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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第三章 体育祭&杏理編

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第77話 みんなでご飯を食べようか




 午前授業の終了を告げる鐘が鳴り、昼休みの時間がやってくる。

 突如震えたスマホを見ると景ちゃんから、


【今日は私と一緒に昼ご飯食べましょうよ先輩】


 昼飯の誘いが来た。確かに、最近は他の奴に構い過ぎて委員のことも全然出来ていないから丁度良いな。


【そうだよな図書委員の話もしたいしな】

【そんなのどうでもいいので可愛い後輩にも構ってくださいよ!】


 どうでもいいってお前な……、でもまあとりあえず昼の予定が出来たのでいつもの図書準備室に向かう為に席を立つ。

 すると後ろから何者かに制服の袖を摘まれた。もちろん俺の後ろにいてそんなことをするのは一人しかいない。


「どうしたんだ杏理?」


 振り向き質問をしてみたが、杏理は何故か機嫌があまり良くないのか、ただでさえキツめの吊り目がより釣り上がっていて怖い印象を覚えた。


「雨上アンタどこ行くのよ」

「え、昼飯食べに行くけど?」

「食べに行くって、購買とか学食に行く感じなの?」

「いや景ちゃんに誘われたから図書準備室行ってくる」

「お昼食べに?」

「お昼食べに」

「……ふーん」


 なんだろうこの歯切れの悪い態度は、急に俯くと杏理は黙ってしまった。

 これはもう行って良いのだろうか? 昼休みは有限だ、いつまでもこうしていたら昼飯を逃してしまう。


 じゃあ俺行くから、と杏理に伝える為に声を掛けるため俯いている顔を覗くと、


「え」

「ぐすっ……」


 杏理は何故か泣いていた。

 僅かに思考が停まってしまったが、すぐに疑問を投げかけてみる。


「あ、杏理どうして泣いてるんだよ?」

「……別になんでもないわよ」

「いやなんでもないは嘘だろ」

「……うっさい死ね」


 いや辛辣……そんな表情は怒っているのに泣いていたら迫力も感じられないぞ?

 良いから言ってみろって、言わないと分からないだろ?


 そう言うと、


「……私も」

「ん? どうした?」


 小さな声で話す杏理に耳を近づけてみる。


「……私もお弁当作ってきたのに」

「え」

「……」

「俺に?」

「他に誰がいんのよ」

「いやほら心とか?」

「まだ心に出せる程上達してないわよ」

「お、おうそうか……」


 マジか、てっきり家に行った時に振る舞ってくれた料理がなかなかの物だったから、もう俺のお弁当を食べる役目は終わったと思っていたわ。


「……」

「ご、ごめんな? そうとは知らず」

「……」


 しょぼくれてしまった杏理にかける言葉が見つからずにいると、


「ねえ透ー! お昼一緒に食べよー!」

「あ、良かった。とー君まだいた」


 心と真白が俺の方に笑顔でやって来た。どうやら昼飯の誘いのようだ。

 

「ああ……心か実は……」

「杏理ちゃんどうしたの?」


 丁度よく来てくれた二人に現在の状況を伝えようとしたが、心がすぐに異変に気付いたらしい。


「ぐす……」

「杏理ちゃん泣いてない?」

「え、杏理どうしたの大丈夫?」

「べ、別に……泣いてないわよ……」

「いや無理あるよ杏理」


 二人が杏理を心配してくれている。でもなんだろう……嫌な予感が……、


「ねぇ透?」

「は、はい!」


 いつもの可愛らしいトーンとは違い、物凄く圧が感じる声の心は俺をジッと睨みつけている。


「何したの?」

「え!? 俺がなにかした系なの!?」

「杏理? とー君に何されたの?」


 眼光だけで人を殺せそうな心はコチラを睨み、杏理の背を撫でながら真白が何やら心外なことを聞いていた。

 あれだ、これは女子特有の友達が泣いてると普段そんな仲良くもないのに団結して男子のメンタルをズタボロにしてくるやつだ。

 

 俺悪くなくね? と思ったがこれに関しては罪悪感が既に少しある。


「あーえーと……実は昼飯を景ちゃんと食べる約束したんだよ。それで____」

「透が悪い」

「なんで!?」

「とー君最低」

「どうして!?」

「雨上の馬鹿……」


 えぇ……どゆこと……、もうしょうがないこうなったら最終手段だ。

 スマホを開いて景ちゃんにメッセージを送ることにした。


【景ちゃんちょっとお願いがあるんだけど……】







 青い空、白い雲、程よく気持ちの良い太陽に照らされ、とても清々しい昼の陽気。


「先輩! 屋上でお昼食べるなんて久々ですね!」

「そうだな景ちゃん」


 現在俺がいるのは少し前に乱華に告白された学校の屋上である。

 この学校は本来昼限定で屋上が開放されていて、俺が乱華からの告白を受けた時はバッチリ校則違反だったわけなのだ。

 正直危なくないのか、と少し思うかもしれないが登れないように高い金網が付けられ、コンクリートで剥き出しではなく、芝生と花壇があってちゃんと整備された場所なのである。


「えへへ♡ 今日は久しぶりに一緒にお昼食べるから先輩の好きな物いっぱい作ったんですよ♡」

「お、それは嬉しいなありがと景ちゃん」

「いえいえ♡」


 景ちゃんが喜んでくれて良かった。

 あれでも待って? 景ちゃんさっき一緒に昼食べる約束しなかったか?

 

 え、了承したから良かったけど景ちゃん俺が断ってたらそのお弁当どうしてたんだよ。


「断ったら許さなかったです」

「……どう許さないの?」

「聞きたいですか?」


 聞きたくないです。その拳を下ろしてください。


「冗談ですよ♡ 私が先輩に酷いことするわけないですよ」


 なら良かった……まあでも景ちゃんはいつも俺に優しい? から信頼してるよ。

 安心してると景ちゃんが笑顔を崩さぬまま俺に近寄って口を開いた。


「でも先輩一つ不満を言っても良いですか?」

「どうした?」


 そして景ちゃんはニコニコしたまま屋上に入ってきた扉を親指で指差し言い放ったのだ。


「なんでアイツらがいるんですか」


 先に入った俺達の後ろから続々と入って来る人達、もちろんみんな知っている人物である。

 心に真白、杏理や姫、天と乱華、そのいつものメンバーに加えて銀ちゃんが屋上へとやって来た。


「なんでってほら……大勢と食べた方がお昼も楽しいだろ?」

「あーはい分かりました」


 分かってくれたか景ちゃん! 俺の苦労を!!


「とりあえず先輩一発顔面殴らせてもらえませんか? もちろん全力で」

「ちょっと待て景ちゃん落ち着いて!?」


 殴られるのは嫌だけど、そもそも景ちゃんの力で殴られたら顔吹き飛ぶだろ。洒落にならないから。


「もうここで終わっても良い……だから……ありったけを……」


 お前それどこのゴ○さんだよ!! てか殴る準備しないでもろて!?



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