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【200万PV件達成!】新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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575.アベル君と冒険者ロッティー。

575.アベル君と冒険者ロッティー。




 アンネとマヤに指示をして、ロッティーの背嚢からタオルとブランケットを出させる。

 その間に、俺は虫に突っ込んだ右腕を、水魔法で綺麗に流した。


 「魔法が使えると、便利ですね。」

 それを眺めながら、ニックが俺に言った。


 「厳密に言うと、魔法使いの魔法だが、便利だろ。冒険者パーティーに一人居て欲しい証左だよね。」


 俺はニックに軽く話す。

 「マヤ、その持っているタオルを貸して。」


 そう言うと、マヤがタオルを差し出してきたので、それを受け取った。

 続いて、タオルを水魔法で十分濡らす。


 軽くタオルを絞っていると、アンネがブランケットを枕になるように畳み、その上にロッティーの額を乗せて寝かせたので、寝ているロッティーの額に濡れタオルを乗せた。

 メリヤス織とか、この世界では発明されてないらしく、タオルと言っても、綿の手ぬぐいとさほど変わりはない。


 だから、そのタオルも軽く絞ったとはいえ、水気でビショビショだ。

 そのタオルが、ロッティーの額から目にかけて覆いかぶさっている。


 その被さったタオルの隅、目じりの横から、水分が流れ落ちていた。

 少し観察すると、いくらなんでも多く水気をすっているとはいえ、水が流れ過ぎないかい?


 そして、ロッティーの口から嗚咽が漏れた。

 こら、生徒の前で、先生が泣くんじゃありません。


 とは、言うまい。

 「みんな、ちょっと休憩しよう。」


 俺がそう言うと、ニックとマヤ、アンネが俺たちから距離をとってくれた。

 「アベル、ごめんね。」


 「ううん、誰だって嫌なことはあるしね。姉さんは虫嫌いだっけ?」

 「そんなことは無いんだけど、その、黒くて平べったいのは…」


 「ああ、わかるよ。ただこの虫は初心者ダンジョンで、お馴染みの魔物なんだ。先にリサーチしておけば良かったよ。でも、ダンジョン探索はそれもだいご味だからなぁ。」


 「母様もやっていたのかしら?」

 「何を?」


 「魔石取り。」

 「最初はやったと思うよ。冒険者なら誰でも通る道らしいから。僕らにはフレイヤさんという厳しい教官が付いていたんで、嫌だと言っても無理やりやらされたけどね。」


 俺は当時を思い出し、苦笑いを浮かべた。

 「ただ、母さんのことだから。」


 ふと、アリアンナ母さんの顔が浮かんだ。

 「母様のことだから?」


 「父さんとパーティー組んだ後は、お任せだっただろうなぁって。」

 「そうね、それは間違いないわ。父様、母様には優しいもの。」


 俺たちはハハハと笑い合った。

 すると、ロッティーが上体を起こす。


 「大丈夫?」

 「うん、ありがとう。もう大丈夫。」


 そう言って、一回ロッティーは顔を伏せた。

 そして、


 「私もやらなきゃ。冒険者になるのならね。」

 そう言って、歯を見せロッティーは笑った。


 うん、流石ロッティー、メンタルのコントロールもお手のものだね。

 俺はこうはいかんなぁ。


 そんな俺たちを見て、他の三人が近づいてきた。

 「シャーロット様、大丈夫ですか?」


 アンネが心配げにロッティーへ声を掛ける。

 「ええ、もう大丈夫よ。枕ありがとう、アンネちゃん。」


 そう言ってロッティーの顔を覗き込んだ、アンネの頬をロッティーは撫でた。

 そして、立ち上がり皆の顔を見回してから、


 「皆さん、ごめんなさい。年長者が不甲斐ない姿をさらしてしまいました。情けないですね。」

 ロッティーはそう言ってペコリとお辞儀をした。


 「そんなことありません、シャーロット教授。怖かったですもん、仕方ないと思います!」

 なぜか胸を張ってマヤがロッティーに言った。


 「ありがとう、マヤちゃん。可愛いわね。」

 ロッティーはそう言うと、マヤの頭を撫でる。


 マヤはくすぐったそうに首をすくめた。

 「でも私頑張るわ。魔石を取り出すわよ。」






 ロッティーはそう高らかに宣言するのだった。

 







読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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