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【200万PV件達成!】新生児から始まる異世界ライフ~愛情いっぱいに育てられた俺は剣も魔法も極めます~  作者: 天斑 蒼
第五章 アベル君と騎士学校。

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518.アベル君と神との踊り。

518.アベル君と神との踊り。




 俺は通りかかったウェイターに水で薄めた果実酒を頼む。

 飲んでなきゃやってらんないし、飲んでいたらあと数人ダンスでさばけない。


 あとは、カミラ、アンネ、オリビィ。

 そして、まだ俺とは踊っていない大事な人間が居るんだ。


 今は能面だが。

 「アベル!あと何人と踊るつもり?」


 そう聞いて来たのはルミナさんだ。

 あ、一人追加か?


 「あら、私も踊りたいわ。」

 また、あらぬ方向から声を掛けられた。


 王妃だった。

 「ルミナさん踊るんですか?」


 俺はとりあえず順番に聞く。

 「もちろんよ。将来の番がどの程度か見なきゃね。」


 番って。

 エルフは鳥と同じように、一羽、二羽と数えなきゃならんのだろうか?


 「王妃陛下も私と踊るのでしょうか?」

 「そうね、将来の娘婿がどの程度か見なければならないわ。」


 「承知いたしました。ただし、私、アベル・ヴァレンタイン。完全予約制でして、順番が決まっておりますがよろしいでしょうか?」

 「「ププ!」」


 王妃とルミナさん、二人とも吹き出した。

 最近はププと吹き出すのが、貴婦人たちの間で流行っているのか?


 婆ちゃんもそうだったし。

 「相変わらず面白いわね、アベル。娘さん達との約束を反故にさせないための方便として、百点をあげるわ。」


 と、ルミナさん。

 「そうね、分かりました。私も予約を入れて、あとに控えましょう。」


 王妃もわかってくれたようだ。

 そして俺はカミラがいる方へ向かった。


 そして跪き、今までと同じように右手を差し出した。

 それを見ていたカレッド伯爵が


 「アベル君!ここで求婚など許さんぞ!」

 と、喚きだした。


 ハッ!?なんぞ?

 きゅうこん?


 とは、丸い植物の根っこ?

 一瞬俺の脳は幼児退行したようにフリーズする。


 「嫌だ!お父様ったら飛躍しすぎ。アベル様はダンスのお誘いに来ただけでしょう?」

 カミラが父親に向かって叱りだした。


 「あ!?そうか、そうだな。王女殿下が旦那様だのなんだの御騒ぎになるから、ついつい私はカミラがそのポジションに!?などと考えてしまった。すまん、アベル君。でも、ダンスか。無用な密着などは許さんぞ!」

 いまだ過保護な親状態から脱せないカレッド伯爵が、過剰な注意を俺に発した。

 

 「承知しました。カレッド伯爵。可能な限り距離を取り、ダンスをいたします。」

 俺はカレッド伯爵に言った。


 しかし、それを聞いていたカミラが、

 「嫌よ!くっつくの!!」


 そう言って腕を組もうとしていた自分の手を、俺の肩に乗せしなだれかかる。

 周りの大人たちは「おお、やりおる」などと感嘆の声を発しながら笑っていた。


 約一名を除いて。

 「カミラ!」


 カレッド伯爵が叱る。

 しかし相手をしているといつになるかわからないので、


 「では、カミラ嬢をお借りします。カレッド伯爵。」

 俺はしなだれかかるカミラをそのままに、踵を返しフロアの中央へ向かった。


 もちろん肩に手を置いただけのカミラは、俺に置いて行かれるわけだが。

 「もう!アベル!待ってってば!」


 そういいながら、ドレスのスカートを持ち上げ俺を追いかける。

 俺もカミラも大して気にしていないが、カレッド伯爵は今、地獄の苦しみを味わっていることだろう。


 俺は以前の二人と同じように、カミラが俺の手を取るまで待って、腰を引き付けた。

 「いいの?叱られるわよ?」


 カミラがニヘラと笑いながら言った。

 「踊れないよりましだろ?」


 「それもそうね。踊るのは初めてねアベル。リーサの時は踊れなかったから。」

 「リーサが居なくなった言い訳にアンネと二人で苦労したよ。」


 「ごめんね、突発だったから。すぐ受肉しなきゃ、この娘の肉体が完全に停止しちゃうところだったの。」

 「遺体になっても、大丈夫だろ?」


 「そりゃ大丈夫だけど、すでに走っている自転車を再度漕ぎ出すのと、完全に止まっている自転車を漕ぎ出すのはどちらに力がいるかわかるでしょ。」

 「なるほど、惰性でも多少生きていた方が受肉しやすいってことね。」

 

 「そうそう、そうなのよ。」

 「まあ、いいさ。済んだことだし、だいぶ時間もたった。母さんは寂しがるかもしれないが、それも仕方がない事だよ。いずれ何事にも別れが来るんだから。」

 「そうね、アリアンナはリーサを可愛がっていたもの。次は、カミラを可愛がってもらわなきゃ。」


 「カレッド伯爵は反対のようだが?」

 「そうなのよね。けど私の立場でも、どこか有力貴族の側室が適当な落ち着き場所でしょ?ヴァレンタインが気に入らないってわけじゃなく、あんたが心配なんでしょうね。」


 「俺が親の立場なら、今の俺には嫁ぎ先からは排除するかも。後ろ盾としては最高なんだが、最高すぎんだよな。」

 「そうよね、強過ぎんのよね。ヴァレンタイン家とあんた。」

 「これもまた、」

 

 「「仕方ないね。」」






 二人の声が合わさり、二人とも吹き出すのだった。




読んでいただき、有難うございます。

本作は長編となっています。

続きを間違いなく読みたい場合はブックマークを。

作者がんばれ!

面白いよ!

と、思っていただけたなら、それに見合うだけの☆を付けて頂けると幸いです。


それでは、また続きでお会いしましょう。


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