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【200万PV件達成!】新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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553.アベル君とスキルと魔法。

553.アベル君とスキルと魔法。




 手をガッチリ組むって言ってもさ、まさに手の大きさが子供と大人くらいの差があるわけ。

 わかる?


 しかもさ、腕の長さが違うから、俺には肘にかさ増しの台が必要になった。

 それを見て、パオロは更にニヤける。


 「おいおい、お前が腕相撲って言ったんだからな。負けても泣くなよ。」

 パオロはその圧倒的なフィジカルを背景に、俺を蔑み、子ども扱いしてくる。


 「ふん、言ってろ。フランカ、おいで。」

 俺はフランカを近くまで来るように呼んだ。


 「アベル様、何ですか?変な事はしませんよ。」

 もう止められないと諦めたか、フランカは俺とパオロの横まで来てブツブツ言っている。


 「変な事なんて頼まないよ。ジャッジだ。フランカがジャッジなら、パオロも文句は無いだろ?」

 「ん?あ、ああ、そうだな。フランカなら問題ない。」


 そう言うと、パオロの手にさらに力がこもった。

 痛いっての。


 この馬鹿力め。

 握力六十キロは優に過ぎているんだろうな。


 「おい、ニック!こっちに来てよ。」

 俺はニックも呼んだ。


 「アベル様、何ですか?」

 落ち着いた調子でニックが聞いてくる。


 「フランカの逆でジャッジやってよ。両方で見てりゃ、このデカブツも文句が言えまい。」

 「なんだと!?コラッ!」


 パオロが目を剥き威嚇する。

 しかし俺はどこ吹く風の表情で、


 「じゃ、ニック頼むよ。」

 とだけ言い、ニックは、


 「いいんですか?はい、了解です。」

 一回俺たちの顔を確認してから、仕方ないという表情をし、ニックは俺の後ろをとおりフランカの逆の位置で止まった。


 「じゃ、始めようか。フランカ合図して。パオロ、いいな?」

 「おう!いつでも来い!!」


 「もう!知りませんからね!はじめ!!」

 その瞬間!


 「フンッ!」

 パオロが一気に俺を倒しにかかる。


 俺のか細い腕が、フランカが見ている方向へ一気に倒れ、そして、

 俺の手が、樽の底に当たる瞬間、それは止まった。


 「「「わー!」」」

 周りで見ていたみんなの声が上がった。


 「勝者…」

 フランカが言いかけたので、


 「フランカ良く見ろ、止まってんだろ。」

 「あ!ホントだ!続けて下さい!!」


 と、フランカが慌てて言った。

 それを聞いてパオロは、


 「クッ!!」

 さらに力を込めるが、動かない。


 野郎!体重まで掛けようとしている。

 しかし、俺の腕は止まったまま動かない。


 今度は俺の番ね。

 俺はジワリと力を込める。


 パオロの目が大きく広がる。

 少し浮いたからだ。


 俺は体内の魔素を活性化させる。

 と言うと語弊があるかな。


 まあ、マッスルブーストを発動しようと考えると、それだけで魔素がグリコーゲンに働きかける。

 すると、単純に筋力が増す。


 脳筋の大男に負けないくらいの強さでね。

 トレーサが言うには、グリコーゲンが純粋に筋力に作用する。


 ガソリンエンジンで言うならば、空気とガソリンの混合気がスパークプラグによって爆発する。

 すると、爆発によって生じた力が、ピストンを押してクランクを回し、クランクシャフトは回転力を得る。


 その回転力が馬力とトルクとして目に見える数字となりカタログスペックになる。

 おなじみだ。


 しかしエンジンの爆発力にはあと二つ、無駄なエネルギーがある。

 熱と摩擦だ。


 その無駄な二つが無ければ、エンジンの馬力は二から四倍になると言われる。

 翻って筋肉ならどうか。


 筋肉は純然たる運動エネルギーを司る細胞だが、運動するには無駄もある。

 震えと乳酸と熱だ。


 あ、震えは運動するのには無駄って意味ね。

 震えを起こせなければ、体温調節が出来なくなって、死んでまうがな。


 グリコーゲンというエネルギーの効率が、やたらと良くなり、熱と乳酸の発生を抑える。

 筋肉を強化するのではなく、筋肉本来の力を得ると言った方が近いのかも知れない。

 

 それは速筋、遅筋ともに効き、強く、長く、疲れ知らずになる。

 まさにチートなんだよね。


 ただ、魔法を使用するときみたいに、筋肉の強化を想像し昇華を願うと、筋肉が無茶なパンプアップを始める。

 バン!!て、音がするんじゃないかってくらいに筋肉が膨らむんだ。


 効率化するだけなら、そうはならんだろ?って、トレーサに聞いたことがある。

 結局、それは魔法と同じで、事象を想像してしまった結果ではないかとのことだった。


 大きな力が欲しい。

 そう願ってしまったら、筋肉が肥大した。


 酷い話だ。

 十年前の五歳の頃、馬車に爆弾を付けられて、投げる時にこの症状が出た。


 あの頃は、理屈も何もわからなかったから、単純に爆弾を遠くに投げられる大きな力が欲しかっただけなんだよね。

 そしたら、凄く膨らんで、それが済んだら、筋が切れて腕自体が動かなくなるわ、筋繊維が切れまくって筋肉痛が治まんないわで、大変だったんだ。


 五歳の筋肉量で、抑え込めるスキルではなかったという結論が出た。

 だから、俺は十歳で冒険者になるまで、マッスルブーストはほぼ封印していたんだ。


 使う練習はしていたけどね。

 トレーサが治療してくれなかったら、今頃俺の腕は動かなかったかもしれない。


 で、色々考えたり、当時リーサだったトレーサと話をしたりでわかったのは、事象が昇華で具現化がここの魔法の成り立ちだから、パンプアップはスキルじゃなくて、急激に筋肉を肥大化させ、筋力を増幅する魔法だということ。

 マッスルブーストはまるで別物だったんだ。


 ほかの魔法使いは使わないのかって?

 マッスルブーストは、魔素タンク化されていないと使えない。


 普通の魔法使いは、魔素溜まりにしか魔素を貯められないからね。

 だから、体中に魔素を貯められる魔素タンク化されているヒューマン、俺とアンネしか使えない。


 アンネは多分知らないと思うけど。

 パンプアップの方は、俺以外はできない。


 なぜなら、筋肉は知っているけど、筋繊維の肥大化なんて俺くらいしか知らないからだ。





 

 何?説明が長い?オタクの説明の長さに文句言うのは野暮ってこった。


読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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