457.アベル君とまとめサイト。
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食堂内にカミラの声が響き、次に口を開いたのはロッティーだった。
「カミラさん、食事中は落ち着きなさい。それこそお父様の恥になりかねませんよ。アベルも戸惑うでしょう。」
いや、全然。
トレーサなんて昔からこんなものだったからな。
「失礼いたしました、皆様。取り乱してしまいました。アベル様、この借りは返していただきますよ。」
カミラはそう言うと、お淑やかに食事を再開する。
俺は借りという言葉をあえて無視した。
だって何ら貸し借りした覚えはないしね。
「そうだ!爺ちゃんが帰る前に陛下が一席設けたいそうなんだけど。」
そういや送別会のことをすっかり忘れていた。
サプライズの筈だったけど、もういいや。
王まで噛んで王城内で開催となれば、サプライズすること自体が無理だし。
「陛下がか。むぅ、そのような会は必要ないのだがな。」
まあ、そう言うわな。
飲むこと自体は嫌いじゃないし、知り合いとも楽し気に飲んでいるからね。
ただ事が大きくなりすぎるのが嫌なんだろうな。
隠居の身だし。
「じゃ、無理に開催しないで頂くよう、僕から言おうか?本人が嫌がることをするものでもないしね。」
俺がそう言うと、
「流石に陛下の申し出を無碍には出来まい。アベルなら引っ込めさせてしまうこともできるやもしれぬがな。では儂の空いた日にちをアベルに伝えればよいのか?」
「うん、そうすればオスカーの執事さん経由で伝えてもらうから。」
「ならば分かった。あとでアベルに伝えよう。」
爺ちゃんは満足そうにうなずいて、持っていたグラスを傾ける。
これで王城での大宴会か。
おっと、余計なフラグは立てんよ。
「アベル、王太子殿下の執事と仲が良いの?」
ロッティーが驚いたように聞いて来た。
「最近ちょっとしたお仕事を陛下から申し付かってね。執事さんのジェームズさんと、近衛騎士のアンディさんと三人で一仕事してるんだ。内容は言えないんだけどね。」
「へー、秘密なお仕事なのね。」
「まあねぇ。」
「ふむ、そのアンディとか言う騎士のことは知らんな。」
爺ちゃんが聞いてきた。
「まだ二十代前半ぽい騎士の方だから、爺ちゃんは知らないかも知れないね。」
「ふむ、若い騎士か。なるほどな。」
近衛の元騎士団長としては、後輩たちのことも気になるのかも知れない。
俺と仕事をしていると言えばなおのことだ。
「そう言えばアベル。」
「何?爺ちゃん。」
「アベルは前からカミラ嬢を避けているように見えるが、それはなぜだ?」
えっ!?何言ってんの?一体!
「アンネの親友として、しょっちゅう彼女はこの家に来ているのでな、人となりはそれなりに知ったつもりだ。確かにカレッド伯爵は煙たかろうが、そこまで無視する必要も無いように思うのだ。どうしてだ?」
「エドワード様!ナイス!!」
カミラがそう言いながら、爺ちゃんにサムズアップをした。
そして爺ちゃんもサムズアップを返す。
打ち合わせ済み!?
いや、違うだろう。
爺ちゃんの興味本位が、カミラの欲望に刺さったのだろう。
その欲望が俺には必要ない物なんだがな。
「それにほれ、そこにもう一人アベルに懸想しておる者がいる。」
爺ちゃんはそう言って顎をしゃくり、グラスをまた持ち上げた。
そこ、と顎で指されたのは、言わずもがなのアンネである。
顎の先に目を向ければ、アンネは赤面しカトラリーを握りしめたまま俯いてしまった。
「爺ちゃん、僕にどうしろと?」
「さっさと子をなせ。」
「はぁ!?」
おい、こいつ言いやがった!
〇chの家庭板案件だぞ!
側室候補、妾を集められて、祖父に早く子をなせと言われました。
酷くありませんか!?
こんなんカキコしたら纏められちゃうよ!
デカい釣り針だなぁって俺だったらレスするレベル。
しかし、ここは異世界で貴族の世界。
正しいのは爺ちゃんという判断になるのは、貴族であれば誰も否定は出来ないのだった。
読んでいただき、有難うございます。
本作は長編となっています。
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作者がんばれ!
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