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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第70話 乱華とのデート! ワンッ! デート中編②




「なあ透」

「どうした乱華」

「お腹空かないか?」


 公園を進みしばらくして広場に出ると乱華が突然声をかけて来た。

 そういえば腹は減っている。銀ちゃんと通話していてそれが終わり次第昼飯を食べようとしていたから、いきなりデートが始まった為に尋常じゃない程に腹が減ってしまった。


 そういえば姫はちゃんと昼飯を食べているだろうか? ヤバい気になってきた家電に掛けてみるか。


 スマホを取り出し操作していると、乱華が突然画面を手で隠した。


「おい透……お前もしかしてデート中に私以外の女のこと考えてんじゃねぇだろうなぁ?」

「考えてないっすマジっす」


 あ、嘘つけた。なんだよ……結構つけんじゃねぇか……(嘘が)

 言っても所詮は八割だし呪いが発動しない時もあるだろ。ザッコ♡ 呪いマジでザッコ♡


 そんなふうに調子乗っていると、


「……で、本当は?」

「嘘です考えてました」


 呪いが発動しました。マジ呪いふぁっきゅー


「お前が嘘つかない良い子で私は嬉しいよ」

「あははー……それほどでもないでござるよ……」


 違うんです。正確には嘘のつけない可哀想な子なんです。

 もうこれは嘘つかないで生きていく方が生きやすいのでは? あ、いや駄目だ。嘘つかないと多分すぐ心や景ちゃんに拉致監禁されるかもしれない。


 てか嘘がどうこうじゃなくてもあの二人ならちょっとでも理由があればやるなうん。


「いや今一緒に住んでる姫がいるだろう? そいつが昼飯食べたのか気になってな、連絡しとこうかと」

「……従姉妹だったか?」

「え、あ、おうそうなんだよ」


 あ、この嘘は通るのか。偶々二割を引いたのか姫のことに関しては嘘つける系なのかな?

 おそらく後者だろう。直感だけど、ゲームならそうだしな。

 俺の返事にムスッとした顔をしていた乱華はしばらく睨んでいたが、ため息を吐いた後につまらなさそうに呟いた。


「……早く連絡してやれよ」

「良いのか?」

「うっせぇ早くしろ」

「あ、ありがとな?」


 そっぽを向いてしまった乱華からとりあえず許可が下りたので家に電話してみるとツーコールで電話に出た。


『はいもしもし』


 あれ?


「え、心?」

『あれ透じゃん』


 まさかの出たのは心だった。何故に心が俺の家の電話に出るんだよ。


『どうしたの透? 電話して来て』

「あーいや姫が昼飯食べてるか心配になってな」

『それなら僕と今食べてるよー! お腹空いたって僕の部屋まで来たから透の部屋で食べてるの』

「お、おうそうか、ありがとな心」


 姫のやろう家の主人がいないのに勝手に人入れたのかよ全く、とりあえず食べてるなら良かったから良いか。

 安心していると唐突にスマホが耳からいなくなった。


 横を見ると乱華が俺のスマホを持っている。このやろ強奪しやがったな……


「話してんの従姉妹じゃねぇだろ。終わりだ没収」


 嘘ん、何その理不尽。


『え、待って今女の声しなかった? ねぇ透誰と一緒にいるの? ねぇ?』

「はいポチっ」

「おいおいマジかよ」


 この人平然と人様が使ってる通話中のスマホ切りやがったぞ。ヤバいなおい。


「電源切っといたからな、私とのデート中は付けるなよ」

「わ、分かりました」


 よしそれじゃ、と諦めた俺に乱華は言った。


「ご飯にしようぜ」



「美味しかったありがとな乱華」

「ふんっ……そうかよ」


 広場でレジャーシートを広げ、乱華の用意してくれたお弁当を二人で食べた。

 まさか乱華がずっと持っていたバスケットにお弁当が入っていたとはかなり驚いた。オシャレな恰好をしているもんだからバスケットはオシャレ女子の三種の神器なのかと思っていたわ。


「なんだよそれアホか」


 言葉は辛辣だが笑ってくれているからウケてはいるのだろう。良かった。


 それにしても、


「本当にこの公園綺麗だな。こんなところで美味しい弁当食べられるなんて良いなって」

「だろ? 私もそれが好きで良くここに来てこうして食べたりしてんだよ」


 そうなのか、と応えると乱華が静かに話し始める。


「私の家は結構厳しいんだよ」

「乱華と天のお母さんが、だったよな?」

「お姉様に聞いたのか?」


 知ってるなら話しやすいな、と言って、


「うちの神社はかなり昔から神に支える巫女を決めるんだけどさ、それがお姉様なんだよ」

「乱華は巫女じゃないのか?」

「違う」


 乱華はハッキリ否定した。


「私はお姉様の……巫女の世話係なだけだ。私はあの家でいなくてもいい存在だから……」

「なんだよそれ」

「お姉様だけだったんだ私を私として見てくれたのが」

「……」

「母様は私のことは”世話係”としてしか見てないのさ、別に暴力受けてるとか無視されてるとかはないぞ? ただ昔から私一個人として見てくれてないだけさ」


 悲しそうな表情で、だけれどそれがまるで当たり前だと諦めた様子で乱華は続ける。


「小さい頃はそれが嫌でさ、結構ここに来て泣いてたなぁ……」

「……そっか」

「……私は別にいてもいなくてもいいのかもってよく思ったもんさ……つまんねぇ話聞かせちまったな」


 話は終わりだ、と告げる乱華に俺はそれにすぐに応える。


「乱華一つ良いか?」

「……んだよ」


 まず一つ、


「えい」

「痛っ!!」


 俺は冷静に乱華の頭に向けてチョップをかました。

 そんな事をされてあの乱華が黙っているわけなく、


「なにすんだテメェ!!」


 と怒りだす乱華に俺は眉間に皺を寄せて言い返す。


「それはコッチの台詞だ。良いか乱華、自分のこと”いなくてもいい”なんて二度と言うな」

「なっ!!」

「子供だった頃の乱華にとってはそれはとても苦痛だった筈だ。俺が簡単にどうこう言って良いもんじゃないのは分かる」


 でもな?


「今は俺がお前の彼氏なんだ。自分否定するようなことは俺が絶対許さないぞ」

「……透」

「悲しいこと言わないでくれよ。付き合ったキッカケはともかく俺は乱華のこと結構好きだぞ? 本来の乱華を知ってから特にな、可愛いって思うし」

「か、可愛いってウゼェ嘘つくなよ……」


 残念これ嘘じゃないんです。神様からプレゼントされた呪いが働いているのでね!


「残念ながら俺は嘘つけない呪いがあるからな!」

「……なに嘘ついてんだよ」

「残念だなこれマジだから」


 いや本当そうなんですよ(号泣)

 

「私のこと好きか?」

「わりかし」

「私といて楽しいか?」

「楽しいぞ」


 そして乱華は俯いていた顔をゆっくり上げて、


「私……お前といても良いのか?」




「一緒にいてもらわないと困る」


 爆弾型チョーカーを外してもらうためにな。


 ちょっと空気が読めないと思うが、これも死活問題なのだ仕方ないのだ。


「……」

「……」


 綺麗な広場を眺め、二人して黙っていると乱華が震える声で呟いた。


「本当に透はキモいな……」

「なんだよその突然な罵倒は」


 でも、と乱華はすぐに言葉を続ける。


「私の彼氏は最高に格好良いな」

「俺の彼女も結構可愛いと思うぞ」




「……うっせぇよアホ……♡」




        ~おまけ~


   好感度

東鐘乱華 31%→66%



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