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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第68話 乱華とのデート! ワンッ! 前編





「で、デート?」

「おうそうだよ」


 何故に? 唐突過ぎない?

 正直なところ行きたくない。せっかくの長期休みは本当ならゆっくり休みたかったのだが、どっかの誰かさん達のせいで少しも休めなかった。だから出掛けたくないのだ。

 

「家まで来てくれたのに悪いけどな乱華? ゴールデンウィーク最後の日だし休みたいなってね? 明日から学校だろ?」

「あぁ? お前私が送ったメッセージ忘れてんのか?」


 え、と恐る恐るメッセージを見返してみると、


【それでデートいつにすんだよ?】


「あ」


 今この瞬間乱華のメッセージに気付いた。ここ最近色々あり過ぎて言われるまでメッセージ見てなかったわ……。


「既読付いたな」

「あ、はい」

「見てなかったな?」

「はい……」

「私は透からの返事ずっと待ってたんだぞ」

「……ご、ごめんな」

「……他の奴らとはデートしたらしいじゃねぇか」


 いやただ一緒に買い物してご飯作ってくれたり、一緒に水族館行ったり、散歩に付き合わされただけだけどな?


 思い返してみるとそういえば休み前に乱華と約束してた気がする。

 こっちの了承も無しに出掛ける気満々な乱華は凄く可愛らしい服装をしている。素の時に聞く男っぽい言葉使いを考えたらギャップを感じるが、正直それが気にならないくらい可愛い。


 流石に怒っているだろう、と思い言い訳を考えながら乱華の顔を見た瞬間、俺の思考は止まった。


「……」


 乱華の目が潤んでいた。今にも泣きそうなくらいに、


「ら、乱華泣いてるのか?」


 俺の問いを聞き、自身の状況に気付いた乱華は両手で顔を隠して目を擦り出した。


「うっせぇ! 別に泣いてねぇよ!」

「あ、いやごめんな本当に悪かったよ。頼むから泣かないでくれ……ほら見ろって世間様の目が痛いから」

「だから泣いてねぇよ! ……それでどうすんだよ」


 え、何を? つい聞いてしまったそれが、乱華の逆鱗に触れてしまい、


「馬鹿かお前は!? 文脈で分かるだろ! 行くか行かないかって聞いてんだよ!!」

「行きます!! 行かせていただきます!!」


 とても可愛らしいのに喋り方が怖い乱華に逆らう選択肢は俺にはなかった。


「……というかここまでお洒落して来た女子を追い返したら……儂が透に天罰喰らわしてるのじゃ」


 あ、来てたのか姫……。


「あれだけ五月蝿くしておったら分かるのじゃ」

「それってつまり急がないと心にも聞かれちゃうのでは?」


 それは良くない。アイツに見つかるのだけはあってはならない。


「一分待ってやるから準備してこい」


 了解しました光の速度で済ませます!!


「儂は明日に備えて家でのんびりするのじゃ」

「ずるいなお前だけ」

「今日中にクリアしたいゲームもあるしの」


 お前マジで何しに来たんだよ。







 家を出て歩き始めてしばらく、鼻歌を歌いながら笑顔で俺の前を進む乱華に聞いてみた。


「どうしたんだよ嬉しそうだな」

「あ? 黙ってろ浮気者」

「え、待って? 辛辣過ぎて泣きそう」


 自業自得だろ、と冷たく言い放つ乱華に言い返す。


「いやさっきも言ったけど杏理とは一緒に買い物行って料理を振舞ってもらっただけなんだよ!」

「デートだろそれ」

「真白とは一緒に水族館に行っただけだぞ?」

「デートだろ」

「そう言われるとそうじゃん……」


 ヤバい正論過ぎて何も言えない……いや待て!!


「お前の姉に関しては夜の散歩に付き合わされただけだぞ! 被害者は俺!」

「私の姉様とよくも!! ぶっ殺してやろうかおい!!」

「あーもうなんだよこの理不尽は!!?」


 これはもう某ツンツン頭の不幸体質系主人公に負けないレベルで俺も不幸だろ。


 機嫌が良いのか悪いのかもうわけが分からない。でもまあすぐにまた鼻歌を再開するくらいだからおそらくは機嫌が良いのだろう。

 すると突然、乱華は俺に向かって手を差し出した。


「ん」

「え」

「ん!」


 ど、どんな意図だろうか。ここで変なミスは出来ない。乱華の考えを先読みして行動しないと、


 ____ハッ!?


 分かったぞ最適解が!! 乱華はあの変態の妹だ。なら答えは決まっている。

 俺は即座に握り拳を作った。気持ちとしては犬の前足のイメージで、


 そして、


「お手」


 乱華の手にソッと手を添える。これぞ最適解____


「違うわ!!」


 違ったようだ。


「お前はわざとやってんのか!? 普通そうじゃねぇだろ!?」

「いやこれは俺のギャルゲーで養われた頭脳を使って導き出した答えであって」

「捨てちまえそんな頭脳」

「酷い!」

「だーもう仕方ねぇなぁ!!」


 痺れを切らした乱華は強引に俺の手を掴み、指を絡ませて手を繋いだ。


「よしこれで良いな!?」


 あ、それだけ?

 心とよく繋ぐわこんな感じで、と言ったら殺されるかもしれないから言わないでおこう。


「おう手を繋ぐやつだったのな。乱華が良いなら俺は大丈夫だぞ」

「んだよその言い方は? と、透は私と手繋げて嬉しくねぇのかよ」

「いや嬉しいぞ」


 そ、そうかよ、と何やら頬を掻いてニヤけている乱華はどうやら嬉しそうに見える。


「あれだろ恋人なら手を繋ぐくらい普通だからな」

「ん? それもそうかもな」

「これからは二人の時は手を繋ぐことに決まりだ」

「決まりなのか?」

「決定事項だ」


 そうなのか、と自分を無理矢理納得させて、これからどこ行くんだ? と思った疑問をそのまま乱華に聞いてみる。

 すると乱華は特徴的な八重歯を見せて笑顔で言った。


「ピクニックだ」




        ~おまけ~




「……透」

「ん? どうした乱華」

「あ、あのよぉ、なんか私に言うことないのかよ……?」

「え? ……あ、乱華今日の服装ムッチャ可愛いな」

「い、言うのが遅えよ馬鹿」



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