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新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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596.アベル君と脅しと不敬と美人さん。

596.アベル君と脅しと不敬と美人さん。




 「改めて貴様に聞くが、昨日は何の仕事をしていたのだ?」

 聞こうかって言ってんのに、そこから始めんのかよ。


 融通の利かん王太子だ。

 家臣に嫌われるぞ。


 その時は俺が旗振ってやる。

 「そこから言わんと行かんのか?」


 「ああ、私は貴様を疑いたくないのでな。」

 俺の言葉に、オスカーが返す。


 アホか!

 そこまで恨んだりはしてないわ。


 俺なら死体なんか残さないしな。

 「お前いい加減にしろよ。やっている暇ないだろ。」


 何度も言うが、俺は深夜帯から朝にかけて、ローズとグッチョングッチョン。

 「ああ、ローズはそう証言するだろう。」


 は?

 「おい、オスカー、お前消えたいのか?」


 一気にオスカーの血の気が引く。

 実際俺がオスカーを標的としたテロリストたちを何度も殺っているのを見ているから、シャレにならんだろうと思う。


 「い、いや、失言だった。すまない。」

 そう言って、オスカーが謝罪したので、


 「ああ、僕も言い過ぎた。すまん。で、だ。」

 俺も受け入れ、一旦間を開けた。

 「昨日一日のことをすべて言うぞ。」


 「うむ。」

 俺の言葉をオスカーは受け入れ頷いた。


 そこに、

 「ちょっと待ってください。今とても不穏な会話があったようなのですが。」


 そう口を出したのはルシア嬢である。

 「いいのだ、ルシア嬢。」


 「え?よろしいのですか?不敬に当たると思うのですが。」

 なおもルシア嬢は食い下がる。


 当たり前だね。

 だって家臣が王太子を消すと言った。


 言ってはいけない言葉だ。

 それを俺は軽口のように言い、オスカーは謝罪した。


 外部の人間、いや、内部でも知らない人間が見たら、目を剥くだろう。

 「僕は不敬で裁かれてもいいよ。連座が無ければね。うちの家族が連座されるのならセイナリアを全部消すけど。」


 「そのようなことはありえん!ない!ないのだ!ルシア嬢!これ以上の詮索は止めてくれ!」

 オスカーが必死の形相でルシア嬢を止めに入り、俺は疲労と寝不足で、それを遠くで聞いていたような気がしていた。


 そこに耳元で声が聞こえる。

 「旦那様、私は家族ですか?」


 小さな声で囁く、オリビィだ。

 「いや、違う。」


 「なんでですの!?」

 小さい声でオリビィは驚く。

 これが良くない。


 「結婚も何もかもまだだし。」

 「ではいたせばよろしいのですか?」


 そう更に囁いてきた。

 前世で寝る前に聞いていた、YouちゃんのASMRが脳裏によぎると、俺の意識は一気に遠のいた。


 「そういうのは面倒いので。」

 俺は遠くブラックアウトしていく意識の中で、そう答えていたような気がした。


 そう、瞼は落ち、首はカクンと、下に落ちそうになっていた。

 そこへ、俺の肩にポカポカ殴打を繰り返す者がいた。


 「イタッ!痛いって、なに?」

 俺の肩を涙を流しながら叩いているオリビィがそこに居た。


 「オリビィ?どうした?」

 一瞬で俺の意識は覚醒した。


 「なんでもありません!」

 そう言いながら、まだ俺への殴打は続いた。


 俺は座ったお尻の位置をずらしながら、ズボンのポケットからハンカチを取り出して、殴られるままオリビィの涙を拭く。

 「美人さんが台無しだ。」


 普段こんなことは言わないんだがな。

 ふと、口をついて出た。


 それと同時に殴打もやんだ。

 一瞬、時が止まる。


 俺の目の前には、目を見開いた金髪碧眼の美しい少女がいた。

 そして、

 「旦那様!大好き!!」

 そう言って、オリビィは俺に抱き着いた。


 今、抱き着かれると不味い。

 疲れてんのに、視覚、嗅覚、触覚から、色んな刺激が俺の身体を蹂躙し、俺の俺がままならなくなる。


 いわゆる疲れ魔〇ってやつだ。

 一々ググるなよ。


 「オリビィ、降りて。」

 俺はオリビィの頭に手をやり、ポンポンと叩いて、俺の身体から降りるのを促した。


 「ああ、わわわ、し、失礼いたしました。」

 そう言いながら、恥ずかしそうに顔を伏せオリビィは俺の身体から離れた。


 ん?どこかに当たったか?

 まあ、いい、おかげで目が覚めた。


 俺はあたりを見渡した。

 そこには、他の三人がなんだかつまらなそうな顔で俺とオリビィを見ていた。


 「ルシアさん、さっきのは冗談だよ。臣下と王太子ではなく、五歳からの付き合いのある親友としてのじゃれ合いさ。」

 俺がそう言うと、


 「そうだ、じゃれ合いだ。わかってくれたね?ルシア嬢。」

 そう言ってオスカーが念を押した。


 「そうです。ルシア様。旦那様とお兄様は、私も悔しいですが幼少の頃から仲がよろしいのです。もっと言えば幼少の頃の方がもっと危うかった。真剣まで持ち出していたのですから。子供のくせにですよ。もっとも、そうやって煽っていたのはお兄様の方でしたけど。」

 オリビィがフォローを入れてくれる。


 オリビィはもう大丈夫かな?






 俺の俺がどこかに当たっていたとか考えたくない、などと思うのだった。 






読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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