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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第71話 乱華とのデート! ワンッ! デート後編①




「じゃあそろそろ帰るか透」

「ん? あーもう良い時間か気付かなかった。そうだな」


 昼飯を終えて乱華と色々な話をして盛り上がっているといつの間にか辺りは暗くなり陽が落ち始めていた。ただでさえ出る時間が遅かったからかあっという間の時間で、それだけ乱華との話が楽しかったのだと実感させられる。


「乱華家まで送るぞ」

「当たりめぇだろ彼女を家に送るまでがデートだろうが」


 さいですか、


「まぁでもよ」

「ん?」

「……ありがとうな?」

「え、お、おう」


 なんか素直にお礼を言われると急に恥ずかしくなるな。やめてくれよいつもの感じでいてくれ。

 てかツンデレは杏理の属性だからな? そこを履き違えちゃいけないだろう。


「透テメェなんか私に失礼なこと考えなかったか?」

「ツンデレは杏理の属性だろ、って思いました」

「私の前で他の女の話とはいい度胸だ、それが最後の言葉で良いんだな?」

「まさかの即死刑!? 容赦なさ過ぎだろ!!」


 もう嘘つけないとこに触れるのはやめよう。ただ乱華がやけに他の人に敏感過ぎる。

 お? メンヘラか? メンヘラは心だけで十分だぞ?

 そういえば電源切ってる俺のスマホは今どうなっているのだろう。きっと心から鬼のように電話とメッセージが来てるんだろうな。


 どのみち殺されるかもな俺。


「乱華……俺が死んだら俺のパソコンのデータを完全消去してくれ。一生の頼みだ」

「分かった。透が死ぬ前に私が見るわ」


 鬼かな?


「ほら一々うっせぇぞ。さっさと帰……」

「ん? 乱華?」


 嬉しそうに笑っていた乱華が突然止まり、しばらくしてから俺の耳元で喋り始めた。


「おい透、気付いてるか?」

「え、なにが?」

「私達から遠い目の前の木に誰か立ってるの分かるか?」

「え?」


 言われた通りその方向を見てみると、確かに木の影に誰かいる。乱華の言った通りならコチラを伺っているのだろう。


「本当にストーカーなのか? 見間違いとか」

「いいやありえねぇよ。あのシルエット間違えねぇ」

「シルエット?」

「あぁ、忘れもしねぇよ。あの樽みたいにデカい身体だけは」

「デカい身体?」

「デブってこったよ」


 ちょ、言い方言い方、言い方がよろしくないですわよ!?


「そんなんどうでも良いんだよ……そんなことより許せるか?」


 え、何がよ?


「この私がストーカーごときを気にして過ごさないといけないのが腹立たしいんだよ……」

「そ、そっすか」

「いっそのことここで爆破してやろうか……」

「お、落ち着け乱華落ち着け?」


 さっき自分でこの公園の雰囲気が好きって言ってなかった? この公園を事件現場にするきか??……あれちょっと待って?


「なあ乱華」

「んだよ」

「そのストーカーさん近付いて来てね?」

「はぁ!?」


 驚きのあまり声を張り上げた乱華はグリンと俺の方に向けていた首を動かし、ストーカーを視界に映した。


「マジだアイツコッチ来てんじゃねぇか!!」

「どうすんだ? 警察呼ぶか?」

「ぶっ殺す!!!」

「ちょ! 待て待て待て待て待て!!」


 乱華を羽交締めして動きを止める。


「なにすんだよ透! 離せよ阿呆!!」

「落ち着けマジで落ち着け! 俺の周りにいる女子達は戦闘民族なのか!? 俺達は人間なんだよ! まずは話し合おうとか思わないのか!」

「思わねぇよ!! んじゃ透! お前をあのストーカーにぶつけて起爆してやろうかぁ!? あぁ!?」


 俺という犠牲は可哀想だと思わないのか!?


「コラテラルダメージだ!! 目的の為の少ない犠牲だ!!」

「理不尽過ぎる!!」


 このやろ! さっきまでの可愛らしい感じは何処に行ったんだよ!! 見た目はむっちゃ可愛いのにこの乱華様は全く!!

 って、そんなことをしてるうちにストーカーがドンドン近付いてき____


「あれ?」

「んだよ透どうした!」

「え、いや、あれ? なんだろ? あのストーカーに見覚えがあるかも……」

「あ!? 何言ってんだテメェ」


 いやだって……え、だって、

 乱華と言い合っているうちにストーカーが近くまで寄って来て、そいつが第一声を発した。




「おぉやはり透殿! こんなところで何をしておられるのですかな!」

「銀ちゃん!?」


 そこには今日通話をした俺の友達、銀ちゃんこと”杉田銀十郎すぎた ぎんじゅうろう”がいた。


「なんでここにいるんだ!?」



「で、どう言うことだよ透説明しろ」


 レジャーシートに座って俺達二人を睨みつける乱華、ちなみに俺達はというと地面に正座していた。地面冷たいなぁ……


「えーとあのですね乱華様……コイツは銀ちゃんって言って俺の友達なんです」

「どうも杉田銀十郎ですぞ、よろしくですぞ」


 太ってはいるが身長あり、ガタイの良い銀ちゃんの特徴はなんといってもそのイケボ、そして顔のパーツが中心に寄っていて、痩せれば間違いなくイケメンな銀ちゃん。

 そんな将来性を秘めた俺の友達とまさかこうして会えるとは……嬉しいな。


「銀ちゃんなんでここにいるんだ? 遠くに引っ越したはずだろ?」

「おーそれがですな透殿、拙者また親の都合で戻って来たんですぞ」

「マジか銀ちゃん!」

「また一緒に学校に通えますぞ!」


 え、嘘!? 今日一嬉しいんだけど!!

 内心無茶苦茶喜んでいる俺に乱華が「そうじゃねぇだろ!」と声を上げた。


「今聞いてんのはそんなことじゃねぇよ! なんでお前がストーカーと仲良くしてんだってことだよ!」

「ストーカーですぞ??」


 乱華の言葉に銀ちゃんは状況が掴めず困惑している。


「待ってくれ乱華、俺は銀ちゃんのことを中学の頃から知ってんだ。銀ちゃんはストーカーなんかする奴じゃない」

「……ほぉー? じゃあテメェはそいつの肩を持つってことだな?」

「肩を持つも何も銀ちゃんはあり得ないんだよ」

「なにがあり得ねぇんだよ!!」


 だって銀ちゃんは、


「あ、拙者二次元にしか興味ない故」


 ハッキリと言い切った。


「……はぁ?」

「実は今日こうして来たのはこれを返すために来たんですぞ」


 そう言って銀ちゃんが取り出したのは何かの黒い手帳と花柄のハンカチだった。乱華はそれを見ると、


「私のハンカチ……とこれ私の生徒手帳じゃねぇかよ!?」


 なんで銀ちゃんが、と聞いてみると銀ちゃんはあっさりと応えた。


「実は引越しの準備とかでコッチに来ていた時に拙者転んでしまいまして、その時にそちらの女子にハンカチをいただいたんですぞ」

「マジかよ……え、じゃあ乱華のその生徒手帳はどうしたんだ銀ちゃん?」

「その時にそちらの女子が落としていったんですぞ」

「へ? 私が?」


 そうですぞ、と軽く応える銀ちゃんはゆっくり立ち上がると静かに呟く。


「では拙者は失礼しますぞ」


 それだけ言うとあっさり去っていってしまう銀ちゃん。残ったのは俺と乱華だけ、


「なんだったんだアイツ……」


 いや本当にな。




        ~おまけ~




「そういえば銀ちゃんなんですぐに返さなかったんだ?」

「逆に聞きますが拙者が一人で女子に話しかけに行けるとお思いですかな?」


 あ、うん無理だな。


「え、でも乱華のこと追いかけたりしてたんだろ?」

「人聞きが悪いですぞ。あれは拙者の情報収集力使ってあの女子だと突き止めたものの、返すタイミングを逃してしまっただけですぞ」

「あ、そうなのか」



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