちゃんと申告しているし。

 割りとちゃんとしているでしょってなもんだ。


 職員室の脇に、冒険者ギルドカウンター騎士学校支部が設けられた。

 まず形から。


 いかにも国の機関らしいやり方ではある。

 それで、俺とニック、マヤの三人はそのカウンターの前に突っ立っているわけだ。


 「いらっしゃいませ、騎士学校カウンターへようこそ。あら、アベル様。ごきげんよう。」

 そう挨拶をしてくれたのは、冒険者ギルドのカウンターで相手をしてくれたバニーさんだった。


 「ありがとう。そちらもご機嫌如何ですか?えっと…」

 俺が名前を聞いていなかったなどと思っていると、


 「まだ自己紹介していませんでしたね。申し訳ございません。ジャージーと申します。これからよろしくお願いしますね、アベル様。」

 そう言って、ジャージーさんは微笑んだ。


 「買い取りをお願いに参りました。」

 俺がそう言うと、俺は件の緑鉱石を取りだし、カウンターに置いた。


 すると、職員室の方がざわつき、教師たちがジャージーさんの周りに集まってくる。

 そして皆一様に緑鉱石を覗き込んだ。


 「こんなもんがあのダンジョンから出るなんてな。」

 「今までも出ていたんだろうか?」


 「私も欲しいですよ。」

 などと、欲望の混じった視線が鉱石に浴びせられる。


 国家公務員が、欲望を前面に押し出すんじゃないよ。

 公僕は国民の奉仕者だろ?


 「中央ギルドで一度拝見したものですね。お借りいたします。」

 ジャージーさんはそう言って緑鉱石を持ち上げ、ルーペのような物を使って鉱石を覗き込んだ。


 するとマヤが

 「なんだかワクワクしますね。」


 満面の笑みで仕事をしているジャージーさんを見ながら言った。

 どんなものでも、査定はワクワクとドキドキが同期しているものだよね。


 「大きさと質ともに、良好な緑鉱石ですね。」

 そう言って顔を上げたジャージーさんが俺に言った。


 「買い取り査定額ですが。」

 ゴクリと大人しかったニックの喉が鳴る。


 「金貨五枚と大銀貨五枚となります。税が大銀貨五枚と銀貨五枚になりますが、分けやすい様に金貨五枚でよろしいですか?」

 なんとも分かり易く、分けやすくて助かる。


 ご都合主義とか言うな。

 な?


 しかし、一割の税金は暴利じゃないか?

 玉座に座る狸親父に、今度会ったら文句を言ってやろう。


 金額が分かると、カウンターの中と外で歓声が沸いた。

 「金貨五枚!!」


 「俺たちの給料の何日分だろう?」

 「それが生徒たちの手へ。」


 など、恨めしそうな教師たちの声と、

 「わっ!アベル様たちが言っていた金額と同じだった!!やったー!」


 と飛び上がって喜ぶマヤと、

 「これで、楽にこの学校で過ごせます。ありがとうございます、アベル様。」


 今にも泣きだしそうなニックがいた。

 「みんなで得た成果だから気に病むことは無いよ。」


 俺はそう言ってニックの肩に手を置いた。

 「はい。」


 そう言って無理に微笑むニックの目から、大きな涙の粒が一つこぼれた。

 この学校での不安が一つ取り除かれた。


 魔法が使えない、剣術の腕前だけではない、学費を払い、学校で暮らすという経済的難関。

 ニックにとってどれほどストレスが無くなった事か計り知れないだろう。


 「アベル様、こちらをお納めください。」

 ジャージーさんはカウンターの上に置いてあったトレイに、金貨五枚を置いた。


 「では遠慮なく。」

 俺はそう言うと金貨を掴み、ポーチに入れてあった財布を取り出し、三枚の金貨を入れた。


 「はい、二人とも。」

 ポーチに財布をしまい、一枚ずつをマヤとニックに渡す。


 「わっ!わっ!ありがとうございます!」

 マヤは興奮し、紅潮した顔で俺に言った。


 「ありがとうございます、アベル様。」

 ニックは恭しく両手でそれを受け取る。


 すると、集まっていた教師たちもそれぞれ散っていった。

 あ、金貨三枚の内訳は、俺とロッティーとアンネの分だよ。


 「ジャージーさん、ありがとう。」

 俺は振り返り、ジャージーさんに礼を言う。


 「またいらしてくださいね、アベル様。」






 そう言って微笑むジャージーさんに頭を下げ、ローズに何か買ってあげようなどと考えるのだった。




読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。