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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第58話 雨上姫ちゃんの設定




「えへへ透ぅ♡ 」

「な、なんだよ心」

「ん〜ん、なぁんでもなぁい♡」

「さいですか……」


 俺の腕に抱き着きご満悦な心。

 歩きづらいな、と思う気持ちを押し留めてデパート内を進む。

 だけど心さんや、周囲の目もあるから控えてくれないかな? 君色々残念だけど美少女ではあるんだからね? 男共の嫉妬と憎悪の視線が痛いのよ。


「やぁだ♡」


 可愛いな……でもメンヘラだからなぁ……。


 さて現在、何故心と二人きりで行動しているのか、それは少し前に遡る。







「透! このらぁめんというものは途轍もなく美味じゃの!! こんな美味な食べ物初めて食したのじゃ!!」

「そりゃ良かった」

「たこ焼きも食べたいから献上するのじゃ!」

「……それ遠回しに買って来いって言ってる?」

「それに食後の甘味はくれーぷを所望するぞ!」

「誰が金出して買うんだよ」

「儂一文無しじゃから透」

「内臓売って買ってこい」


 ようやく帰ってきたと思ったらどんだけ食べる気なんだコイツは、ゲームを買う金が無くなるだろう。勘弁してくれ。

 場所はフードコート。幸せそうにラーメンを啜り、セットで頼んだ炒飯と餃子を食べる姫。


 その姿を眺めている俺に対して心が口を開いた。


「それでこの子が親戚なの? ……姫ちゃんだっけ? 十年以上透と一緒にいるのに初めて聞いたよ?」

「親戚って本当なんですか先輩?」


 困惑した様子の心と違い、疑っている様子の景ちゃんはテーブルを軽く叩いて国家権力顔負けの尋問を始める。

 

「それは……」


 どう話そうか言い淀む俺を見て、まあ待つのじゃ、と姫が割って入った。姫には案があるようだが大丈夫だろうか……。


「えーおほん……私の名前は雨上姫」


 ん?


「海外に住み両親と生活をしていたが、非常に優れた頭脳のために両親が姫の将来について話し合いをした結果不仲になり離婚、引き取り先を決めあぐねていたところ透の両親から一緒に住むことを提案され、姫は快くそれを受け入れた」


 ん? ん?


「飛び級で高校生、頭脳明晰の帰国子女。好きな物は食べ物全般だが特に甘いものが好き、嫌いな物は辛い物、透のことが幼い頃から兄のように慕っており呼び方は『お兄ちゃん♡』」

「言われたことないですけど?」


 てか待って、コイツもしかして……


「皆からは”姫”と呼ばれている」


 自分の設定読み上げてるだけ!? 何やってんのコイツ!?


「以上じゃ! どうじゃ儂のことは分かってくれたかの?」


 分かるわけないだろ。いきなりこんなことして不審がるわ。勘弁してくれよこれ以上色々掻き回さないでくれ……。


「姫ちゃん色々大変だったんだね……。なんかあったら僕にいつでも言ってね? 僕は心、よろしくね姫ちゃん」

「私は景です。先輩と一緒だと大変かもしれないですけど無理しないで困ったら言ってくださいね?」

「ん! よろしくなのじゃ心! 景!」

「嘘だろマジか」


 コイツらどうかしてんのか? 今の説明口調でどうしてそうなるわけ?

 理解が出来ずに困惑していると、姫はニタリと笑い静かな声でピースサインをして、


「これが神の力なのじゃ」

 

 なんてところで力を使ってんだおい!!? 

 呆れて言葉も出ない。ただため息だけが漏れていく。

 ここ最近だけで俺はどんだけため息をしたことやら、そう考えていると姫が俺の耳元でソッと囁いた。


「大丈夫かの? ……お兄ちゃん♡」

「ッ!?」


 その行動、性癖を拗らせた野郎にはさぞ効くであろうそんな行動にハッキリと告げる。


「キッツ……」

「キツい!? なんでじゃ可愛いじゃろが!!」

「いや……流石に属性盛り合わせ過ぎなロリばばあにお兄ちゃん呼びされるのはキツいって」

「ろ!? ろろろろ、ロリばばあぁぁ!!?」


 あ、姫がキレた。


「お主言ってはならぬことを言ったな!! 儂が最も言われたくない言葉ブッチギリ一位の言葉を!!! 絶対に許さぬぞ!!!」

「わ、悪かったよ」

「しかもなんじゃ『属性盛り過ぎ』って、お主一言も二言も余計なのじゃ!!」

「だって属性盛り過ぎなのはもう天で見飽きてんだよ。二番煎じ神様」

「二番煎じぃ!? ……ぐぬぬ! おのれぇぇぇ!」


 怒り狂う姫は俺を指差し、パチンと指を鳴らした____が、特に何も起こることなく、安心していると、


「お主に呪いをかけたのじゃ!」

「は? 呪い?」

「そうじゃ! 全くお主は儂のことを蔑ろにし過ぎる! これでキッチリ反省してもらうのじゃ!」

「……どんな呪いだよ」

「言うわけないのじゃ、とくと苦しめ」


 怒った姫はそれだけ言い残すと、不機嫌なまま食事を再開する。

 ヤバい、どうやら”ロリばばあ”は禁句だったようだ。

 呪いって何を掛けられたんだ……、と考え込んでいたところに、僕からちょっと良いかな、と心が声高らかに発言した。


「いくら平等を記す為とはいえ、ずっとこの糞生意気な後輩と一緒は僕は嫌だよ」


 それに、


「同感ですね。私もこんな男女先輩と一緒は嫌です」

「あぁ??」

「あ? なんですか?」


 お互いに意見があったのに、二人は鬼の形相で睨み合う。君らほんと仲悪いよね。

 呆れながらも、じゃあどうするんだ? と聞いてみる。すると、


「じゃんけんで勝った方が先に二人きりでデートしようよ。」

「どっちが先に先輩とデートするか決めるわけですね。良いでしょう」

「ねぇそれ大変なの俺だけなんだけど、俺の意見を聞いてくれたりは……?」

「「ないです(ないよ)」」


 君らそんな時だけ息ぴったりだよね? どういうことなの??

 ともかく始まってしまった俺にだけ不利益な女の争い、果たして勝つのはどちらなのか。


「じゃあ行くよ!」

「はい!」


「「じゃんけん____」」




 結果的に、心が勝利した。

 因みに景ちゃんは悔しさのあまり血の涙を流したと言う……




        ~おまけ~




「てか姫」

「……なんじゃ」

「感情の起伏激しいな、更年期か?」

「死ね!!!」


 神様がその言葉を使うのはどうなのよ……。

 あ、これもセクハラか、気をつけないといけないな。


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