452.アベル君と同担拒否。
452.アベル君と同担拒否。
「「アベル!!これはどういうことだ!!」よ!!」
テオとジーナが二人で俺に詰め寄った。
ん~、どうしよっかなぁ。
どこまで話せば逃げられる?
とりあえず表面だけ。
「書いてあるとおりだね。」
俺は真摯に彼らに答えてやった。
「「だから、どこからこんな話になったんだって聞いてんだ!」の!」
「王族に関することを聞きたいわけね。」
俺がそう言うと、一気に二人はトーンダウンした。
「い、いやそういうわけではないんだ。やはり、オリビア王女殿下はお前に懸想をしていたんだな。」
テオはそう言って寂しそうな目で空を見上げた。
オリビィはテオの推しだったからねぇ。
「でもこれって、アベルが王配になったって事よね?」
下がったテンションを幾分上げてジーナが俺に聞いてくる。
「まあ、王配候補ですね。でも王女殿下はヴァレンタイン家に嫁ぎますし、たぶん僕はその地位にはならないでしょう。似合わないし、ねえ。たぶん。おそらく。きっと。うん、ならないでほしい。」
「まあ、そうよね。王太子殿下に何かあるわけないもの。…あ!…」
ジーナは発言してから、何か思う所が有ったのか、口をつぐんだ。
ん?なんだろうね。
「何か王太子殿下に問題でもあるんですか?」
「ううん、何にもないよ。あったら大変じゃないの。」
「そりゃそうですけどね。不穏なことは無いに越した方が良いですよね。」
この会話においては、不穏なしこりは生まれたけどね。
また南が絡んでいるのかな?
「アベル、王族の方々に触らぬ程度でいいから、事のあらましを聞いていいかな?」
まだ納得いかないであろう、テオが俺に聞いてきた。
でも王族の王女殿下との婚約において、王族に触らぬ程度であらましを言えとは?
「話せる程度の所から話しますね。」
仕方ないからテオにはちょっと話しておこう。
ジーナもいるけど。
「僕と王女殿下は僕が五歳、王女殿下が四歳の頃に会っています。」
俺がそう言うと、テオは一回小さく頷く。
「その時に話をしたり魔法を見せたりしたんですが、ちょっと気に入って頂いたらしいですね。」
俺のその言葉にテオの眉毛が跳ね上がり、すぐに戻った。
まだキレるようなことを言ってないからね。
「それから十年が経ち、僕はセイナリアに来ました。その時、セントクレア邸にお呼ばれして向かったんですが、その場にお忍びの方々もセントクレアの家にいらっしゃいました。」
テオだけではなく、ジーナも興味深そうに聞いている。
「それは誰あろう、王妃陛下と王女殿下でした。その目的はすぐに明らかになりました。その時すでに僕は内縁でローズを娶っていました。それを気にした陛下と殿下が僕との婚姻を打診しにいらしたのです。」
「そ、そしてアベルはその打診をどうしたのだ?」
テオが固い口調で俺に聞く。
「その時点では僕はお断りいたしました。現状色々ありますので。」
俺はそう言うと、チラリとジーナを見た。
その視線に気が付いたジーナは、少し驚き、すぐにすっと視線を外した。
ジーナは分かっている。
俺とオリビィの結婚は、パワーバランスが崩れることを。
「その時は一応、王族の方々から父の承認を経て、僕に対して父が後押しをするならばとお断りを入れたんですけどね。」
「では、ローランド卿は今回絡んでいないと?」
やはりテオは頭が良い。
「ええ、搦め手でやられました。こんなに早く布告を出すとも聞いていませんでしたし。逃げるとでも思ってらっしゃるのかな?信用がないなぁ、僕。」
「搦め手とは?」
テオがさらに突っ込む。
「これはちょっと言えません。王族の方々のプライバシー的な部分にも抵触致しますし。申し訳ありません。」
オリビィが書いたBLの所為とは言えんからな。
「テオ先輩、こんな所でよろしいですか?」
「うん、そうだね。アベルも言えないことが多々あるだろう。でもここまで話してくれた。私のことを思ってのことだと思う。それについては感謝する。そ、それで…」
「ええ、それで?」
「あ、アベルは、オリビア王女殿下と同じしんじょ…」
「テオ先輩!それ以上はいけません。」
「あら、アベル、まだなの?」
あああ、このビッチ!
「ええ、ジーナ先輩。王女殿下は清らかなままです。」
しかしこの言葉が悪かった。
「畜生!!!可憐な王女殿下が!!!アベルに!アベルなんかに!!!」
テオの心の底からの同担拒否宣言が、校庭に響いたのだった。
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本作は長編となっています。
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