534.アベル君と黒い三連星。
534.アベル君と黒い三連星。
黒い馬車が三台連なってくる姿は!
あれが黒い三連星!
などと馬鹿なことを考えていた。
しかし、二台の馬車は誰が乗っているかだいたいわかるんだが、王家の馬車に誰が乗っているのかが分からん。
いや、一人心当たりはあるんだが、あの娘は騎士って感じじゃないから、魔法大学校だろう?
なあ、そう言ってくれよ。
馬車が停車し、勢いよく馬車のドアが開いた。
そこから、見覚えのある人物が飛び降りる。
「旦那様!!!」
アイエエエ!?オリビィ!?オリビィナンデ!?
実際コワイ!
俺は恐怖の余り容易に失禁し、嘔吐した。
いや、してない。
しかし、それぐらいの衝撃があったのは確かだ。
「おい、何で教えてくれなかった?」
俺は俺の隣に座っている優男に聞いた。
「楽しみは知らない方がいいだろう?貴様がいつもしているような事ではないか。」
「ああ、そうですか、優しい義兄様。」
「ああ、そうであろう。不遜な義弟殿。」
オスカーはそう言って右の口角を上げた。
お前、いい男なんだから、その笑いは止めた方がいいぞ。
クソ厭らしく見える。
「旦那様、お兄様。おはようございます。」
ハアハアと肩で息をしながら、オリビィが挨拶をしてきた。
挨拶は大事だ。
古事記にも、いやいや、ヤメヤメ。
「おはよう、オリビィ。騎士学校に入学するのかい?聞いていなかったからビックリしたけど。」
「旦那様がビックリするかと思って。」
などと古のネットミームのようなことを言うオリビィ。
「十分驚いたよ。王太子殿下も全然教えてくれなかったし。」
「ふん。」
俺の言葉を聞いたオスカーは、鼻息と共にソッポを向いた。
「ええ、お兄様、黙っていてくださってありがとうございました。」
「なに、可愛い妹の言うことくらいは聞いてやるさ。」
そう言ってオリビィには優しい笑顔を向けたオスカー。
いい兄妹なんだけどな。
俺にかかわりが無きゃ。
「では、王女殿下。向こう側の新入生たちと待機してください。」
俺は対面で盛大にざわついている新入生たちを指さしてオリビィに言った。
「え?ここで旦那様とお兄様と一緒に居てはだめですの?」
そう不思議そうに言うオリビィ。
「駄目だ。こちらは先生方と、我々騎士学団幹部会のみの場所だからな。」
そうオスカーが言い、
「というより、新入生の入学式をオリビィは受けなければならないのですから、向こう側で待機は必須です。入学できませんよ?」
更に俺がそう言うと、俺たちの上に大きい影が差した。
「そうです、王女殿下。向こうで待機をお願いします。」
そう言ったのは、軍務大臣でここの校長のグスタフさんだった。
「あら、グスタフ閣下。ごきげんよう。そうですか。では仕方ありませんね。」
そう言って新一年生がたむろっているところへオリビィは向かった。
ザッ!!
そんな音が聞こえたかと思ったら、新一年生が一斉に割れた。
オリビィに近寄りがたいんだろう。
絡もうとするはねっかえりもさすがに居ないらしい。
一人ぽつんとたたずんでいるオリビィは、若干所在なさげにモジモジしていた。
そこに一人の女子生徒が近づいてきた。
黒髪を緩くおさげにし、アンダーリムの眼鏡をかけている。
メガネの奥には、優しそうな大きな垂れ目の瞳があった。
美少女と言っても良い。
いや、美少女だね。
メガネだけでもこの世界じゃ珍しいのに、アンダーリムとか。
どこのオタサーの姫なのかと。
どうやら、もう一台の馬車の主だったらしい。
樹木の紋章の馬車の方か。
どうして分かったか、カトラスの方のドアからもう一人の美少女が降りてきたからだよ。
こちらも黒髪。
その艶やかな黒髪ロングが風でたなびく。
絵になる女の子だなぁ。
烏の濡れ羽色っていうの?
素晴らしいね。
顔は目付きがキツめのクール系の美少女だ。
その娘が先ほどの娘のオリビィを挟んで逆側に立った。
しかし、こんなに美少女っているもんなんだな。
まあ、俺の周りはそんなんばっかだけど。
姉と妾を含めてね。
さて、ご紹介しましょうか。
樹木の紋章の方。
メガネの彼女ね。
パーム公国公女、ルシア。
カトラスの方は、ルヴァン王国王女、ミカ。
このお二人は、我が義兄の正室候補。
見合いがわりに、この学校に留学してきたってわけさ。
面白そうでしょ。
読んでいただき、有難うございます。
本作は長編となっています。
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作者がんばれ!
面白いよ!
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