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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第64話 修羅場突入!? 強者たちの争い 後編




「私は元住んでた国で殺し屋をしてたのよ。だから銃の腕前なら誰にも負けないわ。」


 謝ることでようやく自己紹介をしてくれた杏理、赤く目を腫らしてはいるけれどツンとした態度は忘れてはいない。流石ツンデレさんだ。


「先輩この人らキャラ被ってますよ。殺し屋と暗殺者って……プププ」

「景ちゃんって本当に俺以外に態度悪いよな」


 とりあえず落ち着いて話聞け? 安定の景ちゃんは絶好調かよ。


「べ、別にさっきは泣いてたわけじゃないから、目にゴミが入っただけだからねっ!」


 杏理のツンデレも絶好調だな、よし。


「あー分かるよ杏理、とー君と言うゴミが視界に入ったからだよね。目に毒だもんねとー君は」

「ちょっと真白さん? 俺に対して辛辣過ぎやしないかい?」

「い、いや私雨上のことそんな風には思ってないんだけど、……ま、まぁつまりはそんな感じよ!!」


 待ってどんな感じだよ、と意味の分からなさにツッコミを入れるが、それに対して返事が返ってくる事はなく、杏理は静かに座ったことでいよいよ注目の的だった最後の一人が立ち上がって腕を組んだ。


「……東鐘乱華、お姉様の妹で透に爆弾仕掛けた張本人だ。趣味はお姉様鑑賞、好きな物はお姉様」

「い、いつもの私が知っている乱華と違う……それにお姉様って……」

「変態先輩は黙っててください」

「……ぶひぃ」


 景ちゃんの一言に小さくなる天だがすぐに持ち直し、


「悪くないけれどやはりご主人様から言われた方が心地良いな」


 などと言っている。

 天マジで黙ってろよ。なんならそこら周辺を四つん這いで散歩して来い。


「ブヒィィィ♡ ご主人様のご命令とあらばぁぁぁ!!」

「待て待て待て行くな!!? 冗談だから冗談!!!」

「透てめぇ! お姉様に何してんだ殺すぞ!!」

「えぇこれ俺が悪いのぉ!?」


 そんな乱華の態度を見て周りが黙っているわけもなく、


「やってみてくださいよ……私の先輩に手を出すなら許さないですから」

「乱華ちゃん? 僕の透に何かするなら黙ってないよ?」

「とー君は私の獲物なんだけど?」

「雨上には私との約束があるんだから余計な事するんじゃないわよ」

「ブヒィ♡」


 瞬く間にカオスな空間の出来上がりだ。景ちゃんと心は勝手に俺を所有物にしてるし、真白は俺を狙ってる。杏理は良しとしても天は変態だし、終わってるなこれ。そのうち胃に穴が空きそうだ。

 だがここで助け船を出さなきゃいつまで経ってもこの状況は良くならない。俺は乱華の側に寄って皆へ説明した。


「乱華は姉の天が好きでな、俺と天が仲良くなるのが気に食わなくてこの爆弾を着けたんだよ。でもこれだけは言っておくけど乱華に悪気があった訳じゃないんだよ」

「透……」


 そう言ってみるが、


「先輩悪気がないわけないでしょうが……爆弾着けられてるんですから……」

「……確かに」

「いくら私の為と言ってもそれは余計なお世話だし、駄目だろう」

「た、確かに」


 どうしよう……何も言い返せない。


「というか僕が聞きたいのは一つだよ。実際のところは付き合ってるの? 付き合ってないの?」

「それはもちろん付き合ってな____」

「付き合ってるに決まってんだろ。私の彼氏に許可なく話しかけんじゃねぇよ」

「えー」


 なんで頑なにそうなの乱華さん? 勘弁してくれよ。迂闊にそんなこと言うと、


「あ、心さん? その包丁を引っ込めてくんないかな? ちゃんと話すから」

「……分かった」


 この中にいる誰よりも一般人な筈の心が目にも止まらぬ速さで包丁を俺の首に添えており、見開かれた大きな瞳はドス黒く染まって、メンヘラモード心さんへと変わっている。


「なぁ分かっただろ乱華? 言葉に気をつけてくれよな? 俺の命に関わるからね?」

「わ、悪かったな透」


 おう、素直でよろしい。


「皆話してくれてありがとな、色々お互いに想うことはあるだろうけど、一旦俺の顔に免じて武器を収めてくれ」

「先輩の顔に免じて? いや先輩せいでこうなっているの分かってないんですか?」

「え、待って!? これって俺のせいなのか!?」

「今更ですね」

「とー君は全くもう……」

「雨上らしいわね」

「流石私のご主人様だね」

「……透の阿呆」


 睨み合っていたというのになんで君達はこんな時だけ息ぴったりなんだよ。

 ここまで言われると嘘でもいいから言い返してやりたい気持ちが出てくる。が、そんな事をしてみろ。


 ゴールデンウィークを終える前に俺の命が終えてしまうだろう。(確信)

 仕方ない、言い返したいが我慢だ。とりあえずこの場を落ち着かせる嘘でもなんでも言うしかないな。たとえば、


『皆には悪いけど今は一旦待って欲しいんだ。乱華も緊張してるから日を改めて話そうか。大丈夫か皆? 可愛い顔が台無しだぜ☆ スマイルスマイル☆』


 これで良いだろう。我ながら完璧な台詞だ。間違っても反撃しようとして、


『俺の彼女に手を出すなよ』(キリッ)


 なんて言って調子乗った日には寿命が縮まるどころか消え失せることが確定してしまう。


 お主なんじゃそのキャラは……、と姫にはツッコまれそうだがこれが最適解だ。決めたぞ台詞はこれだ、もはやこれしか正解はないまである。

 これが俺のギャルゲー脳が導き出した答えだ。


 見せてやるぜ! ギャルゲーの力ってやつをよぉ!!


「おい皆」


 深い思考を済ませて考えた台詞を言おうとした。すると突如身体の自由が効かなくなり、勝手に動き出す。

 内心戸惑っているのにそれすら表情に表すことが出来ずに結果として、


「と、透何してんだよ!!?」


 乱華を背後から抱きしめながら俺は言い放った。




「俺の彼女に手を出すんじゃねぇよ。俺達の事は俺達で解決するから余計な口出しすんな」




 じゃあな、とそのまま乱華の手を握ってその場を後にした。


 どうしよう何が起こったのか理解できないぞ?

 それよりもあまりの恐怖で後ろを見ることが出来ない。また嘘つけなかったのもあるが何故か言おうと思っていなかった言葉が口から飛び出してきたのか、しかも身体の自由も効かないし、どうなっているんだ一体……?


 フードコートを少し離れたところでようやく身体のコントロールが戻ってきたのだが、もう心臓はバクバクで爆発寸前だ。このままじゃ首が吹き飛ぶ前に心臓が終わるだろう。


 とりあえず俺のする事は決まっている。皆へのフォロー? いや、


「明日で最後のゴールデンウィークを満喫しよう……」


 もう色々疲れ過ぎて誤解を解くのもしんどい……、明日のことは明日の自分に任せよう。




 長く険しい修羅場を俺は無事? 乗り越えた。




        ~おまけ~




「言い忘れておったが透よ。真実の呪いは別に嘘をつけなくなるだけじゃぞ?」


 どういうことだよ。


「言葉の通りじゃ、嘘が言えなくなるとその前に考えていたとか、他の言葉に変換されて口から勝手に溢れるだけなのじゃ。喋ろうとした行動を封じるわけじゃないからの」


 自分が頭おかしいこと言ってる自覚あるか?


「あとそれに応じて身体も勝手に動くことがあるのじゃ、気をつけよ」


 今更過ぎるだろうが!! ふざけんな嘘が本音に変わるよりタチ悪いじゃねぇかよ!!? 治せ今すぐ治せ!!!


「そ、れ、は、無、理、な、の、じゃ」


 この神様は絶対許さないリストに入れよう。




      ~おまけのおまけ~



Q.景ちゃんが意外と落ち着いている理由は?


A.正妻の余裕



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