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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第57話 ダブルデート? 神様を添えて




 人が次々と行き交う中、右隣のやつから声がかかる。


「ねぇ透……一つ聞いて良い?」

「ん? どうした心」

「ここは何処なの?」


 その名は鍵咲心(かぎさきこころ)。本日の彼女は美しい黒髪を後頭部に纏めており、晒されている頸はつい気がつけば視線を向けてしまう。そんな魅力が溢れている。

 ここはなぁ、と心からの質問に辺りを見渡す。

 周りには複数の人がおり、人の流れが有りはするけれど皆がそれぞれ別の目的の場所へ進んでゆく。

 ある者はゲーム売り場、ある者は服屋、ある者はゲームセンター、またある者はショッピングモールと色々な人が集まる場所、


「駅前のデパートだな」


 そう。ここは駅前の大型デパートである。

 数日前に杏理と買い物に来た場所にまた来ていた。さすがゴールデンウィークというのもあって人が多い。主に学生や家族連れだが凄い賑わいだ。

 すると次は左隣から一言。


「先輩……私からも一つ良いですか?」

「どうした景ちゃん」

「なんでこのデパートに来たんですか?」


 なんでここに来たのか。それは、

 

「買いたい物があったんだよ」

「え……! そ、それって……私へのプレゼント……とか?」

「あ、いや新作のギャルゲーを買いに来ただけだけど」

「ふーん! 先輩なんてもう知りません!」


 頬を膨らませてそっぽを向き、分かりやすく機嫌が悪くなってしまった後輩。

 彼女の名前は海野景(うみのひかり)、愛称は(ひかり)ちゃん。

 心とは対照的に透明感のある白い髪の彼女はその可愛さも相まって周囲の目を惹いている。

 そんな景ちゃんの拗ねた表情はかなり良いものだ。正直萌える。


「それで先輩」

「ねぇ透」


 左右にいた二人が俺の前に並んで立ち、笑顔で言い放った。


「「なんで(なんで、)この人がいるんですか(コイツがいるの)」」


 お互いを指差し睨み合う二人。

 お前ら息ぴったりだな。意外と仲良いのでは?


「「ないです(ないから)」」


 やっぱ仲良いのかな?



 俺は二人に色々と説明をした。

 公平と言っておきながら早速片方を出し抜こうとしたことに対し、流石にフェアに行こうか、と話をした。ていうかどっちかの要望に少しでも多く応えようもんなら後に苦労するのは俺なのだ。まぁゲームを買いたいのも本音だけど、


「先輩の言いたいことは分かりました……」

「そうだよね。僕……もしこの糞後輩の方が私より少しでも多く透と楽しそうにしてたら……ナニスルカワカンナイヨ……」

 

 ……怖、まあでも分かってくれて良かった。


「でも先輩他にも言いたそうな感じでしたけど、他に理由があるんですか?」

「ん? あーそれはシンプルに”尺”の問題だよ」

「尺!!?」

「ゴールデンウィークだって永遠にあるわけじゃないだろ。いい加減休み明けの学校に疲れを残さないようにしたいんだ」


 だから、


「最終日はゲームだけして過ごしたい」

「うっわ! この先輩酷い!」

「そうだよねー? 最終日はゆっくりしたいもんねー? だからその日は僕と一緒にゲームしようねー」


 何言ってんだコイツ。


「最終日は誰にも関わらずにゲームするから、心は真白とか連れて遊んだら良いんじゃないか?」

「……なんでそんなこと言うの? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ??」

「ひっ」


 俺達の周りだけ気温が下がった感じがした。今は五月なのだけれど、体感真冬レベルである。


「うっわなんですかこの人めんどくさっ! メンヘラ拗らせ過ぎ! うっざ!」


 ちょっと景ちゃん? 今これ以上状況悪化させないでくんない??


 「とはいえこのままにしておくわけにもいかないよな……」


 うーむ、としばらく考えた結果、心の身体を自分の方に寄せて優しく抱きしめた。

 後ろで後輩が色々文句を言っているけど無視しよう。


 ……デパートの中で他に人もいるが、それは一応忘れよう。羞恥心も一旦捨てるか……。


「心聞いてくれ。明日は珍しくネッ友とゲームしたいからさ、決してお前の事を蔑ろにしてるわけじゃないんだ」

「透♡」


 一瞬で堕ちたわ。

 チョロ! チョロ過ぎて心配になるわ。


「え、先輩って友達いたんですか?」

「ねぇなんで皆俺に友達いないと思ってんの?」

「そんなことより後で私も“それ”やってくださいね。公平にですよ公平」

「そ、そんなこと? ……分かった分かった」

「本当ですよ? 約束守ってくれないと先輩監禁しますから」

「あ、はい。分かりました……」


 この後輩はなんて怖いことをサラッと言ってくれてんだ。恐ろし過ぎるわ。

 そして景ちゃんは猫のようにゴロゴロ嬉しそうにしている心の首根っこを掴んで、俺から引き剥がそうとしながら、


「それで先輩」

「……どうした景ちゃん?」

「その子は一体誰なんですか」


 俺の背後を指差す景ちゃん、そこには____満面の笑みを浮かべた姫が立っていた。


「あ、儂のことは気にせんで良いのじゃ。儂は主らの面白い姿を見る為に来ておるからの」

「はぁ?」

「儂の名は姫……えーとあれじゃ。雨上姫(あまがみひめ)じゃよろしくの景とやら」

「え、雨上って」


 困惑する景ちゃん。

 無理もない俺も昨日まで飲み込めなかったのだ。その反応も分かる。


「景ちゃん、心コイツは俺の親戚で姫って言うんだ」

「し、親戚? 初耳ですよ先輩?」


 悪いな俺も初耳だったんだ。


「これから透の家に厄介になるからの、まあよろしくなのじゃ景、心」

「「初耳ですよ先輩!!?(初耳だよ透!!?)」」


 お前は本当に余計なこと言うじゃねぇよ!!

 何楽しそうにしてんだ駄神が!!


 こうして心と景ちゃんとのデート? が始まった。


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