表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

607/644

592.アベル君とアベルの立ち位置学校編。

592.アベル君とアベルの立ち位置学校編。




 授業が終わり、騎士学団幹部会室に来ているのだ。

 別に俺は用事が無かったが、オスカーに呼び出された。


 疲れてるんだつーの。

 修練?


 そっちは面倒臭かったから、三人でバトルロワイヤルしてやった。

 パオロもレオも、しっかり腕を上げてきやがって、うかうかしてらんないなっていうのが感想。


 そんだけ?

 うん、そんだけ。


 そこでも俺は疲れて、ボーっとしていた。

 そこへ、


 「旦那様!」

 花に溜まった朝露が弾けるような爽やかな声が聞こえた。


 オリビィである。

 疲れているんだよなぁ。


 俺は首だけオリビィに向け、

 「やあ。」


 とだけ、言った。

 「如何なさったのです?お顔の色が優れませんが。」


 さすが王族。

 顔が酷いとか言わないのがいいね。


 「あら、ホント酷い顔。どうなさったのです?アベル先輩。」

 そう言ったのはオリビィの後から入って来た、ミカ嬢である。


 「うん、僕の顔は酷いよね。」

 「そういう意味ではございません。わかっていて仰ってますよね?」


 そう言ってミカ嬢は俺を睨む。

 疲れてんだっての!


 「昨日から色々あってさ。今朝まで眠ることが出来なくて、さっきまでパオロたちと剣術の稽古もしていてね。疲れているんだよ。」

 嘘ではない。


 内容はオブラートに包んであるだけ。

 五回以上ローズに要求されたとか、たとえパオロであっても言えないもの。


 「え?五回以上!?」

 オリビィが驚愕の声を出した。


 あれ?なんで?

 「ん?なに?」


 「アベル先輩、疲れているのはわかりましたが、思っていることが口から出ていましたよ。」

 ミカ嬢が俺の反応を見て呆れた顔で言った。


 「ああ、そう。まあ、ホントだからね。」

 俺は何もかもが面倒くさくなったので、全肯定で押すことにした。


 「いつもなんですか?」

 今までの二人とは違う声が俺に話しかける。


 ルシア嬢だ。

 「何が?」


 「いつも五回以上なんですか?」

 「興味あるの?」


 ルシア嬢の質問に、俺は質問で返した。

 「まあ、お行儀の悪い。質問を質問で返す物ではありませんよ。先輩。」

 そうルシア嬢は言うが、その目は好奇心で光っている。


 「そうだ、今の僕は行儀悪いよ。何せヘトヘトだ。とっくに帰ってベッドで寝たいのに、オスカーの奴に呼ばれてここに居たら君ら三人に詰められる。なんなんだ?一体。」


 「逆切れしないで下さい。」

 俺の物言いに、ミカ嬢がピシャリと叩く。


 「ああ、そうだね。君らに当たるのは間違いだ。だから少し放っておいてくれないか?」

 俺は心底不機嫌そうに言った。


 「旦那様、申し訳ありません。そんなつもりで近づいたのではないのです。昨日、一回も顔を見ることが叶わずにいたので、先ほどご尊顔を拝見して、気持ちが高ぶってしまったのです。」

 オリビィが心底寂しそうな顔をして宣った。


 「オリビィに言ったわけじゃないよ。」

 俺はオリビィにそう言って、その後ろにいた二人を睨んだ。


 「はい、はい、こちらが言い過ぎでした。ごめんなさい、アベル先輩。」

 全然態度がゴメンしていないミカ嬢と、


 「でも、一晩で本当に五回も出来るものなんですか?本の中の話ではないのでしょうか?」

 などと、ブツブツ独り言を言っている、ルシア嬢。


 「ルシアさんは処女じゃないのかい?よくそんなことが分かるね。」

 俺は思わず口にしてしまう。


 イラついていたからね。

 仕方ないね。


 で、済まない雰囲気が周りにはあった。

 オリビィは目を剥いて驚き、ミカ嬢は顔を真っ赤にして憤怒の表情を浮かべていた。


 そして、ルシア嬢は平然と、

 「処女ですけど。」


 と、言い放った。

 「ああ、そう。耳年増ってわけね。」


 もう糾弾したけりゃ糾弾しろ。

 全部ぶっ壊すぞ。


 そこまで考えていた。

 「先輩!!」


 俺の思ったとおり、ミカ嬢が金切り声を上げたその時、

 「そうです。耳年増です。本の中だけが私の世界でした。本国の城の中で大切に育てられました。それは本当にありがたい事だと思っています。しかし大切にされ過ぎて、城より先の世界を知りませんでした。それが今、こうして隣国の学校にいる。嬉しいのです。羽ばたいていると感じるのです。知りたい!どんなことでもいい!良いことも悪いことも矮小なことでさえ、私は知って感じていたいのです。出来れば知ったそれらを基に創造したい!新たな物語を、私だけの世界を!それが今の私です。」


 メガネを掛けた箱入りの創作オタがそこに居た。

 「なるほど。では回数などの上限なども本で知ったと?そのような本を箱入りのお姫様に読ませるとは思えないが。」


 俺は、少し冷えた頭でルシア嬢に質問する。

 「そ、それは、お父様とお母様の書斎でちょっと。」


 大人の本を盗み見ていたわけか。

 「しかし、お三人方、こういう実情にお詳しいと見える。ルシアさんは只今仰ったとおり、オリビィは知ってしかるべきだよね。」


 「え!?なんでですの?」

 オリビィは素っ頓狂な声で聴き返す。


 「知らなきゃあんなお話し書けないからね。」

 「あ、いえ、あ、はい。」


 「ミカさんも知らなきゃあんなに怒らない。違うかい?」

 「そ、それは、淑女のたしなみです。」


 「なるほど。それは必要だものね。」

 淑女教育的なものか。


 保健体育の授業も男子女子で別れてやったっけ。

 そんなことを考えていると、


 「本で知った身で申し訳ないのですが、アベル先輩。」

 ルシア嬢の顔が真剣になる。


 「実体験をしたいのですけれど、お相手願いますか?」

 ブーっ!


 あほかっ!!

 一々、一国の公女をそんなんで抱けるか!!


 しかも、もっと抱けない理由が俺にはある。

 「それは僕じゃなく、そこに立っている男にお願いするべきじゃないかな?」






 俺が指さした向こうには、オスカーが歪んだ笑みを湛えながら立っているのだった。





読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ