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新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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590.アベル君とローズとリビング。

590.アベル君とローズとリビング。




 時間は既に十時を過ぎていた。

 実はこの世界でも二十四時間制に近いらしい。


 エルフの偉い人が天文学を千年以上やっているんだとか。

 スパンが長すぎてどうも良く分かりません。


 ありがとうございました。

 まあ、そんな時間になって、ようやく俺は寄宿舎の自分の部屋へと戻れたわけだ。


 ドアノブを回し、ドアを開け室内に入る。

 ローズが常駐しているから、カギは使わない。


 持っているけどね。

 え?ローズが居るのになんでって?


 ローズがお買い物とか行っていたら、入れないじゃん!

 などはどうでもいい。


 「ただいま~。ロ~ズ~。カレッド伯爵に虐められた~。」

 「あら、あら、大変でしたね。お疲れさまでした。やはりあの石の話だったんですか?」


 「そうだよ。でもそれだけじゃないね。学校所有のダンジョンの在り方を決めてきた。」

 「それは大仕事でしたね。お食事は?」


 「あの内務大臣、奢ってもくれないんだよ。やっぱ法衣貴族は貧乏でセコくてかなわないよね。」

 疲れた頭と身体の所為で、つい愚痴っぽくなってしまう。


  「偉い人にそういうことを言っちゃダメですよ。また虐められてしまいます。」

 そうそう虐められてはたまらない。


 「それはあるね。何かご飯ある?」

 「ありますよ。少し温めてまいります。」


 そう言って、キッチンへ踵を返そうとするローズの腕をつかみ、強引に引き寄せた。

 「アベル様。急にこういうことをなさるのは危険ですよ。私の頭がアベル様の鼻に当たったらどうするんです?」


 「ローズが手当てしてくれるんだろう?」

 「勿論手当はしますけど。」


 「でも今はちょっとこのまま。」

 俺はローズを抱きしめる。


 「もう。」

 ローズも諦め俺の背中に手を回した。


 安心する。

 心に出来た澱が、一枚一枚剥がれて行くような軽さを感じるんだ。


 ぐぅ。

 フッと軽くなった心と身体が反応したのか、腹がこのタイミングでなってしまった。


 ローズは俺の腕の中から、フワッと離れ、

 「食事を温めてまいります。」


 そう言ってほほ笑むと、キッチンへ向かった。

 ええ、だらしのない腹め。


 そう言って、俺はカバンを床において自分の身体をソファに投げ込んだ。

 このソファは、うちの両親がクリス婆ちゃんに頼んで揃えた家具の一つだ。


 相当いい物で、ヴァレンタイン家の財力を知らしめすものになっている。

 めったに人なんか部屋に入れないけどね。


 そんなことをしているうちに、ローズはダイニングじゃなく、リビングに料理を運んでくれた。

 「お疲れでしょうから、こんなものを用意しました。」


 昔、ヴァレンティア城の炊事場で、俺がふざけてジョージと作った料理。

 ミ〇ノ風ドリア的何かじゃないか。


 「よく覚えていたね。こんなの。」

 「美味しかったので。アベル様が発案する料理は何でもおいしくて、ジョージさんにこちらに来るとき全部教えて頂きました。」

 

 「ジョージは一度作った料理は忘れないからね。」

 「凄いですよね。私はメモを取るだけで精いっぱい。」


 「いただきます。」

 「おあがりなさい。」


 二人の挨拶で二人が笑い合う。

 ルーナブルのミルクのクリームと、トマトに似た野菜で作ったソース。

 

 酸味と甘みが合わさって中の麦を炊いたものを包み込んでいる。

 米じゃないのが残念だね。


 「ドロップはね、誰がなんと言おうと冒険者の物だって不文律を、グスタフさんとカレッド伯爵に言ったんだよ。カレッド伯爵はなんていったと思う?」

 俺は的何かを食べながら、朝からのことを思い出してローズに話し始めた。


 「なんと仰ったのです?」

 質問を質問でローズは返したが、そんなことはどうでもいい。


 「冒険者と騎士学校の生徒は違うだろう?だってさ。そんなん分かってんだよ!」

 俺の物言いに、ローズは、


 「フフフ。」

 と小さく笑う。


 「ダンジョンから帰った生徒は、ドロップと魔石はすべて学校に渡す。これがマストだ!マストじゃねーよ!こっちは命はってんだぞ!!」

 俺はスプーンを振り上げ熱弁する。


 「フフフ。」

 それを聞き、ローズはやはり小さく笑った。

 それから、俺の愚痴は続き、


 立って聞いていたローズは、いつの間にか俺の隣に座っていた。

 顔が赤い。


 「ローズ、顔が赤いな。熱でもあるか?」

 俺は手でローズの前髪を跳ね上げ、額を寄せた。


 すると、ローズがガバッと俺に覆いかぶさる。

 「ロ、ローズさん、如何なさいました?」


 「ア、アベル様。いい匂い。」

 そう言って、自分の鼻を俺の首筋に近付け、クンカクンカ嗅ぎ始めた。


 「始まっちゃった?」

 「始まっちゃったようです。」


 そう言って、ローズはいきなり着衣を脱ぎ始めた。

 最近の獣人はヒートがなくなったという話は、ローズには無効なのだなぁ。







 そんなことをあらためて思うとともに、疲れてんのに朝まで眠れないことを覚悟するのだった。




読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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